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準備万端で楽々異世界生活(仮)  作者: メイシン
第3章 異世界学園編
76/93

76話.戦闘授業はテンプレの予感?2

気付いたら20万字を突破していました!!

みなさんありがとうございます。


そして、クズ教師の登場です!




76話.戦闘授業はテンプレの予感?2



*****~*****~*****~*****



「この中で貴族の出(・・・・)は居るか?」


 授業が始まった途端、講師と思われる男が発した言葉。それに対して生徒たちは、誰も反応はしなかった。

 それを受けて、男は戦闘技術の授業には貴族や王族は受けず「騎士育成」の授業に行くと思い込む(・・・・)


「ま、貴族はこんな冒険者がするような戦闘技術の授業なんて受けるはずがないがな。」


 途端に態度と口調が変化する。どうやら、典型的な貴族至上の差別主義講師だとアボは思った。そして早くもこの授業を選択したことを後悔し始める。


「まあいい。それではこの授業の生徒は揃ったな?ま、揃ってなくとも授業は進めるし、いないヤツは他の時間帯で参加するか、単位が取れずに落とすことになるかのどちらかだがな。」


 高圧的な言葉と態度で言い放った講師風の男が、蔑んだ目を集まった生徒に向けて言葉を続ける。


「俺の名は、ギャンクライ。戦闘技術の講師だ。この授業では俺のいう事が絶対だ、それを忘れるな!逆らう者には容赦しねえ。

 危険に対して舐めた態度は即、死に繋がる。対個人では問題にならなくても、集団となれば“規律”を守らない者は、他の人間が危険に晒される!

 それゆえに、俺の命令に対しては絶対服従だ。そこのところをよく理解した上でこの授業に望め!」


 ギャンクライ。3年前まで「騎士育成」の授業を受け持っていた人物である。王国騎士団にも所属していたが、“年功序列”の正当さを説き、悪習を正義と信じ“規律”と称して押し付け、騎士育成の授業から外された男である。

 3年前第1王子が入学され騎士育成の授業を受けるかも知れないと(・・・・・・・・・・)、調査が入り『色々』と露見したため、騎士育成の授業からは外され、戦闘技術の講師補助へと降格となった。


 そして昨年、戦闘技術の授業を受け持つ講師が、両親の危篤を理由に急遽、職を辞したために、仕方なく補助から講師へと宛がわれた男である。

(ちなみに言動、人格共に問題が多い為、防護柵としてガースが講師補助と抜擢された。それ以外の理由(・・・・・・・)の方が大きい要因ではあるが……)


「……この授業の講師補佐に着くことになったAランク冒険者のガースだ。よろしく頼む。」


 早くもギャンクライの言動が気に食わないのか、ムスッとした態度でギャンクライを一睨みし、生徒たちに挨拶するガース。

 そもそも、戦闘技術は集団戦闘を主体とはしていない。個人、パーティ単位での戦闘訓練・技術習得を基本方針としている。もちろん学習指導案にも授業進行規範にも載っていない。ギャンクライの暴走である。


(アボ様。この講師、少々問題があるように見受けられますが?)


(少々??寧ろ問題だらけじゃない?貴族が居ないと確認した途端、態度が急変したし。)


(確かに、貴族(・・)は居ないようですけど。。。)


 エンは他にも何か言いたそうな口調だったが、ある一点(・・)を見て何故だか不満気だが、無理矢理納得したかのように頷き、念話を続ける。


(…今後の展開が、他人事ながら祈らずにはいられません)


(ん?それって、どういう……)


 念話の途中でギャンクライの大声で中断される。ギャンクライの方に意識を向けると、何かの選出をするようだ。

 しかし、明らかに作為ある選出。片方は戦闘に長けている、又はギャンクライに対して従順な態度を示す生徒。もう一方は明らかに戦闘に不慣れで弱そうな(俺やタイガの様な)者、又はギャンクライに反抗的な態度を示す者に分かれた。


「まずは、『受ける』ことから教えよう。騎士団の訓練でも実際に行われているのだが、敵方の攻撃を受ける際、最小のダメージで収める為に“闘衣”を発動する。最終的には、上級闘法の“魔闘衣”を目指すことになるが、これは攻撃にも防御にも適した技術だ。」


