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第二話「部員&顧問」

一度も来た事のない三階を由良先輩と一緒に歩く。なぜならこの学校の教室は一、二階しかなく移動する授業が無いからだ。三回はほとんどの部屋が各部活の部室となっている。といっても文化部の部室しかない。それぞれの部屋のドアを見ると茶道部や三味線部など、色んな部活の部屋があった。皆一生懸命に頑張っている。やはりやりたい物があるからあんなに頑張れるのだろうか。そう思いながら温かい眼で見る。しかし、こうして三階からグラウンドで頑張っている生徒を見るととても小さく見える。こんなにも三階が高いとは思いもしなかった。そして、俺はあることに気づいた。


「そういえば二次元同好会っていつできたんですか?」


俺が一年の時はそんなものは無かったし、今年の部活紹介の時もそんな部が無かった。こんな俺だ。そんなものがあったらすぐに飛び込んでいるはず。すると由良先輩はにっこりしながら答える。


「実は二週間前にできたばっかなんですよ」

(出来立てホヤホヤじゃねえか!!しかも二週間で俺いれて4人ってすごいなあんた!)


口には喋らず心の中で突っ込んだ。さすがに驚いてしまうのではないかと思い。


「皆、優しくて私本当にうれしかったんです。念願の部が作れて本当によかったなって」

「・・・そうなんですか」

「翔君もありがとうございます」

「え?翔君?」


俺は少し驚いた。初めて言われる呼ばれ方だからだ。


「翔一だから翔君。だめですか?」


由良先輩は少し困り気味に言う。


「いや、別にだめってわけじゃないですけど・・・いいですよ」

「ありがとうございます。ふふ。やっぱり翔君って変わった人ですけど優しいですね」

「そうですか?(あんたに言われたくないよ!)」

「ええ、とっても」


どうやら自覚はしていないそうだ。満面な笑みでこっちを見てくる。そんな目でこっちを見ないでください。なんか泣けてくるから。


「では翔君。行きましょうか」

「は、はい」


そしてまた由良先輩に付いて行く。さっき念願のって言ってたけど何か作る理由があったのかな。

ま、今は聴かないでおくか。

-----------------------------------------------------------------------

「ここが私達の部室ですよ」


数分歩いていると由良先輩が一つのドアに手を伸ばす。ここが二次元同好会の部室。ドアの真ん中の紙に綺麗な字で二次元同好会と書かれている。誰が書いたんだろう・・・


「あ、この紙私が書いたんですよ」


若干そうだろうと思ったよ。なんとなくイメージ的に・・・


「多分もう中に二人とも入ってると思うから入りましょう」

「は、はい」


すると由良先輩はドアを躊躇無く開ける。俺の心の準備がまだだと言うのに・・・


「二人ともー。新しい部員見つけて来ましたよー」


ドアを開けた先には漫画本を読んでいる男子生徒とパソコンを使っている女子生徒の姿があった。


「本当ですか由良ちゃん先輩」


まず男子生徒の方が反応した。どうやらこの生徒に由良ちゃんと呼ばれているらしい。


「・・・よかった」


今度はもう一人の生徒が反応する。近くに脱いでいたコートを着て立ち上がる。


「ええ、相坂翔一君で昌君と同じで2年です」

「ど、どうも」


俺は焦りながら小さく礼をした。俺は自己紹介するのが少し苦手なのだ。


「へえ、僕は入江昌。よろしくね相坂君」


入江は俺の手を掴み、握手をする。髪型は薄い茶色で短髪だった。身だしなみはきちんとしていてとても性格のいい奴だった。


「そして、この子が一年の木嶋彩ちゃん。ちょっと無口だけどいい子なんですよ」


そう先輩が言うと彩と言う子が小さい声で「どうも」と言う。本当に無口なんだな。髪型はロングで銀、頭に花の髪飾りをしていて以外に身長は女性にとっては小さい。


「マスコットキャラみたいでかわいいですよね」


まぁ、悪くは無いな。そのくらいの方がピッタリだ。しかし、同好会と言っても結構部屋が広かった。椅子が三席、パソコンに使う椅子を加えて四席ある。部屋の右端にはたくさんの本があり、その隣にはポットや冷蔵庫があった。なかなか快適な場所なんだな。


