70話.開業に向けて~ 祝オープンしました
オープンしたお店の賑わいというか、状況の描写は必要でしょうか?
必要でしたら半話ほど、次話に差し込みますが。。。
70話.開業に向けて~ 祝オープンしました
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住む部屋の説明も終わり、今日は、各自ゆっくりと休んでもらうことにした。アボ達は細々としたポップを作っている。
「アボ様?」
「どした?」
「従業員のことについてですが…。」
「正式な契約書を交わしたから、対処療法にするつもりだったんだけど…ダメ?」
「後ろで操っている輩を捕まえるという意味でしたら、良いと思われます。」
「王宮か、それ以外。どうなんだろうね?」
「王宮でしたら昼間に国王やセガルルトさんが来るのも、オカシな感じでしたから、違うと思うのですが。。。」
「違うとしたら、フーヴォの果樹園管理にも入り込んでたって事になるよ?」
「出自自体は、孤児の方がほとんどでしたので、誤魔化そうと思えばどうにでも出来るでしょうし、本人に悪意が無ければ、賢獣でも感知出来ませんわ。」
「どこにでも諜報活動というか、スパイっているんだねー。」
「どこでこの店の情報を得たのかは分かりませんが、賢獣の恩恵を下賜され、販売する店に魅力を感じない者などいませんから。」
「製パン機の設置については、スパイを排除してからってことで良い?」
「その方が宜しいかと。」
「とりあえずは、行動の監視かな。初日だけど動くかな?」
「どうでしょうね?」
アボが店を始めるに当たってフーヴォが従業員の候補を、自らの運営している果樹園から人員を選出した。もちろん簡単な面接にはアボ達も同席したし、特段おかしな素振りも見せてはいなかった。
しかし店内に入った後、かすかな違和感があった。そしてそれは商品の説明、部屋割りの際に大きくなり、今に至っている。
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宛がわれた部屋から、外に出ようと階段を下りる。幸いにも他のみんなはリビングでくつろいでいるようだ。彼氏に会いに行くと言えば、簡単に騙されてくれる。
今日は色々な事があった。驚きの連続だ。フーヴォ様とは違う、賢獣様の恩恵をお腹いっぱい堪能した。
それに、言われたことを忘れない様にと、見たこともない質の高い紙の束やインク壺を使わなくても書き続けることのできる筆や、初めて見る素材のお揃いの制服など、今日1日で驚くことがこんなに疲れるものなんだと知った。
店を出た私は、彼の下に会いに行く。学園に通う彼も、新学期まえの休みに入るから両親の下へ帰るそうで、しばらく会えなくなっちゃうから、今日はゆっくりと時間を過ごせると良いな。私みたいな孤児出身でも対応してくれる素敵な人。
今日ビックリしたことや楽しかったこと、たくさん話せたわ!彼は優しく微笑んで話を聞いてくれる。私の拙い話にも真剣に耳を傾けてくれる!
こっそりと隠して持ち帰ったパンを彼に見せてあげる。本当はいけないんだよ?貴方だから、特別なんだよ。賢獣様のすばらしさを貴方にだけみんなより、ちょっとだけ早く教えてあげる。さぁ食べてみて!美味しいでしょ!!
え?どういうこと?そのパンってどうやって作るのかって?流石に、まだ初日だもん。教えてくれるワケないわ。
どんな道具で作っていたか見たかって?説明だと、魔道具を使うみたい。え?大きさ?見てないから分からないわ。
そんな寂しい顔しないで!今度はしっかりと見てくるから。あなたの微笑む顔が見れるのなら、それが私にとっての一番の幸せ。
ねえ今度はいつ会える?え?明日も会ってくれるの?!嬉しい。。。でも無理はしないでね。
…私は貴方にもらったこの腕輪があれば、それだけで耐えられるから。。。
「…これって契約の穴になるのかな?」
「試食のパンを持ち帰るのはアウトですね。外に持ち出してる時点で。」
「それ以外は?」
「難しいです。彼女の良心がわずかに抵抗しているのか、ギリギリのところで回避しています。」
「それにしても厄介だな、あの腕輪!ちなみに精神汚染は?」
「あの子はそれ程でもありません。まだ装着されたばかりなのかも知れませんね。」
「じゃあ、さっさとあの男を捕まえて、腕輪も外して、終わりにしよう。」
「簡単には終われそうもなさそうです。」
「ん?」
「彼女はともかく、相手の男の方は無理のようです。」
「…どういう事?」
「男の腕にも腕輪がございます。彼女の腕輪とは違って人工魔石の付いた『侵食タイプ』の様ですけど。かなり侵食されてますね。私でも助けることは出来ないレベルです。」
「マジかぁ……。どうしようもない?」
「出来る出来ないで言えば、アボ様なら出来るかも知れません。しかし絶対にやりたがらないと思います。」
「どうして?」
「だって、以前街道で揉めた『ガブル伯爵の子息、ガブル・フォンバット』さんですよ?」
「…あー、無理。セガルルトに連絡して対処させよう。」
「すでにフーヴォさんに手紙を持たせましたわ。とりあえず彼女があの男と別れたら接触を図りましょう。」
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「どぉ?少しは落ち着いた?」
あれから、伯爵の息子はフーヴォとセガルルトに任せ、女の子を無事保護し腕輪は強制撤去した。
彼女の名前はリンダ。孤児院出身の16歳だそうだ。特に副作用的な不安定さも無く、落ち着きを取り戻している。
色々聞き取りたいことがあるので、この後王宮へ行かねばならないけど、無事で良かった。一応、オペレーションもあるので、なるべく早めに帰して欲しい旨はセガルルトに伝えてある。
だって彼女は被害者だし、この店で働けなくなるかもと、かなり動揺してしまったので、大丈夫と言ってしまった。言った以上、責任取らなくちゃいけないからセガルルトに賢獣の権限ですぐにここに帰って来れる様、手配した。
「さて、これで憂えは、取り除けたかな?」
「お持ち帰り用の袋に代わる物の用意が出来れば準備はOKです。」
「…もう面倒臭いから、紙袋使っちゃおうよ。」
「アボ様が良ければ構いませんが……ついでに紙の梳き方も伝えちゃいます?」
「この店のインパクトが弱まらない?」
「未だにパピルス紙を使っている世界ですからね。でもすぐに生産できるわけでもありませんし、大丈夫じゃないですか?」
「そりゃそうか。すぐに出回る訳じゃないよな。それじゃ、パンの持ち帰りは紙袋で対応で。」
そうして細々としたオペレーションを繰り返し、3日後にやっとオープンにこぎ着けた。学園の入学する3週間前に。。。
ガブル伯爵の子息、ガブル・フォンバットのその後が気になる!と思って頂けた方は
是非★★★★★のエナジーをお願いします。




