(((…変な奴)))
ということでアズリアスで一番大きな市場にやってきた。
「ここからは二組に分かれて探してもらうぞ」
規模から全員でまとめて動くのは非効率と言うことで班を作る。
「アークとソフィア、オルドとカリナとリズで動いてもらう」
「ベルヒムさんは?」
「俺か、俺はあそこで待っている」
ベルヒムさんが指差したのは居酒屋だった。
「「「「「……」」」」」
「なんだ俺がサボっていると言いたいのか?」
まさにその通りです。
「待て待て考え方を変えろ、お前たちが例の奴に出会ったらどうするつもりだ?」
「それは協力を申し込むんじゃないですか?」
「そうだな、だがそのことを俺やほかの奴ら無しで話し合うつもりか?」
「それは」
確かに、その時は全員で話し合いたいし、大人の意見も聞きたい。
「そこで俺だ、俺が一か所にとどまっていれば見つけた時に一人だけ寄越して知らせてくれればそこに行くことができるし、ほかの班の奴らを探しにも行けるってことさ」
ということで僕たちは渋々ながらもベルヒムさんを置いてルーアを探すことになった。
「では行きましょうアーク」
僕はオルド達と別れてからソフィアと市場を周っている。
それからいくつもの屋台や市場を周るがルーアの姿は見つからなかった。
「……見つかりませんね」
ソフィアがつぶやくぐらいルーアが見つかる気配がない。
「………ん?あれなんだろう?」
するとなにやら人だかりができている。
「なぁいいだろう~」
「しつこいわね、私はいいって言っているの」
「ははは、でも今は暇でしょ?」
どうやら悪質なナンパを受けている人がいるようだ。
「あの子も気の毒に」
「まさかあいつに捕まるとは」
「それにしても綺麗な子だな~」
周囲の人は心配はするが助けようとはしなかった。
「あれ?」
「あれって」
僕たちも興味本位で見に行ってみるとなんとナンパに合っていたのはルーアだった。
「ルーア?」
「!ルーアさん!!」
「あら、アークにソフィアどうしてここに?」
ルーアの方も僕たちに気づいたようだ。
「実は少し話がしたくて」
「おいおいおい、横から入って来るなよ」
ナンパしていた男性は僕たちよりも少し年上なくらいだ、それが今度は僕の方に突っかかってくる。
「気にしなくていいわよ、しつこくて困っていたの」
「おい、私が誰だかわかっているのかよ」
「だれ?」
「私を知らないのか!?いいだろう教えてやるよ、俺はアーゼル商会の次期会長のガルバ・アーゼル様だ」
「……だれ?」
僕もソフィアもルーアも分かっていないが周囲の人たちは動揺した気配が伝わってきた。
「知らないのか!?このアズリアスで三本の指に入るほど有名な商会だぞ!!!」
残念ながら来たばかりの僕たちはよくわかっていない。
「まぁそんな商会の次期会長である僕が食事に誘っているんだ、受けて当然だろう?」
「「その通りです、ガルバ様」」
取り巻きの二人がアホ次期会長を持ち上げる。
「で、アーク私に何か用だったの?」
「そうだ!!少し話したいことがあってさ」
「おい!僕を無視するな!!!」
僕たちで会話をしているとガルバが入ってくる。
「すみません、大事な話があるので後にしてもらえませんか」
「む、重要な話なら仕方ないな、誘うのはまたの機会にするとしよう、おい行くぞ」
「「はい」」
なにやら納得してガルバは去っていった。
「なんだったんだ?」
「さぁ」