「んじゃ翔君。早速だけど何をする?」

「え?」


俺は入江に対して驚き二、三秒考えてから質問をする。


「な、何をするって?」

「あ、そういえばこの部活何をするか言ってなかったですね」


と先輩は言うとコホンと一回咳をする。


「えーと、この二次元同好会はアニメ、漫画、ゲームなど色んなものを見て、どんなものだったのかその完成度とかを皆で言い合う部活なんですよ。」

「ゲーム!?そ、それって規則上だめなんじゃないんですか!?」


普通の学校ならそういうものは即没収決定に決まっている。しかし、


「ううん、ここの部だけそういった規則は許されているんだ。じゃないとこの部、二次元同好会の意味が無いからね」

「そんなすごい部活に入ったんだ俺」


あまりの言葉にガックリとする。そんな部活だなんて思わなかったからだ。以外にすごい部活だったんだな此処。


「じゃあ、気を取り直して何をする?」


学校じゃ絶対見られない家庭用ゲーム機やアニメのDVDがぞろりとでてきた。

例えるなら畳一枚分くらいだな。


「ゆ、夢みたいだ」

「アニメのDVDは一応私の私物なんです。」


マジかよ!?このDVD全部この人の!?すごすぎる。


「ゲーム機は昌君と彩ちゃんのなんです。」

「僕らの中の最高作品を持ってきてるよ」

「コク」


確かに、見てみる過去の作品で人気になったものが勢ぞろいいている。

RPG、アクション、ホラー、アドベンチャー、恋愛シュミレーション、これは絶対入江のだな。といった物がたくさんだ。なんか、今思うと本当にこの人たちすごいと思う。なんというか・・・二次元をものすごく愛していると言うか。とにかくすごく感じる。


「それじゃあ私はいつものを・・・」


すると由良先輩はパソコンを開きだしあるファイルを開く。そこには大量のエロゲーが入っていた。そしてその一部のファイルを開く。


「ちょ、由良先輩!?」

「はい?なんですか?」


キョトンとした顔でこちらを見つめる。


「いや、なんですかじゃなくて先輩学校ですよ!?

 普通のゲームはいいとはいえそれはさすがにちょっと」


この人、本当にそう言う系好きなんだな。なんか本当に危ない気がする。


「大丈夫ですよ。いつものことですから。それより翔くんもなにかやっててもいいですよ」


イヤホンを刺し、完全に一人モードになってしまった。


「由良先輩はほっといて。とりあえず、相坂君は何が得意?」


入江が俺に質問をしてきた。それよりもほっとくってそんなスキルはまだ俺は習得していないのに。しかし、とりあえず俺は入江の質問に答える。


「とりあえず全部の種類のゲームができるよ。入江は?」


すると入江は一回深呼吸をする。


「僕もほとんどのゲームができるけど一番はやっぱり戦争ゲームかな。武器を持ち敵に近づき相手を狙いあう。とてもいいゲームだよ」

「そ、そうなのか」


・・・案外コイツゲーマーなのかもな。


「そのほかにも恋愛とかアドベンチャーも好きだけど見過ごせないのはやっぱり・・・」

「まて、とりあえずその話は今の所聞かないでおく。」

「ん」


そんなことを考えていると彩が俺に携帯ゲーム機を渡してきた。彩は渡した後渡したものと同じ携帯ゲーム機を出してきた。カセットの中身を見るとそこには今も人気なパズルゲーム。テトリスである。これで編み出される言葉。


「対戦したいのか?」

「コク」


どうやら正解のようだ。ニッコリしながらうなずいていた。すると入江が俺に近づく。


「気をつけた方がいいよ相坂君。彩ちゃん結構強いから。」


彩を見るとさっきの笑顔とは違い真剣な顔になっていた。


「負けない」


以外に覇気があるセリフだな。しかし


「ま、俺も結構パズルゲーム得意なんだぜ?」


俺の友人達にに完封勝利をしているほどの実力だ。侮られても困る。


「頑張ってください翔君」


由良先輩が俺を応援してくれていた。もしかして、俺が負けると思ってるのかな先輩。


「分かりました」


一言返事を返し俺も真剣な顔になる。そして彩との対戦が始まった。

------------------------------------------------------------------


「くそーー!負けたーーーー!!」


後もう少しと言うところで負けてしまった。ものすごくくやしい。


「さすがに今の戦いは僕でもマネできないよ」


俺たちの戦いにさすがの入江も感心していた。


「まだまだ俺も弱いなー」


普通にテトリスをやっている人なら約十二秒で一つの列を消すくらいだろう。しかし、俺はその十二秒で約二列を消すことができる。だが、彩はそれより早く九秒で二列を消してくる。少しでも気を緩めてたら即負けだっただろう。確実にブロックを消してきていた。迷いなくだ正直言うと俺が甘く見ていた。まさかこんなに早い奴がいるなんて思わなかったからだ。しかも後輩って・・・泣けてくる俺がそう思うと急に彩が俺に近づき頭をなでに来た。


「そんなことない。ショウ、強かった」


ん?ショウ?まさか俺のことか?


