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準備万端で楽々異世界生活(仮)  作者: メイシン
第1章 世界会議編
7/93

7話.賢獣の卵2

メインキャラが揃います。

本日もよろしくお願いします。


7話.賢獣の卵2


*****~*****~*****~*****



「主様、本日は何をなさいますか?」


 賢獣のエンが生まれてから1週間が経った。魔石も無事育ち、1週間前の状態から倍くらい成長している。その間はトレーラーハウスの前にウッドデッキを設置したりハンモックを吊るしたりして拠点を充実させていた。


「今日は移動手段の馬車のチェックかな。」


「…馬車でございますか?この島で?そもそも主様は転移魔法が使えるのですから、必要のない物なのではございませんか?」


「元々拠点作りがひと段落したら、この世界を覗いてみようと思ってたんだ。

 その時に目立たないようにしたくてさ。荷物はストレージで運べるし、転移魔法で一瞬で移動は出来るけど、歩きで手ぶらじゃどこから荷物を取り出したってなるし、いきなり消えたら噂になるでしょ?面倒臭いヤツらに目をつけられたくないから。」


「なるほど、世界を見て回りたいという事ですか。。では私も馬車を見させて貰えますか?」


「ウッドデッキの前で取り出すし、構わないよ。」


 朝食を食べ終え少し食休みした後、外に出てストレージから馬車を取り出す。普通の箱馬車と屋根のないタイプ、荷物が載せれる屋根なし、屋根ありタイプ、あとリアカーだ。

 とりあえず5台出して、異世界でも違和感のないものはどれか見て行く。


「……主様。この世界では主様の世界で言う、派手及びおーばーてくのろじーってヤツでアウトす。」


「マジで?」


「マジです。第一に見た目。こんな黒塗りに赤いラインって。。どこぞの王族の馬車より豪華過ぎます。それにタイヤの部分。ゴムを使っている時点でアウトじゃないですか?。」


「魔物の素材を使ってますとか言って誤魔化せないかなぁ?」


「目立つのは避けられないと思いますよ?それにリアカーは無しです。全て金属なんて目立ちすぎます。特にアルミフレームって、この世界でも精製技術が確立してないと思います。あと。。。」


「まだあるの?」


「そもそもの問題ですが馬車を曳くのはどうされます?野生の魔獣でも捕まえます?調教するのにどのくらい時間が掛かるか知りませんけど。」


「おぅ。その問題があったか。確かに何も考えてなかった。一旦、馬車は保留にしよう。」


「では、先に世界を見て回る際の見目を考えられては?」


「やっぱこの格好じゃダメ?一応、麻のシャツなんだけど。」


「悪くないとは思うのですが、馬車が使えないのであれば、リュックや靴もそれなりの物にしないと目立ちますので。」


「だよなぁ、リュックは帆布のヤツが何種類かあったと思うから見てくれる?」


 今日はのんびりとファッションショー及び品評会になりそうだ。



*****~*****~*****~*****



「ってことで、今日は賢獣を出したいと思いまーす。」


「何が『ってことで』なのか理解できませんが、承知しました。」


「いやー、馬車は決まってないけど、馬車を曳いてくれる賢獣を出せばと思って。生き物って世話するの大変でしょ、意思疎通も含めて?その点、賢獣なら諸々とクリアかなって。」


「そんな理由で賢獣を顕現させるのは主様だけでしょうね。」


「何気にディスられてる?」


「それでどのようなお姿を想像されてらっしゃるのです?」


「向こうの世界で神話として出てきたスレイプニルはどうかな?」


エンは渋い顔で考え込んだ。俺の記憶を探しているようだ。


「北欧神話に出てくる8本脚の軍馬。。ですか。」


「うん。速そうだし、格好良くない?」


「却下ですね。」


「なんで?!」


「運動理学として考えてください。脚が8本あったとして思いっきり駆けようとしたら、内側の脚って傷だらけになります。速く走ろうとすれば自滅です。それか、蹄がぶつからないほど胴体を長くしますか?恰好悪いです。」


