34 夜の王
さすがに、長風呂しすぎるのも良くないので、風呂上りにリビングのお馴染みのソファーでアルシエとこっそり作戦会議中だ。シャロンにはウインクして、俺に任せろと謎のアイコンタクトをして離れてもらっている。
「僕はまだトモエに従うとは言ってないぞ!食事には惹かれるが、男には興味がないんだ」
「まぁ聞いてくれアルシエ……お前の本当の望みは分かっているつもりだ、だがさっきシャロンが湯船で俺の後ろに隠れたのを見ると、シャロンにはその気がない……アルシエ、お前の望みはこのままでは叶わない、そうだろう?」
俺はアルシエの肩を抱きコソコソとアルシエにささやく。アルシエも意味が分かってるのか俯いている、シャロンは明らかにこちらを怪しんでいるが無視だ。俺がアルシエに手を出そうとしていると思ってもらえればいい。
「俺はシャロンとほとんど毎日一緒に寝ているぞ、従魔なんだから当然だ。ということは、従魔が一人増えれば、3人で一緒に寝ていてもおかしくはないよな?毎朝毎晩食事も与えている、一緒のベッドで寝ているんだ、イチャイチャすることもある。従魔が一人増えれば、俺という男を挟むことによって、3人でイチャイチャするということもあるだろう……どうだ?」
「ほ、本当にそんなにうまくいくのか?そんなこと言って、シャロンちゃんに拒絶されたら……」
「心配なら報酬は後払いでいい、報酬はアルシエだ。作戦はこうだ、アルシエが俺に惚れてしまい誘ってくる、俺が今日は一緒に寝ないかとアルシエを俺の部屋に誘う、俺がシャロンに二人はまだ心配だからお前も来てくれと呼ぶ。そのまま3人で俺の部屋に消えていく。もしアルシエが本懐を遂げることが出来たなら、俺の従魔になってくれ、俺はお前が欲しいんだ……大丈夫だ絶対上手くいく、どうする?やるか、やらないか?」
アルシエは悩んでいたが、シャロンの方をみて決意を固めたようだ。
「わかった……これが最後のチャンスかもしれない、やってみるよ」
アルシエは悪魔のささやきに唆されて、作戦に協力してくれるようだった、悪魔は俺だが。
「あ~トモエ!なんてキミは魅力的なんだ、す、好きになってしまいそうだ!体液も美味しいし!」
……凄い棒読みで食欲しかでてないがまぁいいだろう。
「アルシエ、君も素敵だよ、勇敢な顔に綺麗な髪に大きな胸、力も強いし頼りになる。今晩俺の部屋こないか?」
「あ~トモエ、大好きだ~、夜ご飯もください」
「ふふふ、アルシエもご主人様の魅力がようやくわかってくれて嬉しいですわ」
……食欲しかでてないんだが、少しはシャロンも乗ってくれたようだ。
「あぁ、でも今日出会ったばかりだしなぁ、そうだ!シャロン、お前も一緒に寝よう」
「えっ……私もですか?」
「まだ二人きりは不安なんだ、二人の昔話も聞きたいし一緒に寝ようじゃないか」
俺も精一杯の棒読みの演技をするが、シャロンにほっぺたを摘ままれる。
「もう!何を考えているのか知りませんが、二人でコソコソと……ご主人様が楽しそうにしていますから、いいですけどね」
シャロンは俺のほっぺたに優しくキスをして、そのまま右腕に抱き着いてきた。左腕にアルシエ、右腕にシャロン、3人で俺の部屋へ向かって楽しく過ごした……
なにか温かい海に浮かんでいるような……ふわふわとした感覚の中目が覚める。昨晩はアルシエとシャロンの昔話を聞いたりと盛り上がったんだったな……もぞもぞと布団が動いて、布団の中からアルシエとシャロンが顔を出す。
「おはようございます、ご主人様……朝ご飯を頂いておりました、ありがとうございます」
「おはよう……僕も朝ご飯を一緒に食べた、ありがとう」
朝から二人の女の子に起こしてもらうとか最高かな。作戦は成功したと思うが、どうだったろうか、そんなことを考えていると頭の中に声が聞こえてきた。
(トモエがまた違う女の子を連れ込んでる)
後ろを向くとジト目でファナがこっちを見ている。ファナには嘘は通用しない、だから俺はいつも通り何もやましいことが無いように本当の事だけを言う。
「違うよファナこの子はアルシエ、シャロンのお友達なんだよ、だから3人で仲よくしてだだけさ」
(自分の女の友達の女の子を連れ込んで寝たの……?)
