24 怒りの殺意
翌朝目が覚めるとパルミラの部屋だ。パルミラはうつぶせに寝ている。彼女は昼間は勇ましい姉御肌なんだが、夜はいつまでも乙女である……寝すぎたせいかもうお昼前だ。ご褒美を多めに貰いすぎたか……
リビングに行くと、簡単な置手紙が置いてある。
「二人とも起きてこないから、ファナと二人でスラリン島にいくわ」
馬鹿な……護衛を置いてわざわざ町中どころか、人気の少ない箱庭まで行くとか何考えてるんだ。
いそいでパルミラを起こしに行く。
「なによ~、まだ元気なの~?」
「何を寝ぼけてるんだもうお昼前だぞ、ファナとアリエルが二人でスラリン島に行ったらしい、急いでパルミラは他の護衛の人達と連絡を取ってくれ、俺も急いでスラリン島に向かう!」
「ええ?!、なんでそんなことに……急いで護衛隊長に報告しなきゃ」
ファナと一緒に冒険者やりたいとか言ってたからな……軽い気持ちで出かけたんだろうが、昨日までの3日間は俺たちの周りにちゃんとCランク以上の護衛がいたから成り立ってたってのに……買い置きしていたお菓子を持ってスラリン島へ向かった。
「こんにちはアンちゃん、お土産に甘いミルクキャラメルを買ってきたよ。飴みたいに食べてね……ところで、ファナとアリエルは来てるかな?」
「ありがとうございます、いただきます……ファナとアリエルのパーティ「シスタープリンセス」は2時間ほど前からスラリン島に来ています」
……その名前はどういう意味なんだ。シスターズとプリンセスでシスタープリンセス……か?
ネーミングセンスにも一言言ってやりたいがそれどころではない。
「他に冒険者は来てるかい?」
「……Cランク拳士の鋼鉄のザパン率いる「鋼鉄の盾」が2時間ほど前に来ています、特に依頼は受けていません」
護衛がついてない時にCランクのパーティ、嫌な予感がする……。
「アンちゃん鋼鉄の盾のメンバーはどんな感じなの?」
「Cランク拳士鋼鉄のザパンとDランクの元騎士のガフガリオンが中心のパーティで他にEランクの男が3人の5人パーティです、それ以上はお答えできません」
「それだけで十分だ、ありがとうアンちゃん!」
スラリン島の中を探す、見晴らしはいい島だから、すぐ見つかるはずだ……そう、すぐに見つかった。
うつぶせに倒れているファナの姿が……
周りを見渡す……うつぶせにファナが倒れていて、背中にナイフが刺さっている、近くには騎士が1人近くに2人の男、そして一番奥の方におそらくザパンであろう大柄な拳士の男とアリエル……アリエルを捕まえている男もいる。
「トモエ!こっちにきちゃダメ!!この人達は……」
叫んでいる途中で男に殴られて、言葉にならない悲鳴をあげ、アリエルは倒れる。
「おい!顔を殴るんじゃねぇよ!そいつは綺麗なまま攫っていく依頼なんだからよお」
ザパンらしき、男が怒鳴っている……アリエルは俯き、ファナはピクリとも動かない……
こいつら……!!
「おいおい、暴れるんじゃねぇぞ、トモエって言ったな、可愛い顔しやがって……大人しくしてれば、お前は縄で縛るだけにしてやるから両手を上げてそこを動くなよ」
騎士の近くにいた男が縄をもってニヤニヤしながら近づいてくる、俺は両手を上げて怒りを抑える……。
こいつら……こいつらは……!!
「お前らEランクの「姉妹」だよな、運が悪かったなぁ、エルフの護衛なんかするから俺たちに襲われるはめになってよぉ」
近づいてくる男が俺の目の前まで不用心に近寄ったその時、俺の怒りは激しい殺意へと変わった!!!
「シャドウランス」
影から8本の槍が男を串刺しにした、そのまま剣を構えフルパワーの一撃を男ごとザパンへ繰り出す
「剣閃」
男の首を吹き飛ばしながら、剣閃の斬撃をザパンへと飛ばす、ザパンの体に斬撃が当たる瞬間。
「鋼鉄化」
ザパンの体は黒く輝き、斬撃を無効化した……。男を殺したせいか、経験値が体に入っていき、Lvアップしたのを感じる、だが、フルパワーの剣閃がザパンには通用していない。
「おいおい、その強さでLv15のEランクか?、詐欺みたいな強さだな!エルフの護衛をしているわけだ……。だが、俺はCランクの拳士だ、お前じゃ俺には勝てねぇよ」
ファナの近くにいた騎士が近寄ってくる、こいつが騎士ガフガリオン……
「ランクだけでは真の実力は測れない……剣閃を使えるいい剣を持っているようだな、だが使っている人間が素人だ。いくらLvを上げても、剣の扱いがなっちゃいない。次は俺が相手になってやろう」
「そこに寝ている少女もそうだ、弱い魔物としか戦ったことのない動きをしていた、Lvを上げてランクを上げることも重要だが、技術を鍛えなければスキルや装備の力だけでは強い魔物や人間に勝てはしない」
お前が、お前がファナをやったのか……
「お前ら全員ぶっ殺してやるからな!!」