「えぇー。バッタやクモとか、4本以上の生き物もいるじゃん!」


「無論、こちらの世界でも多足の生物はいますよ?でも関節部、脚の生え方が四足動物とは違います。長時間の走行している姿を想像してください。まるでG…」


 一瞬想像してみる。


「無理だ!横方向にも脚が伸びてスペースも場所取りするし、現実的じゃないな。」


「分かって頂けたようで。」


 想像と現実は違うことに気づき落ち込む。が、気を取り直して考える。


「もう癒し枠で良いか。決めた!賢獣の卵よ。俺のイメージを組み取って、顕現せよ!」


 前回と同じように、卵の外殻がぼんやりと光り始めたかと思うと、輪郭が滲むように不確かな形状を取り始め段々と光量が増していく。

 現れたのは、手のひらに乗る程度の大きさの、白と黒の2匹の賢獣(・・・・・)だった。2匹とも色が違う以外は同じ姿で、パッと見はネコのようだが、目の大きさが違う。アニメに出てくるような大きな目だ。脚は太目で成長したらさぞかし健脚を披露するであろう。

 そして一番の特徴は尾の部分、しっぽだ。体長よりも大きな尾っぽは、もふもふ加減もあって、どっちが体か分からないほど大きい。くるまった姿はふわふわな綿帽子のようだ。


「なんと愛らしい!主様、早く真名をお決めください。」


燕然(えんぜん)。しとやかで美しい様って意味。日本語読みより中国語の燕然(ヤンラン)方が良いかな?普段は黒い方がヤン白い方がランと呼ぼう。」


 ヤンとランの身体が仄かに光った。問題無く名付けは終わったようだ。

2匹はうっすらと目を開け、お互いを見、俺を見上げる。


「「みゃう!(あるじさま!)」」


どうやら主と認識したようだ。エンも愛でるような眼差しで2匹を見ている。


「これからよろしくお願いいたしますね。ヤンさんランさん」


「「みゃうん!(こちらこそ!)」」


 双子の様に息の合った返事だ。もぞもぞと動き出し、2匹で追いかけっこをしたり足元でじゃれたり自由人の2匹。


「言葉も通じるようで何より。外で遊んでも良いけど、崖側には近寄らない様にな。」


「「みゃうぅーー!(はーーい!)」」


「主様、お二人のために柵をお作りしたらどうでしょう?」


「そだな。確かホームセンターでガーデニング用の折りたたみコンパクトラティスがあったかな?とりあえず簡易的に設置して、いつかちゃんとしたフェンスを作ろうかな。」


「絶対作らないパターンですよね?それ。」


 エンとの会話はスルーして、折りたたみラティスを取り出し複製をしながら設置していく。


 ヤンとランは次々と生み出されるラティスが面白いのか、飛び跳ねちょっぴり危なっかしい。ここは崖の傍なんだから。


 思ったより崖の範囲が広く、全長100mくらいになった。うん。こりゃ新しく設置はしないだろうな。面倒臭い。エンの言った通りになりそうだ。


「お昼はピザでも良い?ってかヤンとランはミルクが良いのかな?」


「「みゃみゃ?みゃー!(ピザですと?食べたーい!)」」


 ウッドデッキに戻り、テーブルの上に某宅配ピザと某世界コンクールで優勝したという有名店のピザを出す。


「ジャンクなピザも洗練されたピザも、どっちも捨てがたい。」


「外で食べる食事は、ジャンクな食事が肩ひじも張らずに気楽に食べれますね。」


「「みゃー(美味しー)」」


 華やかになった食事風景にほっこりする。


「あ、そうだ。せっかくこっちの世界に来たんだから俺も新しい名で生きようって思うんだけど。向こうじゃ存在も消えちゃったことだし。」


「私共は主様とお呼びしてますが変えた方が良いですか?」


「時と場合によるけどね。基本は名前で呼んでもらう方が慣れるのも早いかな。」


「どんな御名を?」


「元が相田僕人だったから頭を取って『アボ』にしよう。日本語っぽいのは違和感があるから」


「アボ様ですね。改めまして、よろしくお願い致します。」


「「みゃうみゃうみゃー!(よろしくアボさまー!)」」


アボとしてこの世界で生きる決意を新たにして、のんびりとピザを頬張った。







次話からやっと拠点から出発します。

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