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この世界で何を求める  作者: 七支 刀
楠野里高校編

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楠野里高校:04

「とりあえず、武器がドロップしましたが、まだ一回も出して無いので何が出てくるかは分かりません」



 言いながらステータス画面を操作し実体化させる。実体化した武器はそのまま長机の上ゴトンと低い音を鳴らして落ちた。



 手に持ってみるとロングソードのようで刀身は初期装備のロングソードとほぼ同じくらいだった。ズッシリと重く、鞘に施された装飾も黒地に赤色に塗られてしっかりとされている。



「初期武器よりも扱いむずそうだな」



 笑いながら剣を抜くと赤黒い刀身が目に入る。明らかに初期装備とは違う逸品だった。その光景を見ていた比奈や蓮太郎たちは呆れて笑っていた。



「流石ね。このタイミングで新しい剣見せびらかすなんて才能でしょ」



「ハハハッ!確かに昨日だしてたら晩御飯どころじゃなかったね」



 大河は驚きすぎて逆に爆笑していた。会議に参加している他の生徒は武器に驚きを隠せない様子で、ロングソードの刀身に目を奪われている。生徒会長は頭を抱えて俯いていた。



「良太、いいか?」



 声が聞こえてきた方を見るとサッカー部が集まっている場所だった。そこでサッカー部の主将で、良太たちと同級生の野口響が立っていた。


「大丈夫だぞ、ひびき」


 ロングソードを鞘に戻し、机に置いてから答えると明らかに強張っていた顔が緩んだ。立ち上がったひびきに全員が注目しているのに気が付いたのか、また少し顔が強張ってしまう。



「そのロングソードはレアな武器なのか?それともただ初期装備の次の武器というだけか、わかるか?」



「正直まだわからないとしか言えないな。戦ったのが昨日の恐竜だけだしな。あの恐竜が普通にそこらへん跋扈してるならいつでも手に入るだろうけど、そうじゃないならレア武器なんだろうな」



「確かにそうか。まだ判らないか」



「ただ、3人で戦って俺しか持っていなかったんだからドロップ率は低いんだと思う。もしくは『別の条件』があるかもしれないけど」



「なるほど、昨日のヤツがいてもその剣を全員が獲得できるとは限らないってことか」



「おそらくな。じゃないと3人とも持ってるだろうし」



「では現状はその一本しかないという認識で良いのですね」



 生徒会長も会話に参加した。頭痛は収まったのだろう



「そうでしょうね。それで、昨日ドロップしたアイテムを見て思ったんですが、この世界自分たちで武器とか防具生産するかも」



 さらにさっきまで横で爆笑していた大河が会話に参加して、とんでもない爆弾を投下した。少し落ち着いていた雰囲気が一気に騒がしくなる



「静かに!…それで鈴木さんそれはどういう事ですか?」



 騒がしくなった出席者を生徒会長が一喝した。大人しい雰囲気から予想できない鋭い声に一気に静かになる。



「ええと…。ドロップ品には牙や皮がありました。モンスターを倒したら武器が手に入るのであればこの素材は必要ありません。なのでおそらくこれらの素材は使うのでしょう。となれば」



「武具の生産が一番分かりやすいな」



 大河の言葉をひびきが引き取った。



「なるほど、良太さん、そして蓮太郎さんはどう思いますか?」



 生徒会長が俺と会話に参加していない蓮太郎にも意見を求めた。恐らく昨日戦った人間の意見が欲しいのだろう。



「そうですね。先輩の意見は多分あってると思います。結局昨日は肉以外使い道がありませんでしたから」



 蓮太郎は昨日のキャンプファイヤーを思い出したのだろう。確かに昨日は肉しか使っていない。



「俺も大河の考えは賛成だな。多分この世界、狩りゲーなんじゃないか?あと昨日の“くろこ”の口ぶり的にSLGの要素も入ってるかもな」



「かりげー?SLG?それはどんなジャンルですか?」



 大河や蓮太郎、ひびきは思い当たったのか頷いていたが、生徒会長は分からなかったようだ。



「狩りゲーってのは、モンスターを狩猟してアイテム回収してそれで武器とか作ってまたモンスターと戦うっていうジャンルだよ。SLGはシミュレーションゲームって言うやつなんだけど、雑に言ったら陣取りゲームかな」



「はあ、大まかにしか分かりませんがとりあえず話題にでた”くろこ”に話を変えましょう」



 生徒会長がずっと茫然としていた副会長の秋村芽吹に目配せをするとはっとしたように動き出す。


「えっと…。昨日の恐竜との戦いの後、3名は我々をこの世界に連れてきたと話す"くろこ"と名乗った人物と接触しています。この人物に関して実際に接触した3名に説明を求めます。」



 明らかに副会長は手元の紙を見ながら話しているので、元々の進行に戻ったのだろう。大河の顔を見ると頷き話し出した。



「生徒会と部活の主将級には後ろの東蓮太郎から会議前に共有があったと思いますが、同じ内容ではありますがそのまま説明します。」



 道理で蓮太郎が体育館にくるのがゆっくりだった訳である。どうも会議前に共有は行っていたようだ。どうも2人はめちゃくちゃ色々としていたようだ。



「"くろこ"と名乗った人物にとって俺達が3人だけで昨日の昼間に討伐したのは予想外だったようです。だから顔を出したと言っていました。おそらく本来は表に出てこないのか、目の前に姿を現すことは今後多くない可能性が高いです。」



 自分の手でこの世界に転移させた犯人に復習しようと考えていたのであろう面々は大河の説明に肩を落とした。本当に最初だったからこそ顔を出したのではないかと良太も考えている。


「“くろこ”の発言にはこの世界では人間同士の戦闘を推奨しているように見えるだろうという発言がありました。恐らくこの世界に転移した人間の数を減らすことが目的の1つとして存在します」



 大河の発言に出席している全員の顔が強張る。泣きそうになっている者や頭を抱えてうずくまっている者もいた。事前に内容を知っていた者も一様に硬くなっていた。

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