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転生したらお留守番任されて暇です。

あのままずっと膝枕されながら頭を撫でられていたらそのまま寝てしまっていたみたい。寝起きだからかまだ頭だふわふわする。膝枕だったのが普通の枕になっており人肌のぬくもりも消えている。若い体だからなのか血を吸われたからなのか眠気がまだある。朝日が眩しい。



「ふわぁ~」



マスターがどこに行ったのか気になり体を起こすと、制服のような服を身に纏っているマスターが居た。マスターが昨日着ていた服は足元に転がっていた。



「やっと起きたの?寝顔かわいかったからもっと寝ててもいいのに」



むぅこのマスターはやたらと私をかわいいって言ってくる。あんまりそんなことを言われた事がないからすこし恥ずかしいし容姿だけ見たら絶対マスターの方が可愛いから複雑だ。



「マ、マスターは何をしてるんです?」

「何って今から学校に行ってくるのよ。ふわぁ~人間ってなんでこんなに早く動くの?」

「学校?吸血鬼って日の光大丈夫なんですか?」

「んー私は大丈夫よ。程度の低い吸血鬼はダメらしいけど。」



吸血鬼にもなんかランクみたいなのがあったりするのだろうか。



「なんで吸血鬼のマスターが人の学校に行ってるんです?」

「お母様が人から隠れて生きて行くのだから人の社会くらい経験しておきなさいだってー」

「わたしと会った日は奴隷商の護衛一瞬で殺してたじゃないですか。怖がる必要あります?」

「冒険者ってのが居て強いのと弱いのでバラツキがある奴らが金のために私達みたいなのを殺して回ったり素材にする奴らがいるの。まったくひどいよねー」



冒険者なんかいるのか村にいた時は聞いたことすらなかった。ってかわたしも吸血鬼の眷属になっちゃったからもしかしてバレたら殺される???



「もしかして、、、眷属の私って?」

「もちろん殺される対象だよ。」



はい最悪の回答きたー。なんで転生した先で人類の殺害ターゲットにされるの?



「そういえば眷属になってマスターに逆らえない以外に変わった所あります?」

「あーちょっと力が強くなってたり、夜になると元気になったり、夜目がよくなったり?あっ私の眷属だから日光に関しては心配いらないわ。それ以外はお母様に聞いてないから知らない。」

「眷属も結構強いんだね」

「一般的な人よりもってくらいだけどね」

「もしバレたりした時とか考えないの?」

「大丈夫だよ。普通の人ならバレそうになったら魅了で有耶無耶にすればいいもの。まぁそもそもバレそうになった事なんてないけどね」

「それじゃそろそろ遅刻しそうだし、私は行ってくるから、、、あー」



”家で待っててね”



見られてない内に逃げようと思ってたけどしっかり釘を刺されてしまった。まぁ逃げた所でこっちの世界で帰る場所なんてないんだけどさ。



「行ってきまーす。」



行ってしまわれた、、、家で待っててって言われても今度はやる事無いよなぁ、、、



「暇なのも嫌だし掃除でもしてましょうか。」



と言って掃除を始めたはいいけど、、、ダイ〇ンなんて無いしダス〇ンも無いからメンドクサイ事この上ない。仕方なく見つけた雑巾を使って床を磨いたりホコリを取っていく。人形がいっぱいあるから時々愛でながら掃除をしていく。人形でメンタル回復しながら隅々まで掃除していく。時間がたくさんあったから念入りに掃除したがそれでも時間が余ってしまった。


掃除の途中で窓から外を見てみるとどうやら町のようだ。かなり賑わっていて大きい街なのかもしれい。


洗濯物もしようとマスターの着替え転がっているであろう服を探したがなぜか見つからないどこに行ったのだろう。仕方ないから自分の着せられていた服を洗おうと思って水場を見るがそういえばこの世界に現代社会での暮らしに必須な洗濯機がなかった。洗濯板なんか使った事ないしそもそも見つからない。外に出られないから川に行って洗うことすらできない洗濯物は断念した。


朝から何も食べてないから食料を探したらどこにも無い。「なんで」って思ったけど吸血鬼なんだから普通の食料要らないよねそりゃ。はぁ久しぶりに味の濃い物も食べたい、、、。


あぁ~暇だぁ。前の世界だったらゲームなりビデオ配信なりで無限に時間を潰せていたけどそんな娯楽こっちの世界には無い。遊べる友達もこっちにはいない。

とにかく何もすることがない時間をつぶす方法がないのだ。



「暇すぎるぅ~」



お留守番するだけでやることがなく床に寝転がってゴロゴロしているとマスターのベットの側にある本棚に目が映る。



「なんだこの本?初級魔道教本書?」



そういえばこの世界って魔法あったね。まだ一度もお目にかかれた事無いから忘れていたけどさ。


異世界って言えば魔法まであるよね。友達はこういう系のアニメとか本とかを好んで読んでたし今頃羨んでるかもしれないね。私は現代の生活の快適さを羨んでるけど。


とりあえず暇だし読んでみるか。初級だからか漫画本くらいの厚さだし簡単に読むだけなら2日もあれば読み切るでしょ。


んーなになに?



