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変な奴は実は結構すごい人物だった

次に僕たちの現状を話す。


オークションに参加するにあたって僕たちが闘技場に出ることなったこと、オークションで買い戻すのに多大なお金が必要なことを、それでどこかの商会から融資を受けようとしていること。


「……それで私にどうしてほしいの?」

「その商会の顔を覚えておいてほしいの」

「???」


これには僕たちもルーアも首をかしげている。


「そんなことで商会から援護を得られるの?」

「ええ、間違いなく」


頭に浮かんだ疑問はさらに多くなる。


「どうやらわかってない人が7人もいるようね」


僕、オルド、ソフィア、カリナ、リズ、ルーア……あとは誰だ?


「っち、いいからさっさと話してくれ」

「ジェナはなぜだかこういう話は知らないのよねぇ」


どうやらわからなかったのはジェナさんのようだ。


「エルダ!!」

「はいはい説明するわよ」


エルダさんはデッドから聞いたと前置き、ノストニアの王家の現状を話し始めた。


「来年新王が即位するのは知っていますか?」

「ええ」


ルーアは知っていて不思議はないけど僕たちは知らなかった。


エルダさんの話によるとその新王は前王とは違い積極的に交流をしていく方針なのだそうだ。


そしてそれには交易、文化の交流なども含まれる。


「そして交易にはノストニアの特産も含まれる、それが商人の狙いよ」

「なるほどな数が少ない特産を売るなら、知らない人物よりも同胞の知り合いを優先するだろうしな」

「そう、現状鎖国状態のノストニアに先んじて伝手を持つことができるの、商人ならのどから手が出るくらい欲しいのよ」


つまりノストニアと交易が始まったときに便宜を図るようにしてくれということ。


「それで本当に協力してくれるの?」

「確実に」


ルーアさんは未だに疑っているようだがエルダさんやベルヒムさんは確実にと頷く。


「わかったわ、じゃあどこに交渉するつもり?」


するとドアをノックする音が聞こえた。


「ようやく到着したな」


バン!!


と大きな音を立てながら扉が開けられる。


「アーゼル商会の次期会長のガルバ・アーゼル様の助けを求めてきたのはここで合っているかな!!!」


なんと現れたのは市場でルーアをナンパしていた人だった。


ガルバはポーズを決めながら中に入ってくる


「ん?君は市場にいたあの子じゃないか?それに君たちも」


向こうも僕たちのことを覚えていたようだ。


「紹介するわね彼は」

「おおっとエルダ、自分で言うからいいよ」


すると佇まいを直してルーアさんに向き直す。


「では改めまして、私はアーゼル商会の第二席を配席しております、ガルバ・アーゼルと申します。ぜひエルフの救出にご協力させてもらいたい」


これには僕たちは唖然とする、なにせ先ほどの遊び人のような態度がガラリと変わったのだから。


ルーアさんも固まっている。


「おいおい、外でナンパされたのってお前かよ」

「ははは、プライベートでは綺麗な花を愛でるのが趣味でね」

「はぁ~その癖さえ直せば完璧なんだけどな……」

「無理だね、これが無くなれば私は死んだも同然になってしまうからね、なにせ稼ぐ理由も女性をもっと愛でたいからだしね」


仕事はできるがとてつもなく女癖が悪いのだろう。


「えっと……」

「おお、失礼を、目の前にいるのにこんなむさくるしい馬鹿な男と会話してしまうとは」

「毎度のこととはいえ、お前を殴りたくなるぞ」


しばらく茶番が続くとエルダさんが話を元に戻す。


「さてガルバ、状況は分かりますか?」

「大体はベルヒムから事前に」

「ならば問題ありません、貴方には資金提供をしてもらいます」

「見返りは?」


エルダさんはルーアさんに視線を向ける。


「私が自分の伝手を使い商談などで便宜を図ります」

「ふむ……なるほどそう来たか」


この部屋に静寂が広がる。


「うん、そうだね」

「じゃあ協力をしてもらえるかしら」

「……確認だけどノストニアにおける商業の補助という形で便宜を図ってもらえるんだよね?」

「ええ」

「……よし、手伝うとしよう」


こうしてガルバも協力してもらえることになった。

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