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42 ミルキーはママの味

屋敷の応接室に通されると、ソファーにアリエルと似た金髪のエルフと、ロザリアが座っていた……赤ちゃんを抱っこして。ロザリアはソファーから立ち上がりこちらに近寄ってくる。


「久しぶりねトモエ、ファナ、4年ぶりくらいかしら。トモエこの子抱っこしてみて、1歳になる私の子供なのよ」


エルフの赤ちゃんはとても神聖な生き物にすら思えた、まるで妖精だ。こちらを見て笑顔で笑っている。目元がロザリアっぽい気もするな。ただ……髪の毛の色が薄い桜色なのはエルフでは初めて見る珍しい色だ。


「可愛いでしょ?」

「まさか、4年も帰ってこないと思ったら、男を漁って旅してたんですか……」

「失礼ね!男ならだれでもいいみたいに言わないで!あなたと以来男とは寝てないわ……ねえ、父親は誰だと思う?」


ここまで言われればさすがに俺でもわかる、薄い桜色の髪なんて俺以外いないからな。しかし、エルフの子供には父親の要素はほとんど現れないはずだったが……しかも1歳?


「エルフの女は妊娠期間が長いのよ。おれが昔みたエルフで4年は妊娠中のエルフもいたからのぅ、人間は1年かからないから驚くのも無理はないわ」

「ごめんなさい、エルフの里で用事があるときに妊娠が分かって、妊娠したエルフは里では大切な存在で、里で穏やかに妊娠期間を過ごす事が推奨されているの。連絡しようと思ったけど遅くなってしまったわ。エルフの子供は里の宝だから、あなたに何か負担をかけるつもりはないから安心して」


子供って本当に出来るんだな、前世では孤独だった俺には驚きだ……腕の中にいる小さな妖精の笑顔に癒される。


「ロザリア、久しぶりで嬉しいのは分かるがまずソファーに座ってから話を始めようか」

「ごめんなさい姉さん、早く子供をトモエに抱いてもらいたくて」


ロザリアに妖精ちゃんを返して、ファナと師匠とソファーに座る。


「初めまして、私がエルフの女王であり、アリエルの母親のエレだ。娘が世話になったな、ファナは唯一の友達と言っていたし、娘も会いたがってるだろう。それにトモエ、お前は妹のロザリアに子供を授けてくれた、感謝しているよ。凄いな君は、私がアリエルを産むために何年妊活を頑張ったことか、たった半年くらいでロザリアと子供を作るとは」


妹ってことはロザリアも王族なのか?……何年も妊活ってなんかえろいな。どういう妊活なんだろ……エルフの女王はアリエルとそっくりで、スタイルもスレンダー美人だ。エルフにしては珍しいはずだが、妊活か……余計なことを考えているとファナから腕をつねられる、すぐ心の声を盗み聞きする悪い女だファナめ。


「今回トモエお前に伝えたいことがあってな、ロザリア実を出しなさい」


ロザリアが小さな箱を取り出した、透明の入れ物の中に一杯の水と果物が入ってる箱だ。


「これは世界樹の果実という貴重な物だ、エルフの里の奥には小さな世界樹があってな、本物の世界樹の枝の一本が小さな世界樹となっていると聞いているが、妊娠しているエルフが世界樹に触れると1つだけ世界樹の果実が生るのよ。これを食べればどんな病気でも治り、他の種族が食べれば10年寿命が延びると言われている、これはロザリアが妊娠していた頃に触って生ったロザリアの果実だ。世界樹の泉の水と共に保管しているから一生腐る事のない果実だ、私は自分で食べてみたが普通に甘くて美味しかった」


そんな貴重な果実をただ食べただけとは贅沢な……


「だがこの果実はもっと凄い効果があってな、エルフの里が管理している世界樹の迷宮、その最深部には本物の世界樹がある。その世界樹の泉にこの果実を浸ければ、寿命が10年延びるどころか、エルフと同じ寿命になるという魔法の果実なんだ。過去にエルフが愛した人間の男が先に死んでしまうのを悲しんだのを見かねて女神様が世界樹にそのような力を与えたと言われている。もちろん世界樹の迷宮の最深部にたどり着くのはとても難しい試練だ。お前はエルフの民に気に入られているしロザリアだけでなく、娘のアリエルも気に入っているようだ。試練を受ける許可は私が与えよう、どうだ?やってみないか」


さすが俺を救ってくれたフレイヤ様だ、お優しい。だがやってみるにはいくつか問題がある。


「ありがたい話ですが、俺には生涯一緒に暮らす家族のファナがいます、俺だけ寿命が延びるわけにはいきません、半分ずつ食べたら効果が半分になるとかならやってみたいですが、嬉しい話なんですが、ファナと一緒でなければ挑戦はできません」


ファナが俺の手を握ってくる。ファナは俺のパーティメンバー第1号だ。これからもずっと一緒にいようね。……ファナは嬉しそうだ、たぶん。


「半分ずつ食べた例は聞いたことないからのぅ、おれが生きている500年の間にこの試練を受けた人間も過去に二人しかおらんのよ。おれも一度護衛に加わって参加したのが懐かしいのぅ」


ララノアさんがいつものように笑っているとドアをノックする音が聞こえる。


「失礼します、ファナ、トモエ久しぶりだな!私の親類が迷惑をかけたと聞いて、ごめんなさいね」


入ってきたのはパルミラだ……お腹を大きくしたパルミラだ。そういえば1年前くらいに用事が出来たとかいっていなくなって以来だがまさかな……


「気になる?安心してトモエ、あなたと以来男とは寝てないわ。これは私の果実だけど私の分も受け取ってくれる?」

「よかったのぅトモエ、果実は二つあるようだ。安心して試練に挑戦できるのぅ」


どうやらララノア師匠も事前に知っていたようだ、ということはパルミラのお腹にも俺の子が、気が付かない内に二人も子供を作ってしまっていた、まぁそれくらい二人とは寝ていた記憶はあるけど……パルミラもソファーに座って話を続ける。


「今日はもう遅い時間だ、試練は期限はないからゆっくり挑戦すればいい。エルフの里に滞在中はロザリアの家に住むといい、しばらく子供は私の家で預かろう。そのうちアリエルとも遊んでやってくれ、話は以上だ、エルフの里に人間が来ることは滅多にない、問題は起こさないようにな」

「ありがとうございます女王様」

「それじゃあ私の家にいきましょう」


二人の果実を影の中に大事に収納して、屋敷を出る。ファナはアリエルとお泊りするらしいからアルシエは俺が抱えている、師匠やパルミラとも別れて久しぶりに会ったロザリアに近況を話しながら、二人でロザリアの家へと向かう。


「じゃあ2年以上妊娠してたんだ、ごめん、大変だったよね」

「いいのよ!私も妊娠したいと思ってトモエと寝てたんだから、謝らないで、私は嬉しいわ、パルミラも一緒よ、子供が欲しくて私たちは冒険者として里の外に出たんだから」


一応ロザリアは王族といっても分家くらいの扱いらしい、パルミラは王族の護衛を担当する一族ということでロザリアに付いていたらしいが、二人とも子供が欲しくてパーティを組んで里の外にでたということのようだ……妊娠したいと思って俺と寝ていたって言われるとなんか嬉しいな、胸がドキドキする。


「それより今晩楽しみにしてて」

「楽しみに?」

「知りたいって言ってたでしょ?母乳って何味だろうって、まだ出るわよ?」


転生して5年、子供がいつのまにか二人もできてついに知る時がきたか……ミルキーがママの味なのかを。

俺は楽しみなのを隠せず、ロザリアの家へと急いだ。






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