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情報屋

「あら、遅かったわね」


教会の前にルーアが既に訪れていた。


「あんたがエルフの使いか?」

「ええ、ルーアといいます」

「とりあえず中に入ってくれ」


ジェナさんに続いてルーアが中に入っていく。


「なんか少し硬い感じだな」


オルドの言う通り、以前のルーアとは違い、役割と義務感を感じているのか態度が固くなっている。


僕たちも中に入ると例の部屋まで向かう。


中に入るとエルダさんにジェナさん、ベルヒムさん、それとフードの被った男性が一人壁際にいる。


(あれってエルダさん達が言っていたデッドって人かな?)


「これで協力してくれるのは全員?」

「ええ、確定しているのは今いる人数だけね」

「…少ないわね」


ルーアさんはそういうが質は十分だと思う。


「さて、時間がないから話し合いを始めるわ」


こうして僕たちはオークションへ向けての会談が始まる。








「まずはオークションの説明をします」


エルダさんが進行する。


「ですがその前にエルフ側は貴女だけですか?」

「ここには私だけですが、私の目を通して皆が見ていますので問題ないです」

「ほぅ、便利な魔法がある物だな」

「ええ、使い魔の感覚を共有する魔法があります、それを私に使用し、仲間が視覚と聴覚を共有していますので向こうにも伝わっていますよ」


ということでルーアさんがみんなの代表で合っているらしい。


「では問題ありませんね」

「ええ、オークションの説明をお願い」


それからエルダさんの口からオークションについて話される。



まず裏のオークションはその身元がしっかりしている者のみしか入ることができない。


これは一見矛盾しているようだがこれは裏の世界での身元らしい。


オークションは大きいものが2回、小さいものが4回行われる。


今回は大きい方のオークションだ。


それゆえに裏の組織の伝手を使い参加している貴族は数多くいる。


「で、ここからが本題だ」


ベルヒムさんの情報で、ある建物がオークション会場になっているらしい。


場所はとある商会が所有している屋敷で名目は商業祈願パーティーと言うらしい。


「表向きは一見普通のパーティーだけど、その屋敷のどこかでは裏のオークションが開催されてるってわけだ」


屋敷の内部はさすがの情報屋でも知らない。


すると壁際にいた男性が紙を一つテーブルに置いた。


「内部の設計だ」

「さすがはボス、いい仕事をしていますね」

「お前は詰めが甘すぎる、情報はどこにでも転がっているのだぞ」

「へい、すいやせん」

「さすがねデッド」


男は予想の通りデッドだった。


内部のつくりを見てみるとごく普通の屋敷だった。


「これのどこでオークションが」

「それにオークションに出すものが運び込めるスペースがあるとは思えません」


この館は倉庫などは一切なく舞踏会などの催し物でしか使えない造りになっている


なら誰にも見られずに商品を運び込むなどはまずできないし、そこまで多くの物を運び込んだら怪しまれるだろう。


「なら、どこから」

「そこは分からない、地下にトンネルでも掘られていたらさすがに無理だ」


ということで構造の情報はここまでが全部らしい。


次に話されるのは警備状況だ。


「配置されているのはBランクレベルが数は最低でも100人、しかもこれが最低レベルだ」

「それは、侵入はまず無理だな、にしても冒険者がこんな依頼を受けるのか?」

「数は少ないがな、大半は元だったり裏で有名に成った者たちだ」


「なぁBランク戦闘者ってどれくらいだ?」


オルドがそう、尋ねてくる。


「AランクはBランクが10人集まっても勝てないぐらい差があって、BランクはCランクが10人集まっても勝てない」


つまりはあるランクの奴は上のランクには10人そろっても勝てないが、下のランクには10人で挑まれても勝てるぐらいの力量だと規定ではなっている。


それでいうならAランクのジェナさんが居てもこの守りは突破できないということだ。


「ということで、オークション前に強奪などの手段は我々には取れない、でエルフ側の意見も聞きたいのだけど」

「……あなたたちは穏便に済ませたいから協力をしたいんでしょ?」

「ええ、だけど現状では私たちは力業には出られない、だからもし失敗したときはお願いしたいの」

「……わかったわ、じゃあ力業は最後の手段って考えでいいのね?」

「ええ、ごめんなさい私たちの力不足で」

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