ある夜の出来事で結びつく二人
それは、ある夜の出来事だった。こうたは、はるかの家に遊びに来ていた。こうたとはるかの家は、隣同士で、家族ぐるみの付き合いだった。はるかの家には、その日、誰もいなかった。晩ご飯をごちそうするから、遊びに来ない、と、はるかから、誘いをうけたのだ。はるかは、一人でいることが、怖かったので、こうたを、誘ったのだが、こうたは、自分の都合のいいように、解釈していた。もしかしたら、自分に気があるのではないかと。
はるかは、極度の怖がりだった。本当は、こうたに、泊まってほしかったのだが、こうたは、午前0時に、帰ると言い出したのだ。はるかは、怖くなっていた。
そんな時、家のそばで、大きい物音がしたのだ。「キー、ドン。」まるで、車が何かにぶつかったような音だった。すぐに、2人で、家の前に出てみた。車は、もういなかった。人が、倒れていたのだ。車にひかれたのだ。すぐに、こうたは、救急車と、警察に、連絡した。
救急車がきて、車にひかれた女性が、病院に、搬送されていった。次に、警察も来て、あれこれ、聞かれた。ありのままを、話した。ひき逃げ事件だった。車をみなかったか!とも、聞かれたが、見てない、と、答えた。
まさか、交通事故を、目撃することになるとは、思ってもいなかった。2人は、あとになって、怖くなってきた。あの女性は、大丈夫だろうか、と、思っていた。
自宅に戻り、コーヒーを飲みながら、2人で少し話した。気持ちが落ち着くまで。はるかは、ますます、怖くなって、こうたに、もうしばらく、いてくれるように、頼んだ。こうたも、朝まで、いてあげようと、思った。たわいない話をして、2人で朝まで過ごした。こうたには、本当に、感謝をしていた。小さい頃から、ずっと一緒に過ごしてきた仲だったから、頼りにしていた。
それから、間もなくして、はるかの友達のともこが、メールしてきた。明日、借りていたCDを返しに来る、との、メールだった。今は、お盆休みで、はるかは、家にいるので、オーケー、と、返信した。
次の日、ともこは、CDを返しに来た。遅くなって、ごめんね、と言って。はるかの家に上がって、お茶を飲んで、帰っていった。
3ヶ月が、過ぎた頃、車にひかれた、女の人が、訪ねてきた。あの時のお礼だと言って、菓子折りを、持ってきたのだ。こうたのことを呼んだ。こうたにも、お礼を言って、帰って行った。
結局、ひき逃げした人は、まだ、捕まってないらしい、と聞いた。
自分たちが、もう少し早く、外に、出て、車を確認していれば良かった、と、思っていた。早く、犯人が、捕まることを願っていた。
そんな時、ともこから、相談したいことがあると、連絡がきたのだ。はるかは、恋愛相談か、何かだと思っていた。家で待ってると、ともこは、彼氏のおさむと、一緒に来たのだ。なんだろうと、思い、家にあげた。
実は、CDを、返しに、夜に、彼氏の車で、おさむの運転で、ここまで来て、事故を起こしてしまったとのことだった。人をひいてしまった、とのこと。彼氏は、震えながら、黙って、ともこの話を聞いていた。ともこは、泣きじゃくりながら、言った。「はるか、どうしよう。」はるかは、言った。「自首した方がいいよ。」ともこは、「そうだよね。」と言って、うなずいた。
2人は、そのまま、警察に向かった。
はるかは、こうたにも、知らせた。
これで、良かった、と、はるかは、思っていた。
ところが、これでは、終わらなかったのだ。
2人は、嘘をついていたのだ。本当は、彼氏の車を、ともこが、運転しての事故だったのだ。
2人は、警察で、こっぴどく叱られた。しかも、大変なことは、彼氏のおさむの車の保険内容は、おさむの年齢が、担保される、年齢条件になっていて、ともこは、該当しなかったので、保険は、適用にならなかった。これから、一生、車で、ひいた女性の治療費を、自己負担しなければいけないのだ。
はるかは、ともこが、大変なことになってしまったと思った。自業自得とはいえ。自分も、車の運転には、本当に、気をつけなければならないと思っていた。
こうたが、また、遊びに来たので、すべて、教えた。身近で、こういう事が起こるんだな、と、2人共、身が引き締まっていた。
ある夜の出来事で、こうたとはるかは、強い絆で、結びつくようになった。




