28 座学のお時間
「さて、まずはお勉強の時間だ。トモエはおれの事は師匠と呼ぶように」
翌日ララノアさん……ララノア師匠が家のリビングのお馴染みのソファーに座って、今後の修行の流れを解説してくれる。ファナと一緒にソファーに集まったが、いつもの黒い帯に白メインの和服ではなく、赤がメインのおうち着物を着ている、可愛い着物なんだが、暴力的なわがままボディと着崩し方の激しさに、目のやり場に困ってしまう……しっかりと見ながら聞くけども。
「話は長くなる、静かに聞きなさい……まずランクについてだ、トモエはFランクの時に、たまたま弱っていたDランクのシャロンを倒したと聞いた。基本的にLvやランクというのは身体能力の高さをふわっと数字で表している……巨大な斧があったとして、Fランクの時は両手でやっと持てる感じだとすると、Dランクだと両手で軽々と振り回せて、Cランクだと片手で持てるし、Bランクだと片手で軽々と振り回せるだろう、身体能力という意味ではだ」
「身体強化のスキルや怪力といった戦闘向けのスキルはLvが上がることによって効果も上がってくる、そういった意味ではLvやランクの差は絶対と言えるし、Cランク以上の冒険者は戦闘向けのスキルをほとんど持っている場合が多い……、ロザリアやパルミラのようにエルフで長く冒険者をやっていて、戦闘向けのスキルを持たずにCランクになっている者もいるがのぅ」
「だが、実際にはランクの差が絶対ではない、低ランクが高ランクを倒せないわけではない」
「ただの木刀などでFランクのトモエがDランクのシャロンに攻撃したところで倒すことはできぬだろうが、Fランクのトモエが、Cランクのブラッドソードで剣閃をシャロンに打ち込めばまともに当たれば倒してしまうであろう……身体能力という意味で言えばシャロンは避けるだろうがのぅ」
「騎士ガフガリオンはトモエに自分がFランクでもDランクのトモエに勝てると言ったそうだのぅ、そこで活躍するのが、ランクやスキルとは違う意味での技術……つまり、おれが伝授する斬鉄剣のようなものだな!騎士ガフガリオンは騎士剣術の使い手だったんだろうからのぅ」
……ふむふむ、騎士剣術とかララノア師匠の斬鉄剣はスキルでは存在しないのか。てっきり、剣術の練習をすれば剣術+1みたいなスキルが身に付くのかと思ったが、そうではないらしい。
「トモエにはまず剣の振り方や構え方など刀剣術を一から教えていく、Lvを上げていくことも重要だが、そもそもお前は冒険者になって1年ちょっとでLv17のDランクになっている時点で早すぎるくらいのペースで強くなっている……ここで一旦立ち止まって技術を磨くべきだろう、逆にファナはLv上げをメインにして過ごすといい、目標はDランクまで上げることだ、まずこれが一つ目」
「二つ目はスキルを覚える、覚えるスキルはトモエは剣閃を自力で打てるようになるのと強撃だ。強撃は剣閃と同じく生命力を使う攻撃スキルで近接攻撃をする冒険者がよく使うスキルだ、ファナにも強撃を教えようと思う」
「とりあえずはこんなところかのぅ、トモエはそこまで習得してから、斬鉄剣を教える……斬鉄剣は剣閃や強撃スキルを見て開発したおれのオリジナルスキルだからのぅ、まずはスキルを覚えてからだのぅ……さっそく今日から開始するが、最初に目標を決めておく……3年だ、3年で全ての修行を終えるぞ、二人とも気合を入れていくぞ!」
これから長いララノア師匠との厳しい修行の日々が始まった。




