僕の存在理由
短編のつもりで書いてたのに連載型になることに…まあでも2~3話で終わるでしょ、多分。
僕は特に優れたものは持ってなくて、そこら辺にいるただの一般人という、どこにでもいそうなしがないただの人。
酒は飲めずタバコに興味も無く、ギャンブルを楽しんだりのめり込んだりする訳でもなく、TVも観ず、ただ二酸化炭素を吐き出しているだけで特に生産性を持つこともしていないと思う。
人生の楽しみってなんだろう。ゲーム?楽しくなかった。金を払っても結局何やってるんだろう…って思ってすぐに売り払った。漫画?どうにも楽しくない。絵が上手だな、って思ったけどそれだけ。アニメなんか漫画が動いて声がついてるだけとしか思えなくてやっぱり観るのは無理だ。文字を追うのも疲れるだけで結局本も読むことがない。
生きる理由って、なんだろう?
僕はおそらく社会に貢献している。給料もらってるだけの仕事はしていると思いたいけど自信はない。
「どうしたよ凛ちゃん、また人生の壁にぶつかった?」
あ、いけない。またいつもの壁の前に立ってた。
「はい、いつものです…」
今は休憩時間で会社支給の弁当を食べているところ。何もかもつまらない。弁当も味気なくて食事が楽しめない。
「凛ちゃんさー、もーちょっと楽に考えようよ。今人生に疲れてるでしょ?上がったら一緒に神社行こうよ。もしかしたら少しは気が紛れるかもしれないよ?」
先輩が誘ってくれてる。神社か…苦しい時の神頼みだっけ、僕そんなに苦しいのかな?
「佐々木先輩、僕、今苦しそうですか?」
「控えめに言って毎回この世の終わりみたいな顔してるね」
「そうですか…」
「そうですよー。見た目が苦しそうなんだもん、だったらさ、気晴らしにどうよ?まあ拒否はさせないけどね」
佐々木先輩はいつも僕なんかに声をかけてくれて僕を励ましてくれている。僕と話す時間は無駄にならないのかなって思うんだけど、お構いなしに話を続けてくる人。
「拒否できないなら行きますけど、神社ってどこにありますか?」
「んー、上がった時の凛ちゃんの顔色で決める」
僕はあまり自主性を持っていないので勝手に決めてくれた方がありがたい。考えることはとても疲れるから。
「よっし、後半もどうにか乗り切っていこう、凛ちゃん、笑顔作れる?」
「はーいっ」
愛想笑いは何故か得意だ。おかげでいろんなクレームを乗り切れた。
「ははっ、笑顔が可愛いって接客業では強い武器だからね」
なら佐々木先輩も強い武器を持っているんだね。
仕事上がりで佐々木先輩が僕の着替えを待ってくれている。
ふと気づいた。僕はデートに誘われたのかなって。僕なんかが佐々木先輩と一緒にいたら迷惑なんじゃないかなって思ったけど、佐々木先輩っていつも強引に誘う…じゃなくて強制だからデートじゃないのか。デートって好きな人とすることだもんね、じゃあ僕ってなんなんだろう?
「おーい凛ちゃーん、もしやまた壁の前かー?早く着替えてー」
いけない、待たせてしまっているから早く着替えよう。
「今出ます」
「俺もう着替え終わってるよー、0.02秒で蒸着させるんだー」
じょうちゃく?言葉の意味が分からないけどとにかく早く着替え終わらせて更衣室出なきゃ、で急いで着替えて出てきたんだけど、佐々木先輩の姿が見当たらない。
「ここだッ!」
と扉の裏から声がする、もしかして僕はまたやらかしてしまったのか…
「ごめんなさい、またやっちゃいました」
「やらかされたと思ってないからいいよー、よしよし凛ちゃん今日も私服可愛いね」
「制服の方がよかったですか?」
「OK、そういう所から話をしていこう。とりあえず車だねー」
「それで先輩、どこの神社に行くんですか?」
車に乗って助手席のシートベルトをつけてから聞く。僕に拒否する理由もないし、先輩は僕をよく見てくれているからきっと神社へ行くことに意味があっての事だと思う。急に神社?とは思ったけど。
「栃木県と茨城県境にある神社がいいな、フクロウさんを奉ってる神社だよー」
「その心は?」
「少し長めのドライブがいいかなーで考えた結果だね。そこの神社って宝くじの高額当選が売りの神社だから」
「宝くじ買ったんですか?」
「買ってないよ、俺は特に神社詳しくないし、長めにドライブするならそこかなーと思っただけ」
長めのドライブ?お泊りでもするのかな?お泊りセット持ってないんだけど…明日シフト入ってないよ…ね?
書いてても読んでても疲れちゃうだろうから分けることにしましたよ。まあリハビリで書いた感覚です。