51 小さな世界樹
数日間エルフの里で休んだ後ルーンの町へ帰る日が来た。エルフの女王様が見送りに来てくれている。
「トモエくん、気を付けて帰ってね、あなたとファナちゃんはいつでも遊びに来ていいからね」
「お世話になりました、また世界樹の果実が生った時には伺いますね」
「それは嬉しいわね、エルフにとって子供は宝だから……娘の事もよろしくね」
名残惜しいが、寿命は俺もエルフと一緒になったし、いつかまた遊びに来れるだろう。帰りは大所帯になった、ルーンの町の洋館の庭に小さな世界樹と泉ができるという事で、妊娠したエルフや小さなエルフの子供もエルフの里以外で過ごせる場所ができたと喜ばれた。帰りは俺とファナはもちろん、エルフはアリエルとロザリアと子供に妊娠中のパルミラとララノア、護衛にシェリルが付いてきてくれる。ロザリアとパルミラと雑談するのも久しぶりで帰りの道中は楽しい旅になった。数日間馬車に揺られて俺たちはルーンの町に久しぶりに帰ってきた。
我が家に戻ると洋館は増築工事がまだ行われている途中だったが、3階が出来上がっており、敷地も近くの土地を購入したのか、少し広くなっている。
「お帰りなさいませ旦那様、アリエル様やララノア様達もお元気そうでよかったです。まだ洋館は改築中なのですが、姫様のお部屋などは出来上がっておりますので、ご案内いたします」
「久しぶりねイリス、よろしく頼むわ」
「そうだ、イリス、この子シェリルっていうんだけど、この子をイリスの補佐として雇ってくれないか?イリスには洋館の事をメインで任せたいし、アリエルが外に出かける時にはなるべく護衛として付けようと思ってエルフの里から連れてきたんだ」
イリスにシェリルを紹介したが、エルフの里は大体全員の顔見知りのはずなのでスムーズに理解してくれた。
「アリエル様の冒険のお手伝いをしていたダークエルフの子ですね、分かりました。私の方で雇いますが、子供や妊婦はエルフの里から出てきてよろしかったんですか?」
「小さな世界樹の生る枝を貰ってきたんだ、庭に植えるから良さそうな場所を教えてくれる?」
「小さな世界樹ですか……分かりました庭に行きましょう」
少し広くなったが洋館の庭に世界樹の枝を植えに行く、あまり外に近くても良くないから、敷地の奥の方の庭に枝を突き立てて水をかけてみた。すると少し地鳴りが鳴って地面がへこみ、世界樹の枝が急激に成長を始めてすぐに俺の2~3倍くらいの大きな木が出来て、世界樹から綺麗な水が流れ出し、へこんだ場所に泉が出来上がった。
「凄いな……これが小さな世界樹か」
「里にある世界樹とおんなじみたいね!一応この世界樹の管理人は私ってことになってるから、私もここでずっと暮らすからね」
相変わらず嬉しいんだからそっけないんだか分からないアリエルが横で言うので頭を撫でてやった。
「もう、何で頭を撫でてるのよ!」
文句を言いながら撫でられ続けるアリエルは可愛い奴よ。分かってる分かってる、俺は頼りになってカッコイイって本当は思ってるんだもんな……よしよしよし。そういえば小さな世界樹に触れば会話ができちゃうかも?とか言ってたな、泉の中を歩いて世界樹に触れてみる。
(お土産まだ?)
……この会話できる機能いるか?とりあえず、世界樹ことアンちゃんには、今日は疲れたから明日と伝えておく。
(えー早くしてよ~スラリン島暇なんだから、そろそろ旅に出たいと思って準備してるからまっててね)
何を待ってればいいのか分からんが、とりあえず今日の所は皆で増築されて少し広くなったお風呂に入り、オークロードによって強化された俺の成長ぶりをイリスに見せてから寝ることにした。妊婦さん達と遊ぶわけにはいかないからね……久々の我が家はやはり安心するわ。




