1話 幸せな日々とその影
初投稿作品です!
まずはマイナー中のマイナーな作品を見つけて下さりありがとうございます!
ここが読みにくい、こうした方が面白いと思う。など、アドバイスがありましたらコメントしてくださると幸いです。
『楓は無事だろうか…』意識が朦朧とする中まだ俺はあいつの幸せを願うのだった。
数ヵ月前
「おい、もう8時だぞ。いい加減起きろ。」
俺は部屋のカーテンを開けつつ、ベッドで気持ちよさそうに寝ている幼馴染に声をかける。
「眩しい...あと五分だけ...」
「(こいつ...美少女がポンコツなのは創作だけにしといてくれよ神様)」
「さっきも聞いた。今日は入学式だろ?遅刻したらどうすんだよ!」
「わ、分かったよ、細かいなぁ」
ショートヘアの美少女は眠そうな目を擦りながらベッドからゆっくりと起き上がった。
「おばさんがご飯出来てるって、先下行ってるぞ」
「分かった~」
美少女はベッドに座ったままコクリコクリとうたた寝をしている。
「(おいおい、大丈夫かよ)」
下に降りると楓のお母さんが忙しそうに朝食とお弁当を作っていた、しかし二階から降りてきた俺を見つけると手は忙しそうに動かしながらも話しかけてくれた
「毎回悪いねぇ~」
「いえいえ、楓ママの方が忙しそうですから」
「ありがとね。楓が降りてくるまで適当に座ってお茶でも飲んでて。はい、あとこれお弁当」
「えっ、いいんですか!?」
「たまにはお礼しないとね!」
「ありがとうございます!楓ママの料理美味しいから楽しみです。」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない!うちの娘とくっ付いてくれると助かるんだけど」
「俺達はそういうのじゃないっすから…」
自分からそう言ったのにも関わらず、胸の奥がチクリと痛む。
「(少なくともあいつは俺に恋愛感情なんてないんだろうな)」
楓ママと話していると2階からドタドタど楓が降りてくる。
「お母さんはすぐそう言うこと言う...お弁当は?」
「ここよ」
「ありがとう。行ってきます。」
「朝ごはんは?」
「食べる時間ない...」
「全く...しょうがない子ね」
仲睦まじい親子を眺めながら、淹れてくれたお茶を飲んでいると
「早く行くよ!走んないといけなくなる」
いつの間にか玄関にいた楓が俺のことを呼んでいた
「分かったよ、楓ママ行ってきます」
「はいはい、二人とも気を付けて」
楓と談笑しながらの登校は俺の密かな楽しみの一つだ。
「今日おばさんに弁当貰った」
「良かったじゃん」
「人の手料理なんて暫く食べて無いから楽しみだな」
「そういえば、あんたの両親っていつ帰ってくるの?」
「夏休み前って言ってたな」
「随分長いんだね」
「仕事だからな。そんなことより、入学式晴れてて良かったな」
「そんなことって、でも確かに雨だったら遅刻してた」
「そっちかよ」
思わずツッコミを入れてしまった俺にケラケラと笑う楓。きっと俺はこういう日常が好きで、笑う楓が好きなんだと思う。だからこそ、こいつにだけは知られたくない秘密がある。
「(ちっ、今日も来たか)」
「悪い、楓先行ってて」
「えっ、どうしたの?」
「忘れ物した」
「分かった、走んないと遅刻するよ」
「分かってるよ」
楓が角を曲がったのを確認し、もう一度前を向き身構える。
「『早く出てこい!時間がねぇ』」
すると電柱の影からやつは出てきた。
『何故わしらの言葉が話せる?』
「『知らねーよ、さっさとこい』」
『認識もできるだと!?』
俺は腰を少し落とし臨戦態勢を整える
『どうせ触れることすらできん癖に生意気な』
「『人間ごときにビビってんのか?』」
早めに終わらすためわざと相手を煽る、俺のことを舐めている奴ほどこの方法が良く効く。
『人間ごときがぁ!』
俺の顔面を狙った右のストレートを避けカウンターでやつの体の中心部にある核を掴む。
『バカな!何故核に触れられるあり得ん!!』
「『まだ意識あるのか、お前上級だな?』」
俺が少しだけ力を込めると腕が黒くなり、影が悲鳴をあげ始める。
『ぐはっ、お前悪魔に売ったのか!かはっ、欲深い人間ら…』
影の言葉に少しイラついてしまい、核を握りつぶしてしまった。核を失った影は空中で散り散りになり消失した。辺りのコンクリートには少しヒビが入り、角と翼が生えた男子高校生の影が伸びていた。
「(あの程度の言葉でイラついてしまうとは俺もまだまだだな)」
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