たしかに文字にされると最低な男みたいだな……なんもいえねぇ。ファナはアルシエとも手を繋いで挨拶しているようだ。
「初めましてファナちゃん……違うんです、僕の方からもお願いしたので、トモエは悪くないんです」
彼女たちが何を話してるのかは分からないが、アルシエの方からも助け船を出してくれているようだった。リビングに4人集まってお馴染みのソファーに座りながら、アルシエに確認をする。
「どうだったアルシエ、本懐を遂げることができたか?」
「ああ、まるで夢のようだった、何度も見た夢だ。こんな日が来るなんて……ありがとうトモエ」
どうやら作戦は成功だったようだな。これでアルシエも手に入るし、ウィンウィンの関係という奴だな。
「……私は恥ずかしかったですわ、でもアルシエちゃんとまた一緒に居られるというのは嬉しいですわ」
「トモエ、約束通り僕はキミと永遠の愛を誓おう!だからこれからも食事やらその、色々宜しくお願いします」
シャロンは少し恥ずかしそうにしている、アルシエは俺の目の前に来て、目を瞑る……ファナとシャロンが見てる前でするのは少し恥ずかしいんだけど、俺はアルシエの唇に優しくキスをした。アルシエと心が繋がったような、そんな感覚を感じたその時、アルシエは煙になって消えた。
体に熱い物が凄い勢いで入ってくる……シャロンの時と一緒だ、これは経験値が入ってきているだけかと思っていたが、彼女達を体に受け入れている……そういう感覚のようだ、ソファーに1枚のカードが落ちているので拾う、銀髪でブルーの目をした騎士が写っているが、下腹部に淫紋的な印が浮かんでいる。
カードを額に当てて使用し、スキルを確認する。
トモエ Lv21 Cランク 通り名 夜の王
フレイヤの加護 影魔法 再生 身体強化 浄化 魅了 吸精 従魔召喚 強撃 剣閃
再生 ユニークスキル アクティブ
生命力を使って自らの肉体を治癒し再生する。四肢の欠損なども治せるが、怪我の程度によって生命力を消費する。
従魔召喚 コモンスキル アクティブ
契約し、魂に刻んだ魔物を召喚する。(契約魔物 シャロン アルシエ)
吸血姫の再生能力……3つ目のユニークスキルも手に入ったぞ、Lvも一気に上がってCランクだ、従魔を増やすのがLv上げに一番効果がある気がするな……通り名が夜の王、詳細を見てみる。
通り名 夜の王
複数の女性と関係を持つ女たらし
下ネタじゃんこれ……さすがに人から詳細までは見られないよな……せめて従魔が夢魔や吸血姫という夜系だから夜の王ってことにしてよ……フレイヤ様がつけてるのこれ?アンちゃんに聞いてみるか。ともあれ、アルシエを召喚する。
「従魔召喚アルシエ」
目の前が激しく光って、水色の銀髪でブルーの目をした蒼鎧を着た騎士が立っている。綺麗な髪に勇敢な表情、大きな胸、まるで戦乙女のような吸血姫が片膝をついて右手を胸に、綺麗な笑顔を浮かべている。
「これからよろしくお願いします、我があるじ様」




