41 手荒い歓迎
「よし、とりあえず女王様に挨拶をしに行く、ついてこい」
ララノア師匠を先頭に、俺とファナもエルフの里の中を歩いていく、自然豊かな里で、空気が美味しい気がする。人間が珍しいのか、たくさんのエルフから見られているのを感じる。エルフもダークエルフも混じって大勢いるが、なんというか、スタイルがわがままボディな女性エルフばかりで、スレンダー美人なエルフはほとんど見かけない。エルフの男性もいるようだが数人見かけたくらいで、エルフの男性自体少ないのかもしれない、だとするとイリスがこじらせてしまうわけだ。
「ここが女王様のお屋敷でな、お前たちを連れてきたと報告してくるからちょっと家の前で待っていてくれ」
しばらく家の前で立っていると、エルフたちがすれ違っていくが、ファナというよりかは、俺のを方をみて通り過ぎていくような気がする、やはり男に興味があるエルフのエロフさん達だろうか。一応見た目は女にしか見えないはずなんだが、あきらかにファナより俺を見ているな。暇なのでファナが抱いてるアルシエの手足を握ったりくすぐったりして遊ぶ。アルシエは猫になっても可愛いにゃー。
猫と戯れているのを何人かのエルフが通りすがりながら眺めていくが話しかけてはこない。イリスと一緒で声まではかけれないタイプなんだろうと猫と戯れていると、鋭い金属音が聞こえる。
「シャドウガード」
俺の足元の影が飛び出し影の盾となって、俺の首を狙った斬撃をガードする。危ねえ!!最近開発した新しい影魔法の使い方で、盾を持たない俺の魔法の盾だ……シャロンが影の中にいる場合シャドウガードをシャロンが俺の意思とは関係なく、オートで発動してくれている。全然気が付かなかった。
「影が刀を受け止めるなんて!、姫様を誑かした人間め!」
銀髪の小柄なダークエルフが刀というには短い、小刀での右手の斬撃を繰り出してくる。刀で受け止めるが、左手にも小刀を持って二刀流で攻撃してくるので堪らず後ろに下がって避ける。
「誑かした人間め……か。どっかで聞いたセリフだとは思わないか?アルシエ」
「忘れてくださいあるじ様、いじわるですね」
変身を解いたアルシエが小柄なダークエルフの後ろに立ち、挟み撃ちの形になって睨みあう。
口元に布を巻いているため、顔は見えないが、まるで忍者?暗殺者のようだ。
「まて!何をやっている、剣を下ろせトモエ、アルシエ。そこのダークエルフもだ」
屋敷の中からララノア師匠がでてくる。ダークエルフは武器を下ろし俯いた、俺達も武器を下ろしてララノア師匠に今の状況を説明した。
「どういうつもりだそこのダークエルフ、顔を見せろ」
ダークエルフは口元の布を外してばつが悪そうに顔を見せる。
「お前は、アリエル様の護衛を任されているシェリルではないか。パルミラの親類だったか?なぜお前がトモエを狙った、答えろ」
「……姫様は里に戻ってからというもの、人間の町で仲良くなったトモエとファナという人間の話ばかり。里をでて人間の町で一緒に冒険者をやるんだと、そう言って毎日努力していらっしゃいました。ですが、姫様達王族の護衛は我々ダークエルフの一族から一人付くのが慣例のはず……姫様はトモエとファナと3人で冒険するから私はいらないと仰いました。私なんかよりトモエは頼りになってカッコいいから護衛は必要ないと」
仲良くなった?頼りになってカッコいい?アリエルの奴、本音ではそう思っていたとはな、言ってくれればいいのに、照れ屋か。後でさりげなくアリエルに伝えてやろう。
「ですから、トモエという人間が姫様を護衛するのに十分な実力があるのか、試してやろうと思いまして……弱ければ、我々ダークエルフの一族が護衛に付くのを姫様に認めてもらおうと……」
「馬鹿者が!トモエとファナは女王様が許可されて、おれが招待した里への客人だぞ、それをいきなり首を狙って不意打ちするとは、女王様やおれの顔に泥を塗りよって」
「……不意打ちを受け止めれるくらいじゃないと、護衛は務まらないと思いまして……その」
「シェリル……次は命はないと思え」
シェリル?はララノア師匠の本気の威圧を受けて顔を真っ青にして腰を抜かして座り込んでしまった。師匠が本気で威圧するとこんなに恐ろしいんだな、さすがAランク……というかその、シェリルの周りに水溜りが……流石に見てられなくて目を逸らす。
「すまないトモエ、怪我はなかったか?許してくれ」
「大丈夫ですよ師匠、子供のお遊びですから、軽く運動しただけです」
「わ、私は50歳は超えている大人だ!」
シェリルは鋭い目つきでこちらを睨んでいるが、無視させてもらう。漏らしながら睨まれても何とも思わんぞ。こっちは一応命を狙われてるからな、これくらい言わせてもらう。小柄で子供みたいな見た目だし丁度いい仕返しになっただろう……50歳過ぎても子供みたいってことは合法ロリか……?
「女王様と謁見する準備ができた、さあ入るぞ」
余計なことを考えている内に、アルシエは猫に戻ってファナが抱きかかえている。腰を抜かしたシェリルを置いて、ララノア師匠に続いて俺とファナも屋敷の中に入った。




