36 猫におつかい
二人の傍に駆け寄ると、地面にでかくて禍々しい色の微妙に可愛いようなハンマーが落ちている。それにしてもでかいなぁ、俺ではとても持ち上げることは出来なそうだ。携帯で鑑定してみる。
・デビスラデカハンマー デビルスラリンの硬い素材で出来た巨大なハンマー凄く硬いです
Cランクの武器だ、凄く硬いです。というかデビルスラリンの体で出来てるのか……ちょっとグロいかも。
「ファナ持ち上げてみたら?」
ファナはメイスと盾を置いて両手で持ち上げた、自分の背丈よりデカいハンマーを構えるファナはなかなか様になっている……それにしても、この3年でまたムチムチしてきたなファナの奴……俺達もそろそろ18歳だからもう身長が伸びたりはしないと思うが、元々胸や腰回りはデカくて太かった気がするけど、今はファナの太ももと太ももがくっ付きそうじゃないか。ファナがハンマーをこちらに向けて構えてくる……また俺の心の声を聞いてるな。
「まぁまてファナ、ムチムチしてても何も悪い事なんてないんだよ、なぁ?アルシエ」
「その通りですファナ、女性というのはあるじ様のような、スレンダーな美人に魅力を感じるのは分かります。ですが、男性が本当に好きな女性というのはスレンダーな美人ではなく、少し肉付きのいい胸の大きな女性なんです」
アルシエと二人でファナの肉体を褒めたたえるとファナはハンマーを下ろしてくれた。
「どれ、そのハンマーでもう一匹デビルスラリンを狩ってみよう、アルシエ引っ張ってきてくれ」
「分かりましたあるじ様」
アルシエがデビルスラリンのターゲットを取ってこちらまで連れてくる、ファナは重いせいか下段にハンマーを構えて近づいて、デビルスラリンに上から叩きつけた。デカハンマーの威力に地面が揺れた気がしたが、デビルスラリンは一撃でぺしゃんこになって煙になった。
「凄いな……ファナには盾持って前衛をやってもらってたけど、俺とアルシエでタゲ取って、ファナには怪力の一撃を狙ってもらったほうがいいかもな!」
(このハンマー結構重たい)
ランクも上がってくればこのハンマーももっと使いこなせるようになってくるだろう。いい拾い物したな。ルビーメイスとサファイアの盾を影に収納してると、シャロンも出てくる。
「いいですわねファナ、私も新しい装備が欲しいですわ」
「ブラッドソードもCランクのいい武器じゃないか」
「ですが、私は剣があまり得意じゃないので、後ろの方から剣閃を打つくらいしか出来ませんわ、鞭が欲しいのですご主人様。ファナばっかりずるいですわ!私にも新しい装備を下さい」
「そうは言ってもなぁ、鞭っていう武器が人間の町には売ってないみたいなんだよ、次にいい装備拾ったらシャロンに装備させるから……機嫌治して?」
シャロンの頭を抱き寄せて撫でてみるが、不機嫌のようだ……
「そうだ!僕が一度魔界に戻ってシャロンに合う鞭を手に入れてきます。僕もこれからはシャロンと一緒にあるじ様にお仕えすると、シャロンのお母様達にもシャロンの無事を知らせてあげたいですから」
「そうしてくれると助かるんだが……魔界に行って帰ってくるのにどれくらいかかるの?」
「1週間くらいで戻ります。シャロンも一緒に魔界に帰るかい?」
「1週間もご主人様と離れるのは嫌ですわ、お母様から貰ったこのブラッドソードを一緒に持っていって頂戴、私が生きてる証拠にもなるでしょう。あと伝言をお母様にお願い」
「生涯愛する人を見つけた……と」
シャロンに愛されている自覚はあるけど、しっかり言葉にしてもらうと嬉しい。シャロンを後ろから優しく抱きしめる。
「わかったよシャロン、それじゃ早速このまま魔界に戻ります、1週間くらいで洋館に戻りますので!」
アルシエはなぜか銀猫に変身して、魔界の方?へと猫の姿で走っていった。そういえば猫に変身したときの騎士の鎧や両手剣や今持ってたブラッドソードは物理的にどこに消えてるんだ……謎が多い猫形態だ。とりあえずアルシエが返ってくるまではゆっくりしてようか。スラリン島での狩りを切り上げて町に帰った。戻る時にファナに、ハンマーを収納しようかと聞いたんだが断られた。
(慣れるために自分で持つ)
やる気がある事はいいことだ、しかしさっきもアルシエと一緒にデビルスラリンと戦っていたが、まだファナはDランクに成りたてのLv16だ。焦って無理したら怪我とかするから気を付けないと……ファナを心配してるとファナが手を握ってくる。
(ようやくDランクになって追い付いたと思ったら、トモエはもうCランクになってた)
(トモエの足手まといにはなりたくない、トモエと一緒に冒険に行きたいの)
まったく可愛い子だねぇこの子は……頭をなでなでしてあげる。ファナのペースに合わせながらゆっくり家まで戻ると、家の前に二人のエルフが立っている、見覚えのある着物姿だ。
「おう!トモエ久しぶりだのぅ、今エルフの里から帰ったぞ。ファナもごついハンマー持って似合ってるのぅ」
1か月ぶりくらいか?久しぶりにララノア師匠の笑顔を見た気がする、もう一人は緑髪ロングのふんわりカールな眼鏡の似合う美人なエルフさんだ。緑色を取り入れたメイド服のような服を着ている。
「初めましてトモエさん、アリエルお嬢様の付き人をやっております、イリスと申します」




