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転生したら体力上げる所からでした。

わたしが死にかけてあれから3日ほど経ちました。

ようやく体洗う時以外ベットに居る生活から抜け出せて自由に動ける幸せを感じることができたよ。あれから変わった点と言えば助けた子に吸血鬼ってバレないために普通の食事をするようになった事かな。わたしが作れないから必然的にマスターに作ってもらってるけどすっごく美味しいのよねー。スープ作って食べて貰おう思ってたのが馬鹿らしくなっちゃう。



「んー!ようやく痛み無しで動ける!!」

「回復が早いと言えケガはしないに越したことはないからねレンカ」

「レンカ けがないように!」

「以後気を付けます、、、」



動けるようになった直後に注意を受けてしまった、、、。マスターが最初あの子を嫌ってたから仲悪くなるかなと思ってたら保護するって決めてからは普通に接していて以外だった。まぁこの子が夜に抱き着いてきた時のマスターが見せる視線はちょっと怖いけどね。



「動けるようになったからにはもう入学に向けて訓練するわよ!刺されたことで訓練が必要ってわかったでしょ!」

「それはもうひしひしと、、、」

「レンカがまた簡単に刺されないようビシバシ鍛えていくから覚悟しておくといいわ!!」



マスターの本気度が対面しているだけで伝わってくる。まぁ自分の所有物が傷つけられるのは誰でも気に食わないものだよね。



「それにアンタも!アンタを救うためにレンカがケガしたんだからついでにアンタも鍛えてやるわ!」

「わたしより小さい子なのに訓練なんて、、、」

「レンカと いっしょなら わたし がんばる」



なぜかこの子乗り気の様だ。なんか綺麗な黄色の目をまん丸にしてこっちを見てくる。うーんそれにしてもいつまでもこの子をアンタとか呼ぶの不便だなー・



「そういえばお姉ちゃんもうそろそろこの子に名前付けません?」

「確かにいつまでもアンタとかお前とか言うもの変だし、フィーカとかが今の状況見ると文句言われそうだしね」



こんな小さい子を訓練している所を見られる心配は無いんですか、、、。それはそうと特にこの子の名前の候補とかって無いんだよねー。



「お姉ちゃんは何か名前の候補とかってあります?」

「うーん私あんまりこういうの得意じゃないのよねー」

「う?」



お目目が綺麗な黄色だし、、、うーん



「柚月、、、ユズキは?」

「ユズキ?まぁレンカが決めるならいい名前なんじゃない?あんたはどうなのよ」

「ユズキ わたしのなまえ?」

「どう?好きな名前になれそう?」

「レンカが つけてくれた なまえ すき!」



よかった気に入ってくれたようで少し安心できた。しかし黄色いからって柚子と月を合わせる簡単な名前しか思いつかないとは、、、。まぁ気に入ってくれたしいいか!



「そういえば訓練って何するんですか?」

「レンカって今は自分の魔力の色見える?」

「え?ちょっと待ってくださいね」



マスターに言われて急いで感じようとしてみる。ベットに居た3日間は結構暇だったから1人で練習してて、遠めに話すくらいの距離ぐらいなら目を閉じなくてもちょっと集中すればマスターの色が見えるようになっていた。

集中して見てみるがいつも通りわたしの中には色が見えない。



「うーんまだ見えませんね」

「レンカちょっと言いにくい事があるんだけどね、、、」

「はい?」

「レンカの魔力の色が見えないって事が差していることはレンカに魔力が一滴もない事を表してるの」

「え???自分自身の魔力は見えないとかそういうのじゃ」

「私からもレンカの魔力の色は見えないから間違いないわ。正直魔力が全くない人は初めて見たからどう伝えるか迷ってたの」

「初めてって、、、」



えーっと?魔力がないってどういう事?魔法が使えない?



「本に描かれてた魔法を扱う素質が無いって事です?」

「いいえ素質と魔力の有無は別の要因だから素質に関してはまだわからないわ。とはいえ魔力が無いと魔法は使えないわけだけど、、、」

「ダメじゃないですか!」



そこそこショックなんだけど、、、って言うか魔力の有無も素質の中じゃないの?

