マジック?いや魔法です
門を出てしばらく歩いた森の中で少し休憩をとる事になった2人はまわりを警戒していた。だがエルフの女の子は、ノゾムの事も警戒している様子だった。
「なぁ、なんで俺警戒されてんだ。」ノゾムは考えていたことを自然と口に出してしまった。
「ハァー、自己紹介しないし、道中ずっと私の事見てるからよ。」彼女はため息を付きながら答えた。
確かにそうだ幼なじみの紹介があったとはいえ全く知らない男、そして異世界人誰がどう見たって怪しいに決まってる。
「たっ、確かにそうだよな。それはすまなかった。」
ノゾムは素直にあやまった。「それに見ていたのは、初めて生でエルフを見たからつい見惚れていて本当に申し訳ない」悪気があった訳では無いただ可愛いかっただけだった。
「俺が悪かった。今更だけど、俺の名前は八坂希う《ノゾム》あっノゾム・ヤサカだ、ノゾムで良いよ」ノゾムが名乗るとエルフの女の子は続けて名を名乗った。「私の名は、ネオン・リューサイト、ネオンで良いわよ」「それにしてもノゾム、英雄と同じ名前なのねもしかしてご家族?」ネオンが名乗った後に質問を投げかけた。「いや分からないこの世界で英雄と呼ばれてる人は俺の母と同じ名前なんだだから真実を確かめたくて旅に出た。」ノゾムがそう言うとネオンは、「ノゾムの事情は知らないけど、会えるといいね」そんな話を歩きながらしていた。
街から半日ほど2人は、他愛も無い会話をしていた。
好きな食べ物だったり、自分達の幼少期の話をして2人の距離は街を出る頃より近くなっていた。
「今日はここで野営しましょ」ネオンがそう言うと肩からかけていた。カバンに手を入れ手のひらサイズのナイフをノゾムに差し出した。「はい、コレでなにか食べ物取ってきて」その言葉にノゾムは、こう返した。「え?いや、あの、俺そういう事した事ないんだけど」ノゾムの返答にネオンは少し呆れたかのようなため息をついた。「ハァー、あんたってもしかして御貴族様か何かなの、毒持ってこられても困るし私も行くから少し待ってなさい」そう言うとネオンは両手を前に突き出し呪文を唱え始めた。
「大地の精霊よ、我が声に応じ、安らぎの場を」唱えるとネオンの突き出した手が神々しく輝くと同時に小さな家が現れた。「いや、え?ちょっとまっ今の何?魔法?」ノゾムが問い掛けるとネオンはドヤ顔を決め込んだ。「フフン、すごいでしょぉーまぁアンタも練習すればこれぐらい出来るようになるわよ。」その言葉を聞くとノゾムは、迫るような勢いで喋りだした。
「マジ?本当?でも俺異世界人だぞ、俺の世界には魔法というものが存在しない、あるにはあるけど仕掛けが施されてる。もし出来るようになるなら教えてくれネオン」その言葉にネオンは嬉しそうに答えた。
「良いわよ、この世界の人は精霊から力を借りて魔法をつまり自分のイメージした物を具現化する事が出来るでも、ノゾムの声は精霊には届かないでもノゾムには精霊とは違う何かが貴方にはあるだからきっと出来るよ。さっ食べ物探しに行きましょ」そう言うとネオンは、ノゾムの手を引いて森の奥へと入り込んだ。
この世界で言う魔法は、よく物語に出てくる魔力、その魔力を使わず魔法を使うことが出来る。代償さえ無いと言われている。有るとすればたまに精霊からそれは無理と断られる事ぐらいだ。この世界には、精霊魔法、悪魔魔法、天聖魔法、神聖魔法の4種類があるとされている。