31 夜のデート
斬鉄剣の免許皆伝ということで、ララノア師匠はエルフの里に帰っていった……エルフ達はちょっと里に帰るわ~って言って1年以上帰ってこないからなぁ……ついでに、ロザリアやパルミラにもよろしく伝えてくださいとお願いした。ファナもいないし、大きな洋館に独りぼっちになってしまった……
寂しいのでシャロンには影から出てきてもらって常に一緒に過ごしている……孤独は怖い……前世の時からそうだが、独りぼっちでいるのは怖くて恐ろしくなる……数年箱庭で過ごしたくらいでは治らないか。
爛れた生活を送り一日の大半をベッドの上でシャロンと過ごしているような日もあったが、そろそろ依頼でも受けようと箱庭協会で依頼を探すことにした。
「こんにちは、何かDランクの依頼でおすすめありますか?討伐系があったら嬉しいんだけど」
「少々お待ちください、調べます」
こちらの職員アンドロイドは初めて見た5年くらい前から姿は幼いフレイヤ様のままなんだよなぁ……
最初は皆まとめてアンちゃんと呼んでいたが、今はスラリン島の成長したアンドロイドの事だけアンちゃんと呼んで区別している。あの子だけは他のアンドロイドと違ってるからな……
「お待たせしました、今ルーンの町に吸血鬼がでて、夜な夜な血を吸っていくという事件が起きています。そこで夜の警備を冒険者で行っているのですが、そちらの依頼はいかがでしょう、発見して鑑定をした冒険者によるとCランクの吸血姫との事で、少々危険な依頼になりますが、同じような夢魔姫を従魔にしているトモエ様は相性が良いかもしれませんね」
相性いいかそれ?まぁでもそうだな、吸血姫ってちょっと見てみたいかも。可愛い系なのか美人系なのか。
「じゃあそれ受けてみるよ、どうすればいい?」
「では本日の夜の警備の担当をトモエ様にお願いします。3時間後教会の前あたりから2時間ほど町をうろついて警備してください、吸血姫を見つけたら、担当の冒険者が教会に待機していますので、携帯で連絡を入れてください」
「倒してしまってもいいんだろう?吸血姫ちゃんを」
「構いませんが、Dランクの冒険者二人組のパーティが血を吸われて病院送りになっています、油断はしないほうがよろしいと思いますが、倒すのか助けを呼ぶのかはお任せします」
というわけで、夜になってルーンの町を警備することになった、だが一人で歩くのは怖いし寂しい……
「シャロンお前も出てきて一緒に警備してくれよ、夜だし人の目もないから出てきて大丈夫だ」
「分かりましたわご主人様、一度町をご主人様と二人で歩きたいと思っていましたの」
シャロンは影から出てきて、腕を組んできた……可愛い奴め、じゃない!
「敵はCランクなんだから油断するなよ……そういやシャロンは吸血姫についてなんか知ってる?」
「私が以前魔界に居た頃、姫同士ということで、遊んでいた吸血姫がいましたわ、懐かしいです……彼女は怪力のスキルを持っていて、吸血鬼よりもか弱い夢魔の私をいつも守ってくれていましてねぇ、私は鞭や剣が得意なのですが、彼女は素手でも強く、大きな大剣を扱って、それはもう勇敢な騎士のようでしたわ」
なんか思ったより武闘派なんだな、吸血姫は一目見てみたかったが……
「そんなことより、あちらを見てください、月でお城が綺麗に見えますわ。ご主人様と二人で大きいお城に住むのもいいですわね……」
シャロンが腕を抱きよせてもたれかかってくる、凄く柔らかいです……夜の警備をしているのか、夜のデートをしているのか分からんなこれでは、そんな風に思っていると建物の間の暗闇から激しい殺気を感じて刀を構え警戒する、ものすごい勢いで飛び出してきた騎士が大きな剣を振り下ろしてきて、刀で受け止める……重たい斬撃だ!
「お前が、シャロンちゃんを誑かした人間か!」
「いきなり斬り殺しにくるとは話が違うぞ!血を吸って回ってるんじゃないのか!?」
目の前には、水色の銀髪でブルーの目をした蒼鎧を着た騎士が立っている、思っていた吸血姫のイメージとはちょっと違うんだが……これではまるで戦乙女のようだ。勇敢な表情、大きな胸、綺麗な髪、大きな胸……一応携帯で鑑定してみようとするが、シャロンがおもむろに俺の前へと歩いていく。
「あれ、もしかしてアルシエちゃん?久しぶり!」




