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第19話「濃霧の迷宮と、小さな共鳴」


 最果ての森・深部。

 ベテラン冒険者ですら顔をこわばらせるその場所で、唐突に「それ」は現れた。

 一歩進むごとに視界を奪う、不自然なほど濃密な「黒い霧」。五十人の大部隊は瞬く間にバラバラに分断された。


「ノア! どこ!? 離れないでって言ったのに!」


 リィンは霧の中で声を張り上げる。手には、先ほどまで引いていた台車の感触がない。


「……キュイ、キュイ……!」


 リィンの肩の上で、少し成長したぷーちゃんが不安そうに鳴く。ぷーちゃんの翼から出る銀色の粉が、周囲の霧をわずかに押し返していた。


「……おい、リィン。……うるさい」


 すぐそばから聞こえた声に、リィンは振り返る。そこには、台車から落ちて霧の中で仰向けになり、すでに爆睡しているノアの姿があった。


「あんた……! この状況で!? ……っ、来る!」


 リィンの直感が警告を発する。濃霧の向こうから、シャドウ・ウルフとは比較にならない、禍々しい「殺気」が近づいてきた。それは、この森のヌシ――災害級魔獣の気配だった。


「(ダメ……動けない。ナイト様……!)」


 リィンが恐怖に凍りつく中、眠るノアの身体から強烈な漆黒の霧が立ち上り始めた。

 しかし、今回はその霧がナイトの形をとるのではなく、ぷーちゃんへと流れ込んでいく。


「キュイイイイ!!」


 ぷーちゃんが鋭く鳴くと、その身体が銀色の光に包まれた。一回り大きくなり、背中の小さな翼が立派なものへと変貌する。

 ノアの「無意識の力」を燃料にして、ぷーちゃんが戦闘形態へと「成長(進化)」したのだ。


 飛び立ったぷーちゃんは、リィンの目の前で、迫りくる魔獣の殺気を銀色の粉で相殺してみせた。


「……すごい。ぷーちゃんが、ノアを守ってる……!」


 寝ているノアを中継点アンテナにし、ぷーちゃんが実際に戦うという、新たな連携が幕を開けた。

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