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この世界で何を求める  作者: 七支 刀
楠野里高校編

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8/11

楠野里高校:02

 翌日、恐竜を倒した功労者として保健室で寝られることになった良太は軽くストレッチをしてから廊下へ出る。

 キャンプファイヤーをしながら肉を食べているときに大河から「明日、朝から体育館で会議する」と報告を受けていた。



「全身痛いな。筋肉痛なんであるんだよ」



 陸上の練習では感じない身体の痛みに顔を顰める。この世界でも普通に筋肉痛はあるようだ。

 大河たちによって大体の検証は行われていたようで、電気と水道が利用できるのは確認されている。ガスは使えなかったが、トイレが普通に使えるのは幸運だった。トイレットペーパーの在庫は有限らしいのだが。



 筋肉痛で全身が重い感覚を感じながら体育館に入ると、イスや長机を並べる生徒達が目に入った。どれくらいの規模で会議をするのかは聞いていなかったが、イスの並んでいる数を見るに結構大人数参加するようだ。



「おはよう。思ったより人集めるんだな」



 長机とイスのセッティング指示を出している大河に話しかけると驚いた顔をされた。



「おはよう。もう起きていたの?まだ朝早いよ?」



「俺をなんだと思ってるんだ?学校でゆっくり寝れるわけないだろ」



「いや、授業中でよく寝てるでしょ...」



 大河にはいつでもどこでもぐっすり寝れる人間だと思われていたようだが、間違いではないが布団派なので保健室のベッドは寝にくかったのだ。



「まあいいや。会議まだ始まらないからそっちで座って待ってて」



「準備手伝わなくていいのか?」



「大丈夫だよ。あとはパイプ椅子並べるだけだからね」



「そうか。じゃあ大人しく待ってるわ」



 体育館には既に口型に長机を並べてられている。大河が示した席は体育館の舞台と向き合う丁度中心の席だった。

 大人しく言われた席に座ったが、準備の手伝いをするつもりで時間に余裕をもって体育館に来たので、手持ち無沙汰になってしまった。



 体育館を見回してみるといま体育館で準備しているメンバーを見ていると3年生が多い。今の状況で朝から動けるほど精神的に立ち直れたのは3年生が多かったのかもしれない。昨日あれだけ普通にご飯を食べていた自分がおかしい側なのを改めて認識する。



「良太、おはよう!」



 ボーっと準備されていく様子を見ていたところに横から声がかかる。話しかけてきたのは同級生の成田比奈だ。同じ陸上部のメンバーで副主将をしている。昨日は見かけなかったがこの会議に参加するようだ。



「おはよう、ひな。昨日は顔見なかったけど大丈夫なのか?」



「昨日は教室に籠ってたの。食欲もなかったし」



 少し暗い顔をしながら良太の横に座る。



「でも大河から会議に出ろって言われたし、グラウンドに出た恐竜は倒したって聞いたから。動くしかないかなって」



「そうか。無理するなよ。顔色悪いぞ」



 明るく努めようとしている比奈だが顔は強張っているし、寝れていないとわかるほど目の下のクマはひどい。

 昨日、昼寝(気絶)して夜も寝ている良太とは比にならないほど疲れが見えている。



「無理するかどうかはこの会議の内容を聞いて決めるよ。無理って分かったら諦めがつくしね」



「まあそうか。因みにこの会議の話す内容知らないんだけど聞いてる?」



「私もあんまり聞いてないよ。ただ今日の司会進行は生徒会で、議長は生徒会長でやるらしいけどね」



「生徒会長か。うちの学校、生徒会がリーダーシップとる事あんまないのに大変だな」



「まあそれはそう。でも昨日、大河が生徒会引っぱり出せって言ってたから出るしかなくなったんじゃない?」



「なるほどな。ま、使えそうな人間遊ばせとく余裕はないか」



 アニメやライトノベルで生徒会が大きく権力を握っている内容も多いが楠野里高校ではそのようなことは無い。

 私学なので公立よりは自由が利くだろうが、そもそも学校生活で生徒会がリーダーシップを出さないといけないこと自体がほぼないのだ。



 比奈と雑談しながら時間をつぶしている間にも続々と会議の参加者が体育館に入ってきていた。陸上部のメンバーも続々と体育館に入ってきて良太たちの近くに座っていく。


 良太がイスの数で予想していたよりも参加人数は多いらしく、並べられた椅子の後ろに立っている生徒までいる。部活に入っている生徒はその部活で固まって座っているようだ。



「りょう君おはよう。今日は朝早いね。一応起こそうと思って保健室行ったのに。比奈先輩もおはようございます」



 他の生徒に比べれば少し遅いタイミングで蓮太郎が体育館に入ってきた。



「おはよう。大河もだけど俺をなんだと思ってるんだ?」



「授業中に居眠りばっかりしてるからでしょ。東君おはよう」



 蓮太郎の認識に苦言を呈すると、横に座っている比奈にツッコまれる。


 蓮太郎は呆れたような顔をしながら良太の後ろの席に座った。そうして周りに座っている陸上部の部員たちと雑談しているとセッティングの指示を出していた大河も戻ってきて、良太の横に座った。



「お疲れ様。昨日の今日でここまでしっかり準備できるのすごいわね。参加者多くない?」



 良太越しに比奈が大河に話しかける。実際良太も、椅子に座りきらない人数がこの会議に参加する事には驚いていた。



「まあ今の状況を知りたい人が多かっただけだと思うよ。実際何もわからないしね」



「そうよね。…今会議やれるだけでも恵まれてるか」



「そうだと思うよ。他の学校はそれどころじゃない場所もあるだろうしね」



 大河と比奈の話を聞きながら良太は昨日の内容を整理する。

 ”くろこ”の話では俺たちがあの時間帯で倒したとこは予想外だったらしい。恐らく想定では夕方や夜、なんなら今の時間に討伐に動いているのだろう。自ら犯人と名乗る人物に接触し、翌日には会議ができる環境を整える事が出来ているのはおそらくこの学校のみだろう。

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