始まりの街ホムラ
馬車での移動中3人は、たわいも無い会話を交わしていた。街に着いた時だった。入るための検問中の出来事だった。
「身分を証明出来るもの(ギルドカード)はありますか?」門兵の問いに対し行商人とネオンはギルドカードを提示した。「貴方はありますか?」とノゾムの顔を覗き込むように問いかけた。「持っていません」異世界の言葉を聞いた門兵の表情が急に変わった。
ネオンが持っていないと言う事を説明すると周りを取り囲んでいた門兵が集まり相談し始めた。
相談が終わると1人の門兵が奥の方へ行ってしまった。
ネオンが冗談交じりにノゾムに問いかけた。
「貴方何かしたの?」その問いにノゾムは答えた「いやいや何もしてない」その答えにネオンは当たり前でしょと言わんばかりの表情を見せた。
そのすぐあと奥に行った門兵が誰かを連れてやってきた。門兵達の団長さんみたいだ。
「貴方は日本人ですか?」団長さんは日本語で問いかけてきた。ノゾムはその質問に「はい」と答えた。
「では、フウカ・ヤサカ様をご存知ですか?」また質問が来た。
「はい、と言うか母です。」ノゾムの返答を聞くと団長さんは、大きく息を吸うと大声で喋り始めた。
「フウカ・ヤサカ様の御子息様、始まりの街ホムラがあるヴェーダへようこそ、どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ」3人はびっくりした。大声にもそうだが、顔パスならぬ名前パスで入れてしまったからだ。
3人の驚いてるかおを見て団長は笑いながら言った。
「どうりで似ていると思っていた。特に目元がよく似ている。まぁ楽しんで行ってくれ」そう言いながら門を開けてるれた。
門から少し離れたところで行商人に下ろしてもらい2人は礼を言った「ありがとうございました」2人の言葉に行商人は気にするなと言うように手を振った。
行商人と別れてすぐネオンはノゾムに問いかけてきた。「さっきの団長さんにお母さんの事聞かなくてよかったの?」
ノゾムは答えた。「聞かなくてもここで冒険者登録すれば、この先いくらでも耳に入って来るさ姓が同じなんだから」続けてノゾムはギルドに向かう事を提案した。
しかしギルドに着くとトラブルに巻き込まれる事を2人はまだ知らないのであった。
2人はギルドに着き、ノゾムが受付嬢に冒険者登録をしたいと伝えた時だった。
受付近くの依頼リストを見ていた冒険者がいきなり絡んできた。
「おう、おう、あんちゃん、あんちゃんみたいな非力な奴が冒険者だなんてやめときな。隣のえれぇ綺麗なエルフのねぇーちゃんもあんちゃんにはもったいねぇ。俺様が貰ってよんよ」とよく異世界系の作品とかであるあれをやってきた。ノゾムは小声で本当にこんなやつ居るんだと呟いた時だった。
他の冒険者も寄ってきた。「そうだ、そうだダンガの兄貴の言う通りだ帰れ、帰れ」どうやら取り巻きのようだ。
受付嬢は仲裁に入ろうとしたがそれも虚しくダンガはノゾムの胸ぐらを掴んだ。
ノゾムは受付嬢に質問をした。「こいつらを倒せば登録してくれるってこでいいんだよね」受付嬢は応えた。
「この方々はこう見えてCランクの冒険者です。、、、」
それがどうしたたかがCランクと言わんばかりに受付嬢の言葉を遮るように喋った。
「お前らみたいな雑魚でもCランクになれるんだな。」
ほかの冒険者にも喧嘩を売るようなひとことだった。
ネオンは流石に止めようと話そうとした時だった、、、
門でノゾムたちと話した門兵が入ってきた。
「やっぱり絡まれていたか、そうじゃないかと思って来てよかった。」「お前らその人に牙を剥くという事は色々な国を敵にまわすという事だぞ、彼、ノゾム殿は英雄、フウカ様のご子息だぞ」
門兵の忠告で周りがざわついた。だが、ダンガは鼻で笑うように一蹴した。「法螺を吹くのはよせ、門兵さんあんた騙されているんだよ」その言葉に門兵は部下を動かそうとした時だった。
「証明すればいいんだろ俺がフーちゃんの子供だと言うことを」ノゾムの言葉にネオンを初めとしたほかの冒険者は同じことを思った。自分の母親をちゃん付けしかもあだ名で呼ぶなんて、、、それを口にする者はいなかった。そんな事言える雰囲気では無かったからだ。
「証明か、、、できるものならやってみろ。その舐め腐った態度叩き治してやる。」ダンガの言葉に何かを察した。門兵が止めに入ろうとしたが遅かった。ダンガはノゾムを押し飛ばし剣を抜いたのだ。
2人が臨戦態勢に入った瞬間奥から声が聞こえてきた。
「なんだこの騒ぎは、、、」声の主はこの国の冒険者ギルドのギルドマスターだった。
ギルドマスターは受付嬢に問いかけた。「現状の説明を頼めるか、」受付嬢は応えた。「それが、、、、、、、」「なるほど事情はだいたいわかった」受付嬢に説明させておいてギルマスは受付嬢の言葉をさえぎった。
「お前ら裏にこい」そう言うと裏庭に案内された。
「良いかお前らおのが正義のため決闘しろわしが立会人となろう」案内された裏庭、、そこは、決闘する場所だった。
ミニ異世界
実は馬車でのたわいもない会話、常にネオンは通訳をしていたのですれ違う人からは子のエルフめっちゃ喋るやんと思われていたそう