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序章②
「ひっくしょん!」
くしゃみとともに目が覚める。
季節の変わり目―夏から秋に変わり、冷え込み始める。
― 一度目が覚めるとなかなか眠れないんだよな。
俺は、時計をふと見た。
「まだ6時じゃないか」
本来起きる1時間前である。
「うっ…。」
一気に吐き気がこみ上げる。
「はぁはぁ…」
いつものが来た。
― ストレスによる吐き気。
身体が悲鳴を上げている。
そうだ、俺はブラック企業に勤めている。
わけのわからない仕事量、理不尽なサービス残業。
心身共に疲労を迎えている。
パソコンを立ち上げる。
― 検索。「ブラック企業」と打ち込み検索をかける。
ネットで、自分と同じ境遇のやつもしくはもっと悲惨な状況のやつの投稿を見て、安心している。
今日もいつも通り、体験談を見ようとした。
― 検索結果最上段。「ブラック企業。そして終わる世界」
奇妙なタイトルが一番上に引っかかった。
思わず、URLをクリックする。
そこには一言
――君は、この世界に飽きていないか――
そう書かれていた。
その瞬間、パソコンからまばゆい光が発せられそして、俺は気を失った…。