[魔法使いの素質は8割生まれた時に決まる。]


[血筋によって属性や素質の傾向は似るが、全く素質がない両親から素質持ちの子供が生まれる事もあるので神の個人宛ての贈り物と考えられている。]


[基本的に一般的な人間は補助具を使用し魔法を使用する。一部の種族は魔法の素質が高く補助具無しで魔法を行使できる。]


[高度な魔法の素質があり学園にて成績優秀な者は国にて召し使えることができる。]



とりあえず今の所まで読んだ感じ要約するとこんなのが書かれていた。

素質ねぇ、、、全く魔法の魔の文字にすら触れられてない程魔法の要素に触れられてないからわたしには無いんだろうなぁ~。魔法使えたらかっこかわいい美少女になれたのになぁ~。やっぱり魔法は子供の頃に誰でも一度は憧れたことがあるよねー。



帰ったわよー



そんなことを思っていたら玄関の方からマスターの声が聞こえてきた。マスターが帰ってきたようだ。外を見てみるともう日が落ちかけており暗い。

あんなに暇だったのに本を読むとあっという間に時間が進むし満足感があるし読書は偉大だ。続きの本もあるみたいだし何日か学校に行かれ放置されても大丈夫だろう。



「おかえりの一つもないの?あ、この本を読んでいたのね。奴隷にされそうだったのによく文字読めたね。」



帰ってくるなりマスターがいきなり背中から抱き着いてくる。なんでマスターこんなにボディタッチしてくるんだ。



「っぐ、おかえりなさいませ。この本は外に出られなくて暇だったので読んでました。」

「ふーん、、、もしかして魔法に興味あったりする?」

「まぁあるかと聞かれたらありますけど、、、」

「それだったら一緒に学校に行きましょ!!!」



え?



「レンカが居ないとちょっと寂しいのよねー近くにすぐ撫でられる対象が居ると安心するっていうか―」

「私が家に居ない間暇なんでしょ?ちょうどいいじゃない」



ペットを学校に持参するノリでこのマスター言ってないか?そんなハツラツと言われたところで、他人にこの手の甲の文様見られたら殺されるかもっていうのに、、、



「手の文様がバレないか気になってるの?それなら大丈夫よ。」



そういってマスターが私の右手の甲に人差し指を這わせる。よく聞き取れないが何かつぶやいてるようだ。顔を向けるとマスターの顔が近くて少し驚いた。



「はい!これで学校でバレる心配ないでしょ。」



そう言われて右手を見てみると文様が消えて普通の肌色になっている。



「消えてる、、、ちょっと目を離した隙に、、、これ魔法なの?そういえば羽としっぽも無いし」



正直少し魔法要素に触れられてドキドキしている。初の魔法が文様消しとはちょっと地味だけどね。



「羽としっぽは仕舞えるから仕舞ってるだけだけど文様消してるのは魔法よ。私が解除しない限りは見られないわ。一度解除すると掛け直す必要があるからちょっとめんどくさいけどこれで安心して来られるでしょ?」

「まぁそうですけど、、、でもお金とか手続きとか、、、」

「お金は野党から血を吸った時についでにいただいて結構溜まっているしレンカを運んでた奴隷商がたんまり持っていたし大丈夫よ。手続きの方は私が担当の人を魅了すれば通るからそれも大丈夫。」



吸血鬼の能力ってとても便利ですね!魔法を習ってみたいとは思うけどさ!!

さすがに命の危険を賭けてまで通いたくはない。



「そんないきなり言われても心の準備できてませんって」

「んーここまで言っても乗り気じゃないとはねぇ、、、ならいいわ」


ふぅよかった、、、不要なリスクを回避できた。


「それはそうと私お腹空いたから血吸わせて♪」

「嫌なんですけど、、、」


そうは言ってもこれを拒否しても”お願い”が待ってるから仕方なく首筋を差し出すのでした。

そういやなんで学校誘うのに”お願い”使わなかったのだろう。



「ごちそうさま♪」



、、、頂かれてしまった。二度目だからか昨日よりは脱力感が減っているような気がする。それでも体をマスターに預けないと倒れそうになるのだが。

頭も撫でられていて恥ずかしい。妙に落ち着くんだよな。



「あっそういえばレンカ」

「なんですか」

「明日私が学校に行っている間にお母様が家に来るらしいから出迎えてて」

「はい?」

「私が手紙で初めての眷属できた事を書いたら「今すぐに行く」って返信きててねー」

「どんな人なんです?」

「んー優しくて強い人よ」



まさかいきなり家族紹介とはね、、、とりあえず怖い人じゃないみたいでよかったぁ、、、

娘が飼ったペット確認みたいなものなのかな?


そんな風にドキドキしながらマスターの膝の上で意識が落ちるのでした。

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