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人形の名前は?

作者: こもり

最近投稿してなくてすいません。

ある町に呪いの人形というものがあった。

その人形の名前は、アンドレアといった。


人形は、可愛らしい頬にくりくりの目が特徴的だった。

腰まで届く長い綺麗な髪は、光に反射し、まるで生きているようだった。


しかし、そのくりくりの目は、右目だけ壊れてひびが入っていた。目の色は暗い藍色で目だけを見ると、

こっちまで暗い気持ちになるようだった。



ある日、町の若い青年がその人形が『呪いの人形』と何故呼ばれているのか、と気になりその人形がいる

深い闇の森へ行くことになった。


「気をつけて行って来い。でないと人形に精神を乗っ取られるぞ。」


「判りました長老。是非気をつけます」


「良い判断だ。生きて帰れよ。」


「良い結果をお待ちになって下さい。では、

 行って参ります。」 



そう言い、青年は自分の村をあとにした。

 


■■□□□■■

(道に迷った……)

森に入り約5分で青年は道に迷った。


どこを見ても、暗い木々が生い茂っている。

(どうしよう)

青年がおろおろとしていると、

「どうしましたか?」

と、か細い声が足元から聞こえた。


声のした方を見ると、目がくりくりの可愛らしい子がいた。

思わず抱きしめたくなる衝動をおさえて、

「道に迷ってしまったんです。」と言った。


「そうなんですか。この先に私の家があるので

 一泊なさいますか?」

「ありがとう。助かるよ 」


途中、その可愛らしい女の子に名前を聞いた。


「君の名前は?」

「私の名前はハルです。貴方の名前は?」

「僕の名前は、カズ。今年で丁度20歳なんだ。」


「あ。つきました!」

「ここがきみの家?でかいね」

 すると、家の広さを褒めたはずなのにハルちゃんが怒っている。


「どうした?僕なにか変なことを言った?」

「違いますよ!その『着いた』じゃなくて

 『憑いた』ですよ!」


頬を膨らましてハルちゃんは肩を怒らせた。

「へ…どういう事?『憑く』?」

「はい!貴方の心に取り憑きました!

これで晴れて私の仲間ですね!クスックフフフフッ」



「は?」

僕は彼女が言ってることが理解できなかった。

僕の心に取り憑いた?晴れて仲間になった?



「少しだけ痛いだけで、一瞬ですからねー!」

女の子の嬉しそうで、ワクワクしている声が響いた。



僕は、薄れゆく意識の中長老様の言葉を思い出した。

《人形に精神を乗っ取られるぞ……》

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