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男はみんなそんなもんさ

「いや~~ありがとね」


マークスさんは許可を取りに行く途中で宿に寄ってくれた。


「いえ、こちらも馬車に乗せてもらいましたから」

「でもなんでこんな辺鄙な村に来たんだ?」

「実は友人の巡礼に着いてきたのです」

「ほぇ~教会のアレかい?」

「はい」


マークスさんはこの村出身の商人でこの辺りの地らには詳しい。


「教会の誰に会うんだ?」

「さぁ牧師とは聞いていますが」

「ああ、牧師ならホーカスだな、気を付けろよ~あいつは説教癖があるからな」


そんなこんなで宿に到着する。


「俺は五日ほど、この村にいるから何か用があったら声を掛けてくれ」


マークスさんは今度は村の資材を買いに行った。


「アーク、部屋の確保終わったぞ」

「ありがとうオルド」


全員分の部屋を確保し終えると次に目的地である教会に向かう。


コンコン………………


教会の扉をノックしても反応がない。


「……いないようですね」


反応がないので中を覗いてみると誰もいなかった。


「マークスも来ていたことだし、そっちに行ってんじゃないか?」

「そうかもね、この村では料理とかの屋台はあるみたいだけど商店は少なかったから」


おそらくだけどマークスさんの店に行っているのだろう。


「どうするんだ?」

「いないのならば仕方ありません、どこかで時間を潰すとしましょう」

「じゃあ~屋台でも回らない?」

「いいわね、いろいろ見たことがない食べ物もあるし楽しそう」


女性陣の意見で食べ歩きをすることが決まった。


その後村の中心部で数件出ている屋台に行くのだが


「ん?なんか揉めているね」


なにやら屋台の店主とローブを被った少女が言い争っている。


「だから、お金じゃなければいけないんだよ!!」

「今は手持ちがこれしかない、これで何とかしてくれない?」


少女は木の実を取り出すが店主は首を横に振る。


「残念だが食料は足りている、必要なのは貨幣だ」


どうやら少女が物々交換を申し出ているんだが、店主が拒否しているようだ。


「あの、もしよかったら立て替えましょうか?」


ソフィアが親切心からそういう。


「こちらとしてはそれでもいいがな、こいつの物を見てみろ」

「……見たことない実ですね」


少女が持っていた木の実は今まで見たことがない実だった。


「グミエラという実でな、とても渋くて食べられたものじゃない、それに弱い毒もあるんだ」


店主の説明を聞く限り、たしかに物々交換できそうなものではない。


「大丈夫よ、既に渋抜きも毒抜きもしてあるわ」

「お前さんはそういうがな、この実に渋抜きや毒抜きの方法があるなんて聞いたことがないぞ」

「それは……故郷には伝わっているのよ」

「へぇ~じゃあ、その渋抜きと毒抜きの方法を教えてもらえるか?」

「残念だけどこの辺りにある物じゃできないわ」

「何を使うかだけでも言ってくれれば、信用するが」

「……無理」


なるほどこれなら話がこじれるわけだ。


「でも信じて、これは渋みもないし毒もないわ」

「だから!!」


これでは堂々巡りだ。


「おじさん、そのスープいくらですか?」

「ん?銅貨3枚だが」

「なら……はい」

「そっちがいいなら俺は構わないが」


ということで僕が代わりに支払う。


「……ありがとう」

「別にいいよ」

「でも、私の気が済まないわ、だからこれ」


僕は木の実を渡される。


「それ結構おいしいから食べてみるといいわ」


そう言って少女はどこか行ってしまった。


「なんだったんだあれ?」

「さぁ?」


僕とオルドは顔を見合わせる。


「ねぇ、綺麗な子だったからデレデレするのは分かるんだけどさ~目的忘れてない?」


女性陣の方を見るとジトッとした視線になっている。


「な、なぁ店主、牧師のホーカスさんの居場所知らない?」

「あ、ああマークスが来てるって噂になっているから多分その店にいると思うぞ」

「あ、ありがとうございます」


(((話を反らした)))

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