4 声が出せない少女ファナ
さすがに見過ごせないよな……
俯いているファナちゃんの洋服にポークが触ろうとしていたから、急いで間に止めに入った。
「やめろよポーク、男3人で女の子いじめるの恥ずかしくないのか?」
邪魔をされたとばかりにポークは舌打ちをした。
「うるせえなトモエ!女みたいな顔して、女みたいな格好している変態野郎のくせに!」
ぐうの音もでない……仕方ないだろう、俺が綺麗だし可愛い洋服が似合うんだから。
普段愛用している英国風の赤いジャンパースカートでハイネックのリボンブラウス。
お嬢様にしか許されないようなお洋服だが、骨格からして女の子にしか見えない俺の姿。
せっかく理想の美少女に女装しているのだから着飾らなくてどうする。
「ポーク、俺がお前より男らしいってことはこの間風呂に入った時に見せつけてやっただろ?いつもこんないじめをやってるのか?」
俺がそういうと、ポークはばつが悪そうな顔をする。
アフリカサイズにビビッて隠れたが、あいつは他の2人の取り巻きよりも小さい男だったからな。
まぁ気持ちは分かる、前世で高校の頃陸上部の合宿で皆で風呂に入っていた時、アフリカサイズの同級生にあった時は男として敗北を認めたと同時にコソコソと隠れたのを思い出すよ。
そのまま取り巻きを連れて教室へと逃げていく。
「今日が初めてだよ!まだ何もしてないんだから、院長先生には絶対言うなよな」
教室へと逃げていく3人を見つめていると違う方から視線を感じたので見てみると、
女の子3人組がこちらを見ていたが目が合うと廊下の奥へ歩いて行った。
あの3人もいじめを見守ってたのか?
元々喋れない子だからと世話を焼いてあげていたような気がしてたんだが……
と考えているとファナちゃんが今にも泣きそうな顔でこちらを見つめている。
ど、どうしたらいいんだ。前世でも彼女いない=年齢だった俺はせっかく
転生しても、どうしたらいいか分からなくて女の子とはあんまり喋ったことないのに。
心の童貞が前世から続いている悲しみ。転生しても俺は俺のままなんだ。
ここはイケメンにだけ許されるという頭なでなでが正解なのでは……
「よーし、よしよしよし」
なんか動物をなでる人みたいになっているが、優しく優しくなでてみた。
女の子の髪は柔らかい、まぁ俺の髪の毛のほうが柔らかいが。
ファナちゃんは泣いているのか、泣きながらそのまま抱き着いてきた。
身長は一緒くらいで、胸に柔らかいものがむにゅっと当たっている。
やわらかい……エロガキ3人組め、お前たちの分まで俺がこの感触を味わってやるわ。
地味でゆったりとしたワンピースをいつも着ているから分かりにくいが、胸が大きい。
この子がエロガキ3人に狙われたのも、他の女の子3人に比べて発育がいいからに違いない。
他の3人は小学生のようだが、ファナちゃんは高校生でもおかしくない。きっと女の子3人もファナちゃんの胸に嫉妬したんだろうなきっと。いやもうどうでもいいわ柔らかい最高、女の子を抱きしめるって。
「大丈夫~大丈夫」
何が大丈夫なのかは分からんが、声が出せないのに助けを呼ぶこともできずに怖い思いもしただろうから安心させようととりあえず色んな言葉を口走る。
これはチャンスかもしれんな、ファナちゃんと仲良く仲良しするチャンスかもしれない……
そのまま優しく抱きしめながら泣き止むまで頭をなで続けた。凄く柔らかいです。