52 自分のやりたいこと
エルフの里から帰ってきて数か月経った。年齢も18歳になり、前世の感覚で言えば、大人といった感じで、身長ももう伸びないんだろうなとは思う。実際は13歳で成人ですでに子供もいるんだが。13歳の頃から冒険者として活動し始めて5年も経つんだが、今日も慣れ親しんだスラリン島に来ている。ここにはCランクになった今でも戦える魔物……Cランクのエンジェルスラリンがいる。
スラリン島の魔物はアクティブモンスターはいない、ゆっくりと斬鉄剣の修行ができる。エンジェルスラリンの横で刀を納刀し、目を閉じて集中……居合の斬撃を放つ!
「斬鉄剣」
目にも止まらぬ斬撃が、エンジェルスラリンの体を半分に切……きれてない、失敗だ。毎日練習を欠かさない斬鉄剣だが、成功率は3~4割くらいか。これでも大分成功率が上がったほうだ。攻撃されて怒ったエンジェルスラリンが飛び掛かってくるので刀で弾きつつ避ける。
「もう~トモエくんまた失敗してるじゃん、全然成功しないんだから、私が斬鉄剣ってスキルを作っちゃおうか?」
「いやいやそれはダメだろ、ララノアの500年の刀剣術の成果を、勝手にスキルにしたら」
「まぁ確かにスキル以外で技を考えるっていうのはオリジナル感があっていいよね、トモエくんも影の刃とかいつの間にか勝手に技作ってるし……あっこのスラリン私が倒すね」
近くにいた職員姿のアンちゃんは背丈よりも大きな槍を構えてエンジェルスラリンに向ける。
「神の雷」
エンジェルスラリンの頭上に凄まじい雷が落ちて、スラリンは黒焦げになり煙になって消えた。アンちゃんは何事もなかったように槍を肩に乗せてこちらを振り向くが、先ほどまでのフランクな感じが消えて、柔らかく静かな雰囲気が漂っている。
「こほん、トモエ……転生して6年は経ちますが、女神の箱庭での生活は楽しんでいますか?」
「もちろんです楽しくて毎日幸せですよ、アンちゃん……いや、フレイヤ様」
「アンでいいですよ、私はただのアンです。あなたが仲良くしてくれたおかげで、自我が芽生えたもう一人の私です……実は気に入ってるんですよ、この世界をこの体で楽しむのを」
アンは柔らかく笑っているが、いつもの親しみやすい笑顔とは違い、初めて出会ったときの柔らかい笑顔を感じさせる。見た目は一緒なのにね。
「転生してから、一度悲しいことがあった時以外、不安を感じることもなく、凄く毎日穏やかなんですよ。女神様が何かしてくれたんですか?」
「何もしていないわ、私はあなたを転生させただけ、後は職員アンドロイドを通してこの世界を見ているだけの存在なの。今はこうして、アンとして、冒険者もできるけどね」
アンはステータスを見せてくれる
アン Lv25 Cランク 通り名 女神の化身
女神の化身 神の雷 再生 浄化
女神の化身 ????スキル
?????????????????????
神の雷 ????スキル
?????????????????????
「????が一杯ついてますけど?」
「特別にこの体のために付けたスキルみたいなものだから、誰に見せるわけでもないからいいのよ。ちゃんとあなたに合わせてCランクにしたから、一緒に冒険できるわね」
アンは嬉しそうに笑っている、スラリン島に飽きてきたのは本当らしい。
「それにあなたって真面目でいい子過ぎたのよ、だから前世では不安でいっぱいだったのね」
「いい子過ぎる……ですか?もう5人も妊娠させて、誰とも結婚してない人生を転生してから送ってますが」
スラリン島に一人で来て、アンと二人で斬鉄剣の練習をしていたのにも理由がある。
あれから数か月、イリスも妊娠して、ファナも妊娠したからだ……結局毎日夢だと思ってた夢は、実際にやっていたことで、ファナがシャロンと手を組んでヤッていたらしい。もちろんそうだと分かった後しっかりと二人で静かな夜を過ごしたんだが、ファナも全然手を出してこない俺に不満が溜まっていたらしい……
「大体、男だから結婚しなきゃ、20代~30代までに~って悩んでたり、そうじゃないと怒られるとかダメだ!とか思ってたみたいだけど、親から怒られるからなのか、あなたが本当に思ってることをやろうとしないとだめよ。人間最後は自分一人なんだから、もっと自立した考えを持たないと……箱庭に転生して、原因が無くなったからなのかあなたは今スッキリしていい感じだと思うわよ。異世界に転生して、冒険者になって、たくさんの可愛い女の子とイチャイチャして遊んでるんだから、今のあなたは自分の本当にやりたいことをちゃんとやれてるわ」
俺の本当にやりたいことか……あれだけ結婚もしないといけないみたいに思ってたのも実際俺の本当にやりたかったことじゃなかったのかもなぁ、恋愛は好きだけど、必死に結婚をしようとするのってどうかと思ってたし。転生してからもこういうことをぐだぐだ考えてしまうのは悪い癖かなぁ……人間最後は一人かぁ。
「ほら!もう変に悩むのはおしまい!なんで昔不安だったか考えてたって意味ないでしょ?トモエくんって本当真面目なんだから……そんなあなたにいい話があるの、夜の町砂漠都市モロウに二人で旅をしましょう。今はあなたの家族はみんな妊娠したりして動けないから暇してるでしょう?実はあの町には他の転生者が一人いたのよ、最近全然職員の前に顔を出さなくなって、どうなってるのか様子が分からなくなっててね。一緒に探してほしいのよ、それにルーンの町と違って、夜の町と名高い砂漠都市モロウは、娼館や、ギャンブル、奴隷商人、夜の遊びも沢山あるし、真面目なあなたが羽目を外すにはいい場所よ」
娼館……!!夜の遊びとな……それは大変いい場所ですな。
「ま、まぁアンの頼みなら探すのを手伝ってもいいぞ」
「良かった、私もせっかくだから旅を楽しみたかったのよ、あなたと一緒に冒険するためにこの子に箱庭携帯も持たせて準備してたんだから!」
ここまで読んでくれた読者さんはいらっしゃいますかー?とりあえずここで第一章終わりという形にしたいと思います。初めて小説を自分で書いてみて、途中へたれましたが、一応一区切りまでなんとか書けました。ブックマークや評価など応援ありがとうございました。ポイントが増えるとやる気でました!もう少し改稿や章管理などいじってみつつ、内容がまとまったら砂漠都市編??を書いてみようかな~とふわっと思ってます。




