人形の名前は?
最近投稿してなくてすいません。
ある町に呪いの人形というものがあった。
その人形の名前は、アンドレアといった。
人形は、可愛らしい頬にくりくりの目が特徴的だった。
腰まで届く長い綺麗な髪は、光に反射し、まるで生きているようだった。
しかし、そのくりくりの目は、右目だけ壊れてひびが入っていた。目の色は暗い藍色で目だけを見ると、
こっちまで暗い気持ちになるようだった。
ある日、町の若い青年がその人形が『呪いの人形』と何故呼ばれているのか、と気になりその人形がいる
深い闇の森へ行くことになった。
「気をつけて行って来い。でないと人形に精神を乗っ取られるぞ。」
「判りました長老。是非気をつけます」
「良い判断だ。生きて帰れよ。」
「良い結果をお待ちになって下さい。では、
行って参ります。」
そう言い、青年は自分の村をあとにした。
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(道に迷った……)
森に入り約5分で青年は道に迷った。
どこを見ても、暗い木々が生い茂っている。
(どうしよう)
青年がおろおろとしていると、
「どうしましたか?」
と、か細い声が足元から聞こえた。
声のした方を見ると、目がくりくりの可愛らしい子がいた。
思わず抱きしめたくなる衝動をおさえて、
「道に迷ってしまったんです。」と言った。
「そうなんですか。この先に私の家があるので
一泊なさいますか?」
「ありがとう。助かるよ 」
途中、その可愛らしい女の子に名前を聞いた。
「君の名前は?」
「私の名前はハルです。貴方の名前は?」
「僕の名前は、カズ。今年で丁度20歳なんだ。」
「あ。つきました!」
「ここがきみの家?でかいね」
すると、家の広さを褒めたはずなのにハルちゃんが怒っている。
「どうした?僕なにか変なことを言った?」
「違いますよ!その『着いた』じゃなくて
『憑いた』ですよ!」
頬を膨らましてハルちゃんは肩を怒らせた。
「へ…どういう事?『憑く』?」
「はい!貴方の心に取り憑きました!
これで晴れて私の仲間ですね!クスックフフフフッ」
「は?」
僕は彼女が言ってることが理解できなかった。
僕の心に取り憑いた?晴れて仲間になった?
「少しだけ痛いだけで、一瞬ですからねー!」
女の子の嬉しそうで、ワクワクしている声が響いた。
僕は、薄れゆく意識の中長老様の言葉を思い出した。
《人形に精神を乗っ取られるぞ……》