「しょ、ショウ?」

「ま、まさか彩ちゃんから話に入ってくるなんて」


入江と由良先輩が彩の行動に驚きを隠せないそうだ。


「ショウ・・・よくやった。よしよし」


ものっそい呼び捨てされている。一応後輩だよね?まあ別に気にしないけどさ。つーかよしよしって犬は俺か。


「どうやら完全に好かれちゃったようだね相坂君。罰ゲーム考えてたんだけどそのあだ名いいかな相坂君」

「ニヤニヤしながらこっち見んな。別にそんなんじゃねぇし、罰ゲームにもなんないだろ」

「いやいや、いい方だよ。僕なんて最初のあだ名入江門なんだから」

「センス悪!つーか江戸っぽいな!」


入江門って、どっかの四次元ポケットをお腹に持っているロボットじゃないんだし。


「そんなことない。入江門かわいい」

「どこがだ!!」


彩の素のボケと入江のツッコミが入る。漫才かお前らは。ため息をしながら彩になでなでされながらも俺は椅子から立ち、由良先輩の近くによる。


「俺、ちょっと不器用なところもあるし。迷惑になるかもしれないけど、この部に入ったからには一生懸命頑張りますからこれからよろしくお願いします」

「ええ、これからもよろしくお願いしますね」


俺は由良先輩と握手をする。


「僕からもよろしくね」

「・・・よろしく」


入江と彩が俺の肩を叩く。こうして晴れて俺は変な人しかいない二次元同好会の一員となったのだ。といっても皆良い人だらけだった。

ちょっとエロ物好きだけど優しい、由良夜時音先輩。

色んなゲームを好むゲーマー、入江昌。

パズルゲームを得意とする後輩、木嶋彩。

そして、二次元のすべてを受け入れる俺。相坂翔一

こんなメンバーだけど、楽しくやっていけそうだ。


「それでは、次は何をしますか?翔君」

「そうですね」


そう言いつつゲームを見ていると・・・

バダン!!


「おーーっす!皆やってますかー?」


誰かが部屋に入ってきた。学生服を着ているわけではなく。私服を着ている。そしてものすごく小さい女の子だ。


「女の子?何でこんなところに?」


おれは最初そう思った。しかし。


「うわあ!私の事を女の子、って呼んでくれる生徒なんて初めてですー先生うれしいですよー」


・・・・・はい?


「しょ、翔君。この人は新崎恵里花にいざきえりか先生って言って私のクラスの担任教師です。そしてこの二次元同好会の顧問です」

「えへへーよろしくですー」


・・・どう返事を返せばいいか分からない。だって小六くらいの大きさで先生?どんだけ成長してないんだよ。実際ありえないだろ。


「あらら、相坂君、随分と唖然しているじゃないか」

「・・・ショウ、信じられない?」


止まっている俺に入江と彩が声をかける。俺はその声で正気を取り戻し、首を振る。


「いや、信じれられないとかじゃなくてちょっと驚いただけだよ。それに由良先輩が言ってるんだから真実なのは確かなんだし」


すいません。内面疑いました。


「実は、先生が私のためにこの部を開いてくれたんですよ?」

「そうなんですか。でも、なんでこの部を作ろうと?」


絶好の聞けるチャンスだと思った俺は由良先輩に聞いてみる。


「私のお父さん。ゲームのグラフィッカーの仕事をしてるんです。だから家に帰ってくるもの遅くて、あまり会話ができないんです。でも私お父さんの仕事を誇りに思ってますよ?私もいずれそんな仕事をしてみたいから。だから私もゲームとかそんな関連のことを知りたいなって思ってこの部を立ち上げたんです」

「そんな話があったんですか」


何故だろうか共感してしまう。やはりそう言うもの同士だからかな。

つーか、もしかしてエロゲが好きになった理由ってもしかしてその勉強のために開いたのがそれで目覚めちゃったとか!?


「昌君と彩ちゃんは放送委員会で知り合って。それで誘ってみたらなんなく入ってくれたんです」


なるほど・・・だから二週間に三人も集まったと。


「そしてーそこに相坂君が入ってくれたって事ですよ」


先生の言う通りだ。そしてすべてが繋がった。


「あ、そんなことより来週から重大な企画をやろうと思っていますー」

「「「重大な企画?」」」


全員が先生の言葉に首を傾げる。


「そうです。来週の街中のシューティングゲームの大会に三人・・・じゃなくて四人で参加することです!」

「「「シューティングゲームの大会!?」」」


入ってばっかりに降りかかる初めてなことばっかりが起こるこの二次元同好会。

一体俺はどうなってしまうんだろうか。

いやぁ、夏だね。盛り上がりたいね。

こう言う時って何をすればいいのかな?

まあ、今季も引きこもるけど・・・

小説の書き方を変えてみました。どうでしょうか。

もし見えずらい、ここはこうした方がいい、などがあったら感想で書いていただければ幸いです。

夏中にはもう一話書きたいと思います。

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