 といって、ギャンクライは己の持つ木剣に魔力を纏わせ、近くにいた眼鏡を掛けた生徒に対して、いきなり剣の腹で殴りつけた。

 何も防御もしていなかった生徒は、殴られて当然のように吹き飛ぶ。魔力を纏わせた分だけ威力もあったようで、殴られた生徒は10mほど吹き飛んだ。


「このように、何の防御手段も取ってなければ、大怪我をするし即時反撃も出来ない。しかし、魔法適性で強化系に属していた者ならば簡単なのだが、魔力を身体に纏わせることで、強化系でなくとも「ある程度」防御力アップと攻撃力アップが見込める。今日はその訓練を攻撃側と受け手側の交互に行っていく!」


 何とも体育会系な教育方針なようだ。体表面に纏わせる“闘衣”は発散と収束、漏れ出さないように留める技術は、基本にして最奥の奥義ともいわれている。

 通常は魔力循環に慣れさせ、徐々に体表面、武器・武具に纏わせていく過程を、何年も修練として己に課すものだ。

 エンとの修行ではもっと過激に行われたが、一般人の授業で行うのは無謀過ぎるんじゃないかとガースを見ると、吹き飛ばされた生徒を介抱していた。


「ガース殿!そんな甘やかさないで貰いたい!そこの生徒も痛がるフリをするな!士気に関わるのが分からんのか!すぐに元の位置に戻れ!!戻ったら今別れた双方で交互に攻撃と受けを開始するぞ!受けては防御を一切するな!魔力を纏って攻撃を受ける訓練だからな!」


 いきなり殴りつけといて、それは無いだろうと思ったが、殴られた生徒は、吹き飛んだ眼鏡を拾い、よろよろと元の位置へと戻ってきた。


「お、おい、アボット…、これってヤバい授業なんじゃないか?」


 小声で不安そうな声でタイガが話しかけてきた。


「タイガ君は“闘衣”は使える?」


「魔力循環を始めたばっかりだから、無理だよ。。」


「だよねぇ。タイガはなるべく攻撃が来る箇所に魔力を集中できるように努力して。多少はマシになると思う。」


「た、多少って…」


 すでに絶望の表情を受かべ、縋るようにアボを見つめるタイガ。俺がエンの修行で行われた時より『ずいぶん生温い』とはいえ、大怪我に発展する恐れはある。

 現に殴られた生徒の頬は赤黒く腫れ上がっているし。それはどうしたものかと考えていると、流石に見かねたガースが意見を出した。


「ギャンクライ殿!いきなりそれはあり得んだろ!“闘衣”どころか魔力循環も定かでない生徒に対して行うものではないぞ!」


「…ガース殿。貴殿は何か勘違いしておられぬか?貴殿は冒険者ギルドにてAランクの実力者だ。Aランクの冒険者は男爵位と同等の権利を持つ。であるからして、私に対しての言葉使いも業腹ではあるが…それは認めよう。

 しかし!教育方針については口出しなさらないようお願いする。改めて言うが、これは教育だ。最初の授業にて私の教育方針を骨の髄まで叩き込むためのな。」


 あーーー。ただの体罰で、恐怖で縛り付ける典型的なやり方じゃん。何か言われても生徒同士の力量の問題として、力加減を間違った事故(・・)として処理できる理想的な方法ではあるけども。人格的にも最低なヤツだな。


「流石に如何に言われようと看過できん。どうしてもと言うのであれば、俺が受け手になろう。まずは生徒が攻撃側として魔力循環からの“闘衣”の訓練をすれば良いだろ。」


 意外と生徒思い?ガースの提案に思案するフリをするギャンクライ。


「まぁ、いいだろう。ガース殿はAランク冒険者であり、頑丈な肉体をお持ちだ。生徒たちは胸を貸して貰おう。」


 ニヤリとあくどい表情で、ガースを自らの手は汚さずに「公開処刑」出来ると思っているのだろうか?






 そしてエンさんや。同じようにガースを甚振(いたぶ)れるとニヤニヤするのは止めなさい。







安定の“ニヤニヤ”エンさんの登場です。


続きが気になると思って頂けた方は

是非★★★★★のエナジーをお願いします!



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