1-5 『再開』
「‥‥ここも‥知ってる‥」
目の前に在る場所『院長室』の前で等々気力を無くし、疲労困憊な明菜は崩れる様にしゃがみ込む。
「もう‥いや‥」
此処に来る前にしゃがみ込ま無かった方が不思議な位だが、精神が肉体を凌駕すると言う言葉を実現させて要た。
だが、その精神も限界まで擦りきれている
「‥‥恵里佳‥」
しゃがみ込み、俯きながら親友の名前をか細く呼ぶ声は幼き子供の様で、廃墟と為った病院には不釣り合いだった。
「‥‥明菜?」
親友の声で突然に名前を呼ばれた明菜は体をビクつかせ、恐る恐ると声のした方へと顔を向けると
「‥‥帰るよ」
「え‥りか?」
「はぁ?名前の確認中?」
顔を向けた先には待ち望んで要た親友の恵里佳が其処に居た。
「恵里佳ー!!」
「ちょっと、何よ?止めなって!」
余りの嬉しさから明菜は立ち上がると略同時に恵里佳に抱き着く、抱き着かれた恵里佳は何やら嬉しい様な呆れた様な表情をしていた。
「何かあったの?」
「‥‥うん‥実はね」
二人で床に座り込んで暫くして明菜は、ポツリポツリと自らに起きた出来事を話し始めるが、何時もの様に瞼を閉じて、情報を一つ足りとも聴き逃さないと言いたげな恵里佳の表情が話しを聞けば聞く程に沈痛なモノに変わりだしていた。
「‥‥不思議でしょ?」
不安でも同意を求める明菜に
「‥只の偶然だろ?」
表情を隠して真実も隠しす恵里佳
「‥偶然‥‥偶然よね‥クスッ♪」
明菜は同意を得なかった事に逆に安心感を憶え。
「なにさ?」
恵里佳は親友を騙して要る事に罪悪感を憶える。
「何だかバカらしく成っちゃって♪」
「‥‥」
「帰りましょ♪」
「そうだな」
立ち上がる二人の会話の中に様々な交差が有るなか
『帰ろう』其だけは交差しなかった事が二人を病院から遠ざけ明菜を笑顔にする。
そして、明菜の横には一瞬邪な笑みを魅せた恵里佳が居た。