転生して魔法の世界に来たのに魔法使えないって、、、



「学校の試験だと学力テストとちょっとした運動検査と魔法の素質があれば受かるけど、、、」

「けど?」

「その後の試験やら授業やらで地獄見ることになるね」

「そんな、、、」

「それはともかく!レンカはまだ学力テストで必要な知識も足りないし体力の方も試験で受かるだけじゃなく戦えるほど鍛えなきゃダメなのよ!!」

「はーいってどこで鍛えるんです?そこら辺で鍛えてるとバレちゃうかもしれないんじゃ?」

「レンカ バレる なに?」

「なんでもないよー」



危ない危ない魔法が使えないショックでユヅキが居る所で変な発言しちゃってた、、、。

結局ユヅキにわたしとマスターの事どう伝えるか決めてないんだよねー



「問題ないわ。レンカとアンタこっちに来て」

「なんです?」

「えー」

「いいから早く来なさいよ」

「やー!」

「随分嫌われてますねお姉ちゃん。これから一緒に暮らすんですから慣れないとですね」

「できるだけ普通には接してるけどねー。レンカを刺した奴のせいで3日もレンカから貰えてないしイライラして仲良くなるレベルまで余裕ないのよ」

「今日の夜ユヅキが眠った後にでもわたしから貰えばいいじゃないですか」

「いやよレンカが刺されてから流した量が多すぎて今貰うとレンカが倒れることになりそうだし、それに薄まったジュースは飲まないの」

「うーんそのイライラ解消を手伝えます?」

「それは夜のお楽しみ」



嫌な予感しかしない、、、でもわたしのせいで勝手に新しい住民が増えたり、ご飯食べられないって思うと付き合うしかないよなぁ、、、。




「ほら、ユヅキこっちに来て」

「はーい」

「ここまであからさまだとイラつくね」

「慣れていけばそのうちユヅキから接してくれますよ。」

「そうかしらね?それじゃ行くわよ」

「へ?行くって何処に?」

「人に見られない場所に☆」



マスターがウィンクしたかと思ったら、一瞬だけアトラクションのフリーフォールみたいに内臓が浮き上がる感覚が来て胃の中身が出そうになる。吐き気を何とかこらえて顔を上げてみると、心配そうに顔をのぞき込んでくるユヅキとドヤ顔しているマスターが居た。



「おえっ」

「着いたわよここがレンカを鍛える場所よ!」

「レンカ 大丈夫?」

「ありがとうユヅキ。大丈夫だよ」



若干の残り吐き気を感じながら周りを見渡してみると、学校のグラウンドぐらい開けている場所で森の中にあるのか周りは木で囲まれていた。ちょっと歩く距離の所には小屋が建てられていた



「ここはヴィエジャの森の奥地だから滅多に人は来ないわよ!ちょっと人との付き合いに疲れた時にここに来ているわ」

「え?わたし達はどうやってここに来ました?もしかしてこれも魔法?」

「そそ、ちょっと魔力が多めに必要だけど一度行った所なら飛べるのよ。」

「まほう すごい」



転移もできるって魔法すごいな、、、マスターの魔法を見てからユヅキがキラキラした目でマスターを見ている。魔法はかなり高評価みたいだ。



「ほらほら、私を褒めるのはいいからさっさと鍛え始めるわよ。」

「何するんです?」

「こういう時は、初めは走り込みって相場が決まってるのよ!特にレンカは、病み上がりで体力無いだろうから長めにするわよ!!」



めちゃめちゃ体育会系みたいな事言うなこのマスター、、、。



「大抵最初は緩めにするもんじゃないですか?」

「レンカは”特別”でしょ!このぐらい大丈夫!ほらユヅキはレンカについていって!」

「レンカに ついていく」



早く行けとマスターに尻を叩かれ走り始める。昔から運動は苦手だからこういう走り込みとか持久走とかは嫌いな部類なんだよねー。少し遅れて後ろからユヅキが着いてきてちょっとかわいい。



「ユヅキは小さいし無理ない範囲でいいからね」

「ユヅキ ついていく がんばる」



ちょっと前まで地下に居て、骨もちょっとつつくだけで折れそうだったのに、今もう普通の健康児ぐらい元気だ。ご飯をよく食べてるからそれのせいなのかな?



「私も後ろから走っていくけどー!レンカは追いつかれたらお仕置きねー!」

「え!?お仕置きってなんですか!」

「それは追いつかれてからの楽しみっっ!」



ユヅキが無理しない程度に走ってのほほんと考えていたら、遠くからマスターの声が聞こえて振り返って見ると、すでにマスターが走り始めていた。結構早いんだが?ユヅキに合わせているとすぐに追いつかれそうでマズイ、、、。



「ごめん!ユヅキ!ゆっくり来てね!!」



追いつかれないためにユヅキを置いて早めに走り始める。追いかけられるとスラムで男2人に追いかけられたことを思い出すな、、、。

グラウンドを5周した辺りで少し息が上がり始めて苦しい。ユヅキに追いつく度に少し頭を撫でてから走っていく。ユヅキも頑張って走ってはいるが、人外のわたしとマスターに追いつける訳もなくもうバテバテだ。無理せず途中で抜けて休んでても良いんだけど、、、。



「お姉ちゃん!これ後どれだけ走るのー!?」

「私が良いというまでー!」



終わりが見えないって地味にキツイよね!でも運動に苦手意識あるくらいにはできない方だったけど、もう5週もしているのに少し息が上がるだけで済んでいるから、吸血鬼の眷属ってけっこうすごいんだな。



「やぁーっと追いついた♪」



あのまま走っていたけど10週した辺りで完全に息が上がってしまいマスターに追いつかれてしまった、、、。わたしは肺が焼けそうになっているのに、マスターの顔を見てみると全然平気みたいな顔をしていた。



「ぜぇぜぇ、、、ぜっっったいに追いつくまで走る予定でしたよね???」

「まさか?私が疲れそうなぐらい走るなら終わってたわよ。やっぱりレンカは体力無い方ね」



まだ人間基準のわたしからしたら、すごく走った気分なんだけど、マスターからするとまだまだ全然のようで壁を感じる、、、。ユヅキの方は、完全に体力が尽きたのか完全にダウンしている様で、近くにあった木の下で休んでいた。



「ほら息整えて!また走るわよ!」

「えぇ?もうです?」

「もうよ!試験の日まで少ないんだからさっさと走る!!」



こうして夜が来るまで、走らされたわたしは転移してきた時の吐き気が効いたのか、何回か胃の中身を外に戻しながらマスターに追いかけられていた。



「もう無理、、、」

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