47 実態のある残像
ゆっくりと休憩した後丸太小屋を出て、中層を進んでいるとオークの群れがぞろぞろと歩いているのが見える。森の中を進んでいるが、道は舗装されているように綺麗で、視界も良好だ。ビッグオークを5匹取り巻きにしている青色のオークが群れのリーダーのようだ、携帯で鑑定してみる。
ビッグハイオーク Lv20 Dランク スキル 強撃
強撃のスキルを持っている強敵だ、ビッグオーク達はゾンビのように群がってこないでハイオークの指示に従っているようだ。ハイオーク自身もDランク最上位、中層からは危険な戦いになりそうだ……オークの群れもこちらの様子を伺っている。
「ご主人様ここは私にお任せください、この鞭の試し打ちに丁度いいですわ」
「シャロン?その鞭の力を使うのには生命力を消費するんじゃないのか?」
「その分影の中で休みますから大丈夫です。それに私が役に立つところをご主人様に見せたいのです」
影の中から鞭を構えたシャロンが出てくる、Bランクのデーモンローズの力をまだ俺は見たことがない。
ハイオークの指示でビッグオーク達がこちらに突撃してくる。シャロンが鞭で地面を叩き始める……シャロンが鞭で地面を叩く度に、鞭の残像が増えていく、どんどんと増えていく残像に囲まれビッグオーク達は避けることが出来ずに鞭で袋叩きにあっていく。一体何本鞭があるのか分からないくらい大量の鞭が踊るようにオーク達を叩きまくり、ビッグオーク達は煙となって消え、残るはハイオークのみだ。シャロンが鞭を思いきり横に振ると、大量の鞭の残像も呼応するようにハイオークに攻撃をして袋叩きにして、ハイオークは煙になって消えた。
「凄い威力だなシャロン、ビッグハイオークはLv20なのに余裕じゃないか」
「お母様が使っている所を見たことがありますので、使い方は分かりましたわ……ただ生命力の消耗は激しいようですわ」
シャロンは胸を張って自慢げな顔をしているが、生命力の消費は激しいのか調子を崩してすぐに影の中に戻った。大丈夫かな……ハイオークの煙の後にはお肉が落ちているが、いつものオーク肉より美味しそうで、携帯で鑑定してみると上オークの肉とある。お肉の部位が違うんだろうか。
「あるじ様、オークの肉も山のように手に入りましたね」
「そうなんだよなー、影の中にいくらでも貯蔵できるんだけど、腐らないわけじゃないからなぁ」
上層でも大量のオークを討伐してお肉も大量に入手しているから保存に困る。保存の壺とか落ちてないもんか……人型の肉を食うのも何ともだが、オークの肉は美味いんだよなぁ。エルフの里に帰った時には皆に配るのもいいかもしれない、エロオーク達もエルフ達に食べてもらえれば本望かもしれぬ。
上層に比べて中層は魔物の数が少ないが、基本ハイオークが5匹くらいのオークを連れているので、なかなか消耗が激しい。しばらく進むと、いかにも宝箱という感じの箱が落ちていた。
「箱庭で見つけた初めての宝箱だな、よしアルシエ開けてみろ」
「分かりましたあるじ様」
宝箱には罠が付き物だからな、再生のスキルがあるアルシエが適任だろう……俺もあるけど。アルシエが宝箱を開けると、激しい爆発が起こって、煙だらけになった。
「大丈夫かアルシエ?」
「あるじ様……宝箱に罠があるなら教えて下さいよ」
煙の中から少し焦げたアルシエが出てきた、可哀相に。
「いやーそうかな~とは思ったんだ、一応再生が使えるアルシエに頼んだんだ、ごめんね」
「いえあるじ様の役に立てるなら僕にお任せください」
煙で咳をしながら言うアルシエに、ロザリアが神聖魔法で回復してあげている……一応闇の吸血姫や夢魔姫にも神聖魔法は効く。宝箱の中には赤い宝石が埋め込まれたサークレットが入っていたので鑑定してみる。
・オークロードのサークレット オークの指導者が被るサークレット 腕力強化と生命力強化の補正がある
ふむ、見た目もいい感じだし、これはファナにいいかもしれないな。ファナの頭にサークレットを付けてみる。
(どう?似合う?)
そういえばファナには装飾品というのを付けてあげたことが無かったな。ファナは少し恥ずかしそうにこちらに聞いてくる。真っ赤な宝石が綺麗で似合っている、オークの装備ということを除けば完璧だな。
「似合ってるよファナ、ずっとスラリン系の装備だったからね、オーク系も取り入れてムチムチになっちゃおう!」
冗談を言ってるとファナに腕をつねられる、それにしても世界樹の迷宮はオークだらけで、宝箱にもオークの装備……エルフの里の箱庭なのに、まるでオークの迷宮のようだ。そんな調子で、さくさくと中層も進み二つ目の丸太小屋までたどり着いた。




