33 百合姫の豹変
「ご主人様百合姫ってどういう意味なのです?」
「百合姫っていうのは……」
「わーーー!わーーーー!!トモエやめろ、お前の勘違いだ!シャロンちゃん何でもないから……おい、トモエちょっとこっちにこい!」
湯船の中全裸の癖に俺の口を手で押さえて湯船の端っこに引っ張ってくる。恥じらいはないのか恥じらいは。
「トモエ……なぜ分かった?」
「俺は女神フレイヤ様の加護のスキルを持っている、エルフの女やサキュバスは大体俺に惚れてしまうくらい俺の肉体を魅力的に感じるらしい……だが、アルシエは一切反応しない、それに俺が女じゃないと分かった時に、なぜか安心したアルシエの態度、シャロンに対して親愛ではなく恋愛感情を抱いているように見えた……違うか?」
「トモエ……頼むから内緒にしてくれ、シャロンちゃんに嫌われたくない、何でもする、おっぱい揉むか?」
これだけ色気も何もないおっぱい揉む?は初めて聞くわ……湯船の端で全裸会議していると置いてかれたシャロンが訝しげにこちらを見つめている。
「ご主人様、右の脇腹に傷が……血が出ていますわ」
「ん?あぁ、さっきの戦闘の時に、ちょっと掠った所の傷が開いたのかな」
「トモエ!僕は再生のスキルで他人の傷も少しなら治せるんだ、どうだ!僕が治してやる、だからさっきの話……頼む」
「わかったわかった。約束するよ、内緒だ」
アルシエはすがるような瞳で俺を見つめている、俺はどちらかというと百合が好きだから気にならないんだが、本人がきにしてるなら内緒にしとこう……というかこの傷、お前の大剣で切れてるからな、犯人はお前だ……アルシエが何かスキルを使うのかと思ったら、近づいてきて俺の脇腹を舌で舐め始めた。くすぐったい……
「再生スキルって舌で舐めることなの?」
「ご主人様、吸血鬼の再生能力は高く、唾液を付ければ傷もすぐ治るのです。私も子供の頃アルシエちゃんによく擦り傷を治してもらいましたわ」
俺の背中にピタッとシャロンがくっ付いてくる。……アルシエ、お前欲望に忠実だな。思考が俺と同じで男みたいで、ちょっと共感できてアルシエの事が好きになってきたぞおい。それにしても湯船で背中にはシャロンがくっついていて、目の前にはアルシエが俺の脇腹を舐めているこの状況どういう状況なんだ、ファナには見せられないな……
「なぁアルシエ、まだ終わらないのか?なんか見た感じ傷治ってる気がするんだけど……アルシエ?」
「アルシエちゃん?どうしたの?もう治ってるみたいよ?」
アルシエは俺の脇腹を一心不乱に舐めている……なんか表情も怖いぞ。
「おいシャロン引き剥がしてこいつ!、いつまで俺を舐めてるんだおい!離れろ!!」
必死にアルシエを引きはがそうとするが怪力でくっ付いてきてなかなか離れない。
「もうアルシエちゃん!言うこと聞かないと、嫌いになっちゃうよ!」
シャロンの必殺の言葉で我に返ったのかアルシエは正気を取り戻した。
「僕は一体……トモエお前は……お前の血はなんなんだ!お前の血は美味しすぎる!!」
……はぁ?吸血姫だけあって、俺の血を美味しく食べてたのか……怖いんだが。
「こんなに美味しい血は初めて飲んだ、何だこれは、お前の女神フレイヤの加護は血を美味しくする力でもあるのか!」
「まぁ常に俺の状態を美しく保つスキルだからなぁ、血もサラサラで美味しくなるのかな……嬉しくないぞ別に」
「吸血鬼は血液でなくても体液なら何でもいいんだ、トモエの汗を舐めてるだけで美味しくてよだれがとまらん……」
変態じゃんもう……姫騎士みたいで勇敢な美人ってイメージだったのに、好きな女の子は合法的にペロペロしてるし、俺の汗を舐めて興奮してたのかよ……こんなに美人が全裸で近くにいるのにテンション上がらないのは初めてなんだが。
「だ……唾液でいいんだ、少し飲ませてくれ……」
じりじりとアルシエが近寄ってくるが、シャロンが間に入り制止する。
「ダメよ!アルシエちゃん、ご主人様が嫌がってるでしょう。私のご主人様が嫌がることはしないで!」
アルシエはシャロンに怒られてしょぼ~んとしている、俺も身の危険を感じたわ。
「ねえご主人様、百合姫ってどういう意味なのですか?……アルシエちゃんの事ですよね?教えて下さいます?内緒って言ってましたけど、アルシエちゃんが悪い事したんだから罰として教えて頂きますわ」
アルシエは観念して俯いた。まぁ、自分が悪いんだし仕方ないだろう……
「百合姫っていうのは、女の子が女の子に恋愛感情を持つ人の事を言うんだよ。アルシエは、シャロンをその、友達として好きというより、女として好きっていう方が強いってことかな」
間に立っていたシャロンはスススっと俺の後ろに体を隠す、アルシエはショックを受けている。
「そういえば、アルシエちゃんは他のお友達に比べてスキンシップが多かった気がしますわね……アルシエちゃん、私にはご主人様がいるから、あなたの気持ちには答えられないけど。お友達としては好きよ、あなたが女の子を好きだからって嫌いにはならないわ、だから悲しい顔はしないで」
優しくシャロンが話しかけているが俺の背中に隠れて言わないでほしい。アルシエは捨てられた子犬のような可愛い視線をこちらに向けている。そこで俺はいいことを……いや、悪いことを思いついてしまった。アルシエに近づいて、シャロンに聞こえないように彼女にこっそり提案する。
「アルシエ聞いてくれ、俺は百合は好きな男だ。お前のその気持ちを否定はしていない、むしろ応援している、手伝ってもいい……どうだ?俺に従うと誓うのであれば、お前の本当の望みに協力してやれるかもしれない……従魔になるなら食事も提供する、俺はお前が欲しいんだ……どうだ?俺たちは……3人で仲良くやれそうじゃないか?」
俺はアルシエの肩を抱きよせて、こっそりと悪魔の取引を持ちかけた……全裸で




