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オークション参加の代償に

建物の中を進むと一室に案内される。


中には先ほどの2人とさらに5人もの武装した人たちがいた。


「で、話とはなんだ?」

「次の裏オークションに参加したい」

「また急だな」


老人はジェナさんを深く観察する。


「……ふむ」


そして僕たちも観察する。


「なるほど。誰かが攫われたのか」

「「!?」」


僕とオルドは驚く。


「そこまで驚くことか?ジェナが裏オークションと言った時点でそこに出る品がメインになる。あとはその子供を連れてきたことにより何が目的かが絞られるな。貴族の子弟なら高価な武具が入るから絞りにくいが、平民なら別だ。平民、それも子供ならそこまで武具に固執もしないだろう。ましてや表じゃない裏オークションなのだからな。この時点で考えられるのが人か薬に分けられる。だが誰かを治そうと高価な薬目当てなら…ジェナ、お前は手を貸さない」

「……」

「なら考えられるのが人だ。だがそこの子供たちは別に道楽で買うわけではないのだろう?では誰かが攫われてそれが裏のオークションに出品されることを知りジェナに助けを求めた……こんなところだろう」


これには僕たちは茫然とするしかなかった。


「相変わらず、賢い爺さんだな」

「年寄りになったら楽しみは知恵比べぐらいだからな」

「でどうなんだ?協力してくれるのか?」

「さてどうしようかのぅ~」


するとこの部屋がやけに重苦しくなった。


証拠に7人のうち4人は武器を構えている。


「馬鹿者、武器を仕舞え」

「し、しかし」

「安心しろこやつが儂を殺すことは絶対にない」

「へぇ~賢老と呼ばれたあんたが絶対というか」

「ああ、言伝もなく急に来たんだ相当焦っているんだろう?」

「でもあんたが居なくてもほかの組織だって色々あるんだぜぇ~」

「はっはっは、先ほど言っただろう焦っているのだろうと、儂たちの『黒霧の館』は少数精鋭の裏組織、動きやすさで言えばアズバン領で一番だと自負があるからな」


ジェナさんは悔しそうな顔をする。


「で先ほどの申し出だが、条件次第で受けよう」

「詳細は聞き出さなくていいのか?」

「ふ、儂はこう見えても結構情報通でね、ある程度事情をしれば見えてくるさ」


(この人は分かってて!!!)


老人は人身売買のことを知っていて何も思っていないことに腹が立つ。


「ちっ、さっさと条件を言いな」

「実はな、カジノで面白い催し物があるのだ」

「カジノ?」


なにかのショーか何かかな?


「ちっ。あの趣味の悪いところか」

「そう。実はね少しお痛をした馬鹿どもが居てね。その後始末をしてほしいんだ」

(お痛?)


何をやったのか不思議に思っている


「暗殺ってこと?」


ジェナさんの口からあっさりと暗殺という単語が出てきて僕とオルドは驚く。


「違う違う。それなら不器用な小娘に頼むわけなかろう儂が頼みたいのは闘技場に持ち込まれたある魔物を討伐してほしいんじゃ」


魔物の討伐。


それは言うのは簡単だけど人によっては恐怖する言葉だ。


「詳細を話せ」

「その前にお茶でも持ってこさせよう。老人には長話はきつくてな」


すると護衛の一人が外に出ていき、お茶を持ってくる。


テーブルにカップと軽めの食べ物が置かれると再び話し合いが始まる。


「で、その魔物はなんだ?」

「せっかちだのぅ。そうだな結論から言えば討伐してほしいのはワイバーンじゃ」

「はぁ?!」


ワイバーン。


それは亜竜と呼ばれる魔物で、竜ほどの知力はないが力は竜同等と言われているモンスターだ。


「なぁアーク。ワイバーンってどれくらい強いんだ?」

「そうだね…少なくとも僕たちが倒したトロールよりは断然強いよ」


トロールはその特殊性ゆえに脅威とされているがワイバーンは純粋な個の力で脅威として考えられている。


実力がどちらが強いかなど明白だろう。


「はぁ…それは少しめんどくせえな」

「でも討伐できなくはないだろう?」

「………まぁな、しかしなんでワイバーンを?」

「実はな」


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