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春が始まってから1ヶ月経とうとしていた。もうすぐ5月にさしかかろうとした時期だ。
その時期に学校に転入というととても違和感をもつ。5月、7月、11月に入っても違和感は抜けきれないが、学校が始まって、2週間目で転入生が入るのがもっと違和感がある。
始まって2週間目というと、学校に慣れ初めて、友達が出来始める時期といっても過言ではない。その中にまた新しい人が入ってくるというのだ。違和感にしか思えない。
少年は思った。これからどうしようと。久々の学校生活とはいえ、今後どうやって過ごしていこうと考えていた。
考えているうちに先生がやってきた。黒いフリースで下はスーツ、いかにも働く女性という格好だった。
「始めまして。私あなたの担任になります、手越と申します。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします」
手越が頭をさげると、少年も頭をさげた。少年はたどたどしく手越を見つめていた。
「学校の中の説明をしようと思っていたんだけど…… 時間がないから先にHRしに学校に行きましょう、いいですか?」
「あ……はい。お願いします。」
廊下を出ると、みんなの視線は一気に少年へと向けられた。まるで不可思議な物を見てるか様にまじまじと見つめてくる。
こんな雰囲気にもう慣れを通り越して苦笑いをし始めた。いや、それともヤケなのか?
通り過ぎる男女学生の中に一人の女子がカメラをこっちに向けた。
「はーい! こっちに1まーい!」
「えっ?」
綺麗なシャッター音が廊下に響いた。手越は手を額に当て、ため息を吐いた。一方少年はあっけらかんとして今の状況を理解出来ずにいた。
「うーん、イマイチなんよなー。もうちょっと顔を高めに……」
「あのねぇ…… もうHRの予鈴は鳴ってるのよ!早く、教室に…」
「はいはーい! もう一回いくよー! えーーーがーーーお!」
言葉にのってしまい、少年は引きつり笑いになってしまった。しかし、それ以上に担任の手越がノリノリで両手Vサインしてる事に更に引きつってしまった。
無情なシャッター音が流れる。
「はーい!頂きました~! これはグゥーですなぁ~! 今度の新聞楽しみねー!」
「ちょ、ちょっと! 何やらせんのよ! 文屋には流さないでね…って、廊下走んなーーー!」
顔を赤らめながら、大声を叫ぶ、先生はまさにお猿 さんに見えた。少年はこの先、どうなるか不安でしょうがなかった。手越は一旦、深呼吸して、
「………恥ずかしい所を見せてしまったわね。今のは秘密にしといてね?」
「は、はぁ……」
どうなるんだろうか、学校生活。




