2021年度
2021年度も、相変わらず新型コロナウイルス一色での年度初めだった。この1年、強力な変異株が出現してそのたびに死者数が増える、といったよくないニュースばかりで、国際的な人の行き来もほぼなくなり、経済的には持ち直してきたものの、現実の社会は凍り付いたようだった。
そんな中でも、子ども達に少しでもいろいろな体験をしてもらいたいと思い、ゴールデンウィークは房総半島に出かけることにした。通常なら予約困難なゴールデンウィークだけど、この頃は旅行需要がまだ全然回復していなくて、普段の半額以下で宿を予約できた上に、往復の鉄道もガラガラだった。1年経って、まだこれか、と思ったものの、変異株がどうのというニュースばかりが流れるご時世ではこれも仕方ないか、とも思った。
そんな凍り付いた社会が少しずつ溶け始めた。ワクチン接種が始まったのだ。
しかし、このワクチンの接種がまた、大混乱だった。そもそもワクチン接種の予約を取るところから大変だった。こんなことなら、国なり市町村なりから、あなたは何月何日の午前or午後にこの病院で接種せよ、と割り振られて命じられる方がよほど楽だ。デジタル化が遅れている日本では、そういう割り振りを確実に伝達する方法自体がないので、どうしようもないのだけれど、接種券だけ送ってあとは自分で予約しろというのも大概ひどい。
結局、僕が住んでいた自治体では、秋口までかかって、ようやく家族全員が2回の接種を終えた。そして、このあたりから、ようやく、ポストコロナということが意識され始め、市場も本格的に上昇に向かっていった。このころ、積立投資の含み益はついに累積投入額を上回り、積み立てを開始してから20年近くを経て、投じた金額が倍になっていた。多くの危機を乗り越えて、その額を増していく残高を見ると、何とも感慨深い気持ちになった。
他方で、ワクチン接種がほぼ行き渡っても、新型コロナウイルスに対する扱いは変わらなかった。感染した場合だけでなく、濃厚接触者も自宅待機を求められ、そうならないために出勤の抑制も続いた。1年を超える期間、在宅勤務を中心にした生活をしてきて、すっかり体がなまってしまった。そして、実際にやってみて、テレワークの光と影も、実感できた気がする。
テレワークの光の側面は、何と言っても通勤時間がかからないことだ。通勤が片道1時間以上かかる場合はもちろん、たとえそれが15分や30分だったとしても、単純にその時間が節約できる。特に子育て中だと、その浮いた時間で色々と必要なことができる。また、これは会社の制度にもよるけれど、中抜けを活用することで、一定の家事を行ったり、学校から帰ってきた子どもの用事を済ませたりもできる。
他方で影の側面は、完全にこの裏返しになる。通勤が必要なく、誰からも咎められないので、やろうと思えば際限なく長時間働ける。他方で、一定の成果物を出しさえずれば、バレずにサボることもできる。また、勤務時間の管理がどうしても緩くなりがちなので、残業の申請なども含めて、いろいろなことがルーズになりがちだ。その場合、残業の有無が事後的にシビアに問題になったら、結構大変な気がする。
これはどちらもバランスの問題ではある。また、小さい子どもを養育する場合など、テレワークのニーズが高い家庭もあるだろう。皆が円満に能力を発揮できる社会がくればよいなと、テレワーク2年目にして、思ったのだった。
【家計と資産の概要】2022年3月
年度末の時点での家計と資産の状況です。
収入の部
夫
月収:49万円
手取:37万円
年収:780万円
妻
月収:50万円
手取:38万円
年収:800万円
貯金の部
貯金:1850万円
資産の部
株式
25万円
投資信託
日本株式:1551万円(△579万円)
世界株式:2583万円(△1631万円)
投信合計:4134万円(△2210万円)
積立状況
TOPIX連動:毎月5万円
先進国株式投信:毎月5万円
累積積立投資額:1924万円
【コラム】テレワークの労働条件
日本の多くの会社は、新型コロナウイルスが流行するまで、在宅勤務という勤務形態を真剣には考えてきませんでした。そもそも仕事をする場所が辞令で特定されていて、そこで勤務をするのが当然だったのです。
