転生したらマスターと同衾でした。
「えっと、、、お久しぶりですね?」
「何がお久しぶりよ。さっきも会ったじゃない」
「え?貴方のようなお姉さんとは一回しかあってませんよ?」
「あーもうはいはい。こっちがいいの?」
私のベットに入っていた目の前の吸血鬼が不貞腐れたように言った後、指をパチンと段々と鳴らしたら体の全体が小さくなっていつものマスターに変わっていく。体の成長を巻き戻したように見えて少し気持ち悪い。
「え?マスターって2つ姿あるんですか?」
「このお母様から貰ったこの補助具を起動すると大人の姿になれるの。この状態だと魔力とかの基礎能力が上がってるから私の本気って感じね」
あぁだからいつもネックレスなんかつけてたのね、、、。
ちょっと変わった大人形態と子供形態があるってことかな?大人の姿だと綺麗系で子供の姿になるとかわいい系になるの普通にずるいな。あ、また大人の姿になった。
「それで何で本気の大人の姿でわたしのベットの中に居たんですか?」
「それはもちろん残っているお仕置きと、疲れているであろうレンカを癒すのと、今のレンカから血液を吸えないから代わりの物を貰おうかなって」
わたしのベットに入ってするお仕置きって何なの?なんでお仕置きするのに大人の姿になる必要が?血液の代わりって何??疑問符しか頭にわいてこないんだけど。
「やっぱりレンカのわかんないってしている顔はかわいいわね。とりあえずレンカはベットに入ったら?温かくしといたわよ?」
「入らないとダメです?」
「ダメだね♡」
「ダメかぁ、、、」
マスターがベットの中から両手を広げてわたしを出迎えようとしてるのって、普通に見ると微笑ましい光景なのだろうがお仕置きってのと血液の代わりってのですごく怖く感じるのだけど。
でも入るしかなさそうなんだよな、、、。なんかキラキラした目でこっち見てくるし。
「早く入らないと”お願い”するよ♡」
「入らせて頂きます!!!」
マスターに”お願い”される前におとなしくベットの中へ入る。いつも吸血された後はマスターの膝枕で眠っていたからまだ新品特有のにおいがしてくるのと、マスターが入っていたからか甘い匂いもしてきた。
マスターの言っていた通りベットの中はすでに温かくなっており快適な空間となっていた。
「マスター狭いんですけど、、、やっぱりベットじゃなくてリビングでしません?」
「ユヅキに見られるわけにはいかないでし、それにレンカがちょっと距離を開けてるのが狭い原因でしょ?」
「いやもう眠るためのベットに入られてる時点でドキドキしているのに密着したら心臓持ちませんて」
見慣れない大人のマスターの顔面が目前にあってすごくドキドキする。いつもはかわいい系なのから綺麗な顔が突然来るとめっちゃ心臓に悪いね!!!
「血を吸う時はいつも密着してるでしょうに、、、」
「ベットの中だと色々違うんです!!」
「ちょっと!静かにしてよ!ユヅキが起きたらこっちに来ちゃうでしょ!」
マスターに近づかれて口に手が当てられ喋られなくなる。突然密着されてマスターの匂いが濃くなって混乱していまう。
大人の姿になって大きくなったマスターの胸がわたしの体に当たって心拍数が上がって体が固まってしまう。
「むー」
「あら?今度は動かなくなっちゃった」
「ふもももふ」
「手で塞いでるのに喋らないでよ。こしょばゆいじゃない」
マスターの手からも良い匂いがしてきて段々頭が回らなくなってきてるから早く手を離してほしい、、、。
「うー」
「うっそんな目で見ないでよレンカが騒ぐのが悪いじゃない。それじゃ手を外すから静かにしてね」
マスターがそう言うと手が口から離れる。離れた所から空気に触れた感覚のせいで冷たく感じて少し寂しさも覚える。
「随分名残惜しそうに私の手を見てるね?」
「そんなことないです」
「随分恥ずかしがっちゃってかわいい。耳まで真っ赤よ?」
「からかわないでくださいよ。っていうかそろそろ密着するのやめてくれません?」
「ダメです♡これからが楽しいのに離れるわけないじゃない」
「へ?」
マスターが意地悪く笑った瞬間、大人の姿になって大きくなったマスターの背中の翼が広がったと思ったらわたしがすっぽりと収まるように包まれた。
急激にマスターの匂いが充満していくのと同時に謎に多幸感が押し寄せてくる。密着しているマスターの顔しか見えず、音が遮断されているのかマスターとわたしの心音しか聞こえず、逃げようとしてもマスターのしっぽが腰をがっしりと巻いており、翼がマスターと密着するように戻してくる。
「ま、ますたー?」
「ふふふ大丈夫よ。安心して今をじっくり感じて」
呂律が正確に回らなくなっていくのがわかる。この空間から逃げなければと思うが押し寄せてくる多幸感に思考塗りつぶされていく。
「レンカすごいかわいい顔になってる♡」
ますたーがなにかいってる。
あれ?わたしなにしていたんだっけ?
