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残りの夏休みで

「それにしてもこんなに早く王都に戻る必要があるのですか?」


まだ夏休みあと少し残っている。なのに王都に戻ることに疑問を覚えるリン。


「それとカルスたちの訓練はどうするおつもりですか?」

「三人にはルナにメイドや執事の作法を教えてもらいながら、鍛えてもらうのがちょうどいいだろう」


あれでもそれなりの教育を受けてきた騎士の一人だ。


教え込むのに問題はないだろう。


(それに三人とも諜報や暗殺などに長けたユニークスキルだからな)


ゼブルス領にいる間に三人のユニークスキルを見せてもらったのだが、グラス騎士団長が三人に目を付けたら即座にスカウトするレベルだ。


なのでそれ方向の才能を伸ばすにはその筋に習う方がいい。


「いいじゃない、そろそろイベントもあるようだしね」


セレナが会話に加わってくるんだが、ある単語に引っかかった。


「イベント?」

「そう、あと少しで裏イベントが始まるはずなのよ」


俺とリンはセレナの事情は知っているので疑問に思わないが、事情を知らない三人は何を言っているか理解できていない。


その話は王都で聞くことにした。








数日掛けて王都に到着すると、荷物を総て借りた家にに運び込む。


荷物を解き終わると日も落ちてきたので夕食の準備をする。


「それでイベントとはなんだ?」


準備をしているリンとセレナに問いかける。


「ああ、あれ(・・)ね」

「……あれ?」

「い、いえ、あれですね」


敬語を使わなかったセレナを威圧するリン。


「リン、話が進まなくなる」

「申し訳ありません」

「続けてくれセレナ」

「ええ、イベントってのはね、オークションイベントの事よ」

「オークション?」


そんなのどこの商会でも普通に行われていることだろう?


俺の商会も数が少ない大型の魔道具はオークション形式で販売しているからな。


「もちろん普通のオークションじゃないわ、非合法のオークション、つまりは闇オークションよ」










厄介なことに足を突っ込むことになりそうだな。


「キラ様、どうですか闇オークションは?」


隣にいるアルガが感想を聞いてくる。


「まぁ想像通りだな」


今いるのアズバン侯爵領都市アズリウスで行われている闇オークション会場だ。


さてなんでこんなところにいるのかというとだな。


……ぶっちゃけ野次馬です。


気になったので参加しようとしたのだが今回の件では表の人間が関わったらまずいだろうということで、今回はバアルやほかのみんなに関わらせず、キラのほうで闇オークションに参加することになった。


「キラ様、こちらを」

「………目録か」


強力な武具、貴重な薬、貴重な素材、さらには違法な人身売買、危険物、違法採取物。


「まさに売れそうなものなら何でも売るようなところだな」

「ええ、なんなら我が組織からも売りに出しましょうか?」

「何を出す?」

「その腕の兵器とかどうです?」


俺はアルガをじっと見る。


「冗談ですよ」

「二度はないぞ」


アルガは頭を下げる。


俺はこいつを都合のいい駒と考えているし、こいつは俺を責任の押し付け場所と戦力として考えている。


俺たちの関係はどこまで行っても利害関係しかない。


目録に目を通すと気になる部分が目に入った。


「エルフ?」


人身売買にエルフの一文が書かれていた。


(確かこれがあるイベントのキーになるとセレナが言っていたな)


しかもこれは表ざたになったらノストニアとの関係に傷をつけることになるだろう。


(まぁあの若者なら問題ないとは思うが)


最悪はエルフごと闇に葬る策も準備しておかないとな。


事がことなので証拠隠滅の手立てもだ。


「そろそろ始まりますよ」

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