少し細かい話をすると、勤務の場所というのは労働条件なので、原則的には雇用契約で勤務地を定めることになります。ただ、多くの場合は、会社が転勤を命じることがあるということで、会社が指定した場所で勤務をするという形になっています。逆にいうと、会社が在宅勤務を命じて、各社員の自宅を勤務地と命じてしまえば、形上は在宅勤務に移行することは可能でした。なので、新型コロナウイルスが流行し、緊急事態宣言が出された当時は、社員の安全に配慮するという名目もあり、なし崩し的に在宅勤務が広がっていったのです。
ただ、勤務の場所自体はそれでいいとして、社員の勤務状況を管理できるのかというと、それは別の問題です。会社で仕事をする場合、普通は出社時と退社時にタイムカードを打刻しますから、これで、少なくともその間会社にいたことはほぼ確実だといえます。そして多くの場合、オフィスにいるのなら、仕事をしていたのだろう、ということになり、実際にそれに見合った成果物も出ていれば、残業を含めてあまり問題は生じなかったのです。
ところが在宅勤務の場合、オンラインのタイムカードシステムなどを導入しないと、このような管理はできません。しかも、自宅にはテレビもあれば、家族もいますから、本当にその時間、実際に仕事をしていたのかどうかが、会社からすると全く分からなくなってしまいます。もちろん、在宅勤務に移行する前と後で同じ程度の成果物が出ていれば、同じくらい仕事をしていたのだろうとはいえるのですが、新型コロナウィルスが感染拡大した時期は、たとえば営業職のなかでも対面営業を主体とするタイプの領域だと仕事がほぼ消滅してしまったような人もおり、その人が実際どれだけ勤務していたのか、といったことも結構問題になりました。
この問題は、パソコンで仕事をする人に関しては通信ログや操作ログでかなりの部分判明します。しかしこれも、自動的にログに残るような動作をするソフトがあったりして、完全ではありません。しかも、パソコンを使わない、紙ベースの資料の検討、手作業での校正といった場面になると、もはやお手上げです。
最も厳格にやろうとしたら、パソコンやスマートフォンのカメラを常時オンにしていつでも上司が監視できる状態をつくるといった極端なことも考えられますし、最近では、それをAIが常時解析する、といったことも技術的には可能になってきているようです。ただ、自宅の中の様子というのはプライバシーに属するものも少なからずあり、実際上はそこまでやっていいのか、という問題は残されています。極端な例を想定すれば、下着姿の子どもが後ろで走り回っている、というようなことになると、家庭内であれば問題にならなくても、上司がそれを見てよいのか、ということにもなるでしょう。
そんなこんなで、在宅勤務を巡る労働条件は、新型コロナウイルスの感染拡大が終わった今の時点でも、まだまだ未開拓です。ただ、こうした働き方のニーズは確実にあり、特に子育て中で通勤時間が惜しい場面では大変助かったりもします。その利害得失を考えながら、使える制度を使っていく、というのが賢い働き方といえるかもしれません。
この物語はフィクションです。歴史的な事実として、固有名詞で触れられる企業もありますし、株価や指数などは現実の数字に即していますが、それらはいずれも、あくまで実在の企業等をモデルとして再構築したものに過ぎず、記載された内容が真実であることは保証しません。
物語内(コラムを含みます。以下同じ。)で紹介する銘柄や投資手法について推奨したり勧誘したりするものでないことはもちろん、投資そのものについて推奨する意図はありませんし、投資の結果を保証するものでもありません。投資判断はあくまでも各自の自己責任でお願いします。
この物語では、法律や税金の制度を紹介している部分があります。可能な限り正確を期しましたが、その正確性を保証することはできません。また、近年は制度改正のテンポが速いので、早晩、ここに書かれている法律や税制は、現実に適合しなくなることが見込まれます。そうした点を除いても、具体的な状況に対する法律や税制の適用について、筆者はその責任を負いません。その種の判断はあくまでも各自の自己責任で、そして、ご自身で判断が難しい問題については、弁護士や税理士、FPといった専門家への相談を強くお勧めします。




