眼間 脚本版 未収録部分のみ
眼間 脚本版ではカットした様々な場面です。
本編を読む前または後に読んでもらえると嬉しいです。
⚪︎矢木が松坂に手紙を送った後
矢木、電車の音をふと聞く。
矢木M「紅茶に浸したマドレーヌが金閣によって破壊されないうちに。」
回想
矢木M「私は、その男についての記憶を3遍、思い出すことがある。」
アナウンス「人身事故のため列車が遅延…」
矢木「次は…」
松坂、制服姿で電車から降りる。
矢木M「黒髪だが巻き毛ではない、背が高くて、悪魔的な美しさをもつ人が降りてきた。」
松坂、手袋を探す。
矢木「あ、忘れてた乗らなきゃ」
八木、電車に乗る。
矢木M「さっきあの人は、数両先の、」
松坂「佑樹、湊斗、そろそろ帰るか。」
矢木「そういえ…」
斉藤「てかさ松坂、今度スポッキャ行かね?」
松坂「いいな、それ。誰誘う?」
斉藤「伊東とか、快人と…」
矢木、耳を塞ぎ、一人で松坂と斉藤の後ろ姿を見る。
矢木M「カメラにしかなりえなかった。」
⚪︎出口
斉藤「じゃあな」
松坂「じゃ。あ、矢木も。」
矢木M「あ、と言われるくらいだったら。」
矢木「おはよう」
松坂「あぁおはよう」
矢木「あ、髪にゴミついてる。とっていい?」
松坂「えーどこらへんだ…」
矢木「ここだよ、はい取れた。」
松坂「さんきゅな」
矢木「気をつけてな?」
松坂、笑う。
松坂「はいはい。」
矢木M「純朴な笑顔をみたくなかった。」
生方美久氏のドラマの名場面
silent:想の姉の妊娠とそれに付随する母親との喧嘩のシーン
いちばんすきな花:オクサマのお墓と手を合わせるところ
海のはじまり:弥生が海のペンダントを触ろうとしたところに夏の「触らないで」のシーン