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テンプレート  作者: 雲州ミカン
プロローグ
1/48

プロローグ ゲームをしよう 1


 『ゲーム』をしよう。


 いきなり言われた。

 いや、ゲームってなんだよ?

 はっきり言って意味不明だ。


 俺……こと 西村(にしむら)明人(あきと)は、非現実の真っただ中にて絶賛困惑中だった!

 当然と言えば当然だ。

 何故なら、ほんの少し前までの俺は、自宅から徒歩十分程度の所にある神社に来ていたのだから。


 東北の片田舎ながら、そこそこ大きな町の市街地にひっそりと佇む小さな神社。

 再開発ビルの裏側に存在している神社は……俺はもちろん、俺の親や爺さん婆さんが子供だった頃から存在する、かなり大昔の神社らしい。


 実際にどの程度古いのかまでは俺も良く分かっていないが……かなり古いと言う事だけは分かる。

 うん、まぁ、そこは分かった所で『へぇ~』と言っておしまいだろう。

 きっと俺じゃなくても、大体のヤツがそう言うに違いない。


 問題はそこじゃない。

 俺はこの神社に散歩目的で来たのかと言うと……実はそうじゃない。

 東宮(とうみや)亜里沙(ありさ)と言う、旧友に呼び出されての事だった。


 旧友などと銘打ったのは他でもない。

 小学三年位の頃からの付き合いで、幼馴染でもある彼女ではあったが、今の亜里沙とはかなり疎遠になっていた。


 理由は簡素な物だな……通学先が違う。

 今年で高校二年になる俺は、中学まで同じだった亜里沙とは違う学校へと通う事になった。

 仲が良い友達であったとしても、通う学校が変われば自然と疎遠になって行くし、それはどうする事も出来ない社会の仕組みなんじゃないかと思う。

 だからと言うのも変な話しだが、俺の感覚で行くと『幼馴染の旧友』と言った表現がしっくり来る相手だった。


 そんな彼女からラインが来たのだ。


 いや、びっくりしたよ。

 まぁ、ライン自体は……恐らく小学ぐらいの時になんらかの拍子で教えてたんだろう。

 良く覚えてないけど。

 俺の母親と亜里沙の母親が仲良しで、今でも母親同士のコミュニケーションを行っているのだが……ここらの関係で、俺と亜里沙がラインの交換をしていてもおかしな話ではない。

 しかし、だからと言って、いきなりラインを送って来るのかと言うのなら……まぁ、現実的ではないな。


 恐らく、この部分は亜里沙だって分かっているだろう。

 それなのに、俺へとラインを送って来た。

 ここが……どうにも俺的に妙な引っ掛かりを覚えた。

 

 一体、亜里沙は俺に何をラインしたのだろう?

 ふと、こんな事を考えながらもラインを開いてみる。


 明日、学校が終わったら大町の神社に来て。


 これが、亜里沙が俺に送って来たラインの全文だ。

 もう、びっくりするぐらいシンプルな作りだね、これ。

 何を意図して、こんな事を言っているのかサッパリだ。


 しかしながら、亜里沙がなんの脈絡もなく、いきなりラインを送って来ると言う……微妙に非常識なラインを越えて来るかと言われると……う~ん、なんかやっぱり違う。

 どうにもしっくり来ない。


 そう考えた俺は……亜里沙のラインに従って、近所にある小さな神社へと向かった。 

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