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ジェナの実力

事の発端はとある裏組織の魔物売買が原因だ。



その組織は裏カジノの闘技場用魔物を調達していたのだが、下っ端が暴走して闘技場用に合わない魔物であるワイバーンを用意してしまった。


闘技場ではどちらが勝つかの賭けがある。なのに強すぎる魔物では賭けにならないのだ。


「場所は取るし、維持費は莫大だ。持っているだけで損する魔物だ」


さらには暴れた場合に対処する人員も必要となりかなりの負債を抱え込むぐらいなのだそうだ。


「で、そんなアホな奴らでもかなりの規模でな、潰れると少し厄介なんじゃよ。それにかなり大きな催しになるだろうしな」

「ふ~ん。だがお前たちのメリットは何だ?」

「ふふ、それは言えんよ。でどうする?受けるか?」

「……」


ジェナさんは返答に困っている。


それもそうだろう。そんな危険な魔物と戦うのだ。下手すれば命を落とす可能性がある。


「あのさ?それ、俺達でもいいか?」


突如としてオルドが声を出す。


「オルド、何を」

「アーク、俺達ならやれるって」

「けど……」


「自信があるのかね?」

「ああ、俺達五人が集まれば怖いものは無いぜ!!」

「だが負けが解っている戦いなど賭けが成立せんよ」

「負けると決まったわけじゃないはずだ!!」

「オ、オル」

「じゃあワイバーンを倒せると?」

「わかんねえけど、トロールなら倒したことがある!!」


この言葉を聞くと老人は嫌らしい笑みを浮かべる。


「なるほど、では五人いればトロールは倒せるんだな?」

「ああ!!」


オルドを止める暇がなく話は進んでいく。


「ジェナ、条件は変更じゃ。この五人が闘技場に出ること」

「………いいんだな?」


ここまで来たら腹をくくるしかない。


僕は頷く。


「……もうどうにでもなれ」

「よし、では裏オークションへの紹介状は作っておこう」


こうして僕たちは裏オークションに参加できるようになった。






「なぁお前たちは本当にワイバーンに勝てると思っているのか?」


建物を出ると怖い顔をしてこちらを見るジェナさん。


「行けるって。俺たちはトロールも倒したことがあるんだぞ」


オルドはそう言って胸を張るのだが。


「バカが!!」


オルドの頭に拳骨が落とされる。


「ってーーーーーーーー!!!!」

「トロールが10匹いてもワイバーンに勝てるわけないだろう!!」

「で、でも」

「それにな、トロール一匹程度なら私一人でも余裕で討伐できる、だがな、ワイバーンは一人ではかなり厳しい、それに比べてお前らはどうだ?トロールに傷一つなく勝つことができるのか?」


これには僕たちは何も言えなくなる。


「……決まったものはしょうがない」


そういうと何も言わずに歩き出す、僕たちはその後ろをついて行く。


「……なぁ、俺ってやっちまったか?」

「正直ね……調べもせずに頷くべきじゃなかったかな」

「……スマン」


そのままジェナさんの後ろを歩いて行くと見慣れた建物に着いた。


「ここって……」

「ああ、ギルドだよな?」


ジェナさんは受付で何かを話し込むとこちらに戻ってくる。


「お前らの武器は何だ?」

「えっと……僕は剣と盾で」

「俺は籠手で格闘だ」


すると再び受付に行くと訓練用の武器を持ってきた。


「来い」


俺たちが連れてこられたのは訓練場だ。


「一度お前たちの実力を測る、自由に攻撃してこい」


そう言って何も装備せずに離れていく。


「ジェナさんの装備は?」

「いらないよ」

「でも万が一でも怪我をっ!?」

「アーク!!」


突然ジェナさんが消えるとすさまじい衝撃がお腹に来る。


僕は訓練場の端まで吹き飛ばされた。


「これでも実力の差がわからないみたいだね」

「アークに、何すんだ!!」


オルドは殴りかかるがすべてを紙一重で躱され、体捌きだけで投げ飛ばされる。


「てめぇらにはこんなもんで十分なのさ、理解したのなら全力できな」


今までの一連で僕とオルドの頭から心配という文字が消えさる。


「行くよ、オルド」

「ああ!!」

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