「ほんとはこれ眷属1周年とかにするんだけど、私はマスターなのにレンカが刺された時に大した事できなかったし、訓練始めた記念に労ってあげないとね」
たしかますたーとべっとにはいったよね
「それと私の眷属なのに勝手にペット拾ったり、マスターの私を置いてペットに構ってるの普通にイラつくしこれやると眷属側は酩酊状態になるらしいから。ちょっとだけレンカに素直になって貰いましょ♡」
「ますたぁ~?」
「すごく撫で声になってるんだけど、、、。レンカの精神が弱いのか、私がご主人側として強すぎるのか。うーんかわいいからいいか!」
「うへぇ~ますたぁあったか~い」
べっとの中あったかい。ますたーちかくにいる。
「もはや赤ちゃんみたいになってるじゃない。ここまで性格変わるとちょっと混乱するわね、、、こほん、ねぇレンカ、ご主人である私の事どう思ってる?」
「ますたぁ~はね、ちょっと強引なことがあるけど、やさしくてすきぃ~」
「ふふふふ、”これ”すごく良いわね。お酒飲んだりしても同じ状態になるのかしら?15歳超えたら飲ませてみるのもいいかもしれないわね」
「ますたぁ~なにいってるの~?」
「楽しいことよ。それじゃナイフで刺された時大丈夫だった?」
マスターの細いしっぽでナイフで刺された所をなぞらる。なぞられた所がすこしくすぐったくて身をよじってしまう。
そういえばなんでさされたんだっけ?この世界にやってきて、おやにすてられて、どれいにされて、けんぞくにされて。さされて。
なんでこんなひどいことになってるんだろう?
「しにたくない」
「え?」
「にかいもしにたくない」
「にかい?2回って、、、」
マスターが心配そうな顔でこちらを見つめてくる。マスターにそんな顔してほしくない。
「えへへへ、ますたぁ~そのかおかわいい」
「、、、何よ。心配して損したじゃない」
「んぅ~???」
あきれた顔でマスターに頭を撫でられる。いつもよりゆっくり優しく撫でられて悪い事を思い出した時の緊張がほぐれてくる。それに伴い、まぶたが重くなっていき、頭がカクン、カクンと漕いでしまっているのを感じる。
「もう限界みたいね。さすがに昼にあんなに動いて、温泉に入った後だからすぐに眠くなっても仕方ないわよね。素直に甘えてくるレンカをもう少し見てみたかったんだけどなぁ~」
マスターが縮んで子供の姿になる。わたしを包んでいた翼が仕舞われ、夜の冷たい空気が全身にかかり、冷気から少しでも逃げるためにマスターに抱き着く。
「ん、んぅ」
「レンカの方から抱き着きに来るなんて、、、今日はほんとにいい日だったわ。それにしてもさっきのは酩酊状態だったから出てきたのかしら?まぁそれは後々また聞けるときが来るでしょうしとりあえずレンカに抱かれながら寝ましょうか♪」
快適なベットに包まれながら睡魔に従って落ちていき時間が過ぎていく、、、。
・・・・・・・
「んぁー!なんか今日すごくスッキリ起きれた!!」
「んー?起きたのレンカ、、、」
「いつもわたしより早く起きてるのに珍しいですね。ってなんでわたしのベットで寝てるんですか?」
「あれ?レンカ昨日の事覚えてないの?」
「昨日は温泉の後に帰って来た後にユヅキを寝させて、、、あれ?そこから先がなーんか、、、んー?それに、マスターなんか顔ツヤツヤしてません?」
「ふふふこれは良い事を知ったわね」
「その顔絶対悪い事考えてる顔ですよね!昨日わたしに何したんですか!!」
「教えてあげない♡」




