62話.閑話 王子ガララント
凄く短いですが、ガララントのお話です。
62話.閑話 王子ガララント
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どういう事だ!何もかもが上手く事が運ばない!
あれだけお膳立てが出来上がっていたというのに!
あれから近衛に拘束され父上のいる、王の執務室に連行された。そこには宰相を始め、宮中・離宮を取り仕切る宮宰、外交を司る外務大臣が揃っていた。
「……ガララント。ここに連れて来られた理由は判っておるな?」
挨拶も無しにガララントに問いかける国王パウルルト。その問いには怒りが込み上げて、表情も滲み出ている。
「父上!これには…」
「今は公務で問うている!国王と呼べ!」
「…失礼しました。」
「まずは、前回の賢獣フーヴォ様に対しての狼藉の件にて、あれほど厳命したと思っておったが、余の記憶違いかの?」
「………」
「ましてや、渡り人の一件!王国の国庫より魔石を無断で持ち出し、剰え渡り人に付与してしまった際にも、申し付けてあったよな?」
「…………」
「そして先ほどの一件。国王の命とはそれほど軽い物なのだろうか?ガララントよ。おぬしは一体、何を考えておるのだ?まるでワザと、そう仕向けているとしか思えないのじゃが?」
何も答えないガララントだったが、パウルルトの横にいた宰相が、国王に向けて“ある推測”を口にした。
「国王。発言を許可して頂けますか?」
「許す。」
「それでは。ガララント様。最近、側近候補である我が愚息のジェームスに、騎士団長の嫡男のバッカス。それ以外に、世界会議の始まる前後から、急に貴方様に近づく者はいらっしゃいましたか?」
「…ガブル伯爵の子息、ガブル・フォンバット、…そしてホランド公国のガゼリ侯爵です。」
「なんと!?」
パウルルトが驚きの声を上げる。元々、ガブル伯爵領はホランド公国の隣にある為、ガゼリ侯爵との親交があったのは周知のことだ。ガブル伯爵を通じてガゼリ侯爵の紹介があったのであろう。だがしかし、ガゼリ侯爵には黒い噂がある。
ホランド公国はヒト人種至上主義の中で、ガゼリ侯爵はその筆頭である。世界会議でエンの活躍?の為、国としての力は減退したが、侯爵自体の力は健在だ。そのガゼリ侯爵からのアプローチである。何かあってもおかしくない。
しかも、選りによってガララントにである。ガララントは立太子はしていない。未だに“第1王子”のままである。本人にも伝えられてはいないが、此れにはある理由がある。(日頃の素行の悪さも、理由の一つではある。)
「国王、一度ガララント様を含め、検査を行う許可をお願いします。」
「どういう事です?私は別にどこも悪くはありませんが?」
「そういう意味ではありません。確かに日頃からの素行の悪さは問題ですし、頭の中をじっくりとこねくり回して調べたいとは思っていましたが、今回はそれが理由ではなく、いくらあのガララント様であっても今回の一連の問題はおかし過ぎるのです。ご自身でもそう感じることはございませんか?ジェームスも何か気にかかることは無いか?」
ちょいちょいディスっているがこれが宰相の平常運転なのだろうか?生憎、ガララントは気づいてもいないが。
「…そういえば、以前「守護のブレスレット」をいただい……ア、アガガガガg!!」
いきなり奇声をあげ、苦しみだし暴れ出したジェームス。
「衛兵!取り押さえよ!」
国王の執務室内が騒然となる。そして訳も分からず、ガララントとバッカスがジェームスを見つめる中、衛兵に取り抑えられたジェームスは口から泡を吹いて気絶した。
王宮の救護室に搬送されたジェームスは、直ちに宮廷魔導士による治療と原因の究明に当たった。
分かったことは、精神汚染による思考誘導と思考能力の低下などの“呪い”“洗脳”の状態にあることが分かった。それはガララントとバッカスも同様である。
呪い自体はそこまで強いものではなかったが、元々の性格・言動も災いしてか、少しの誘導で見事に第1王子トリオが出来上がった状態。いつもとそこまで変わらなかった状態でもあり、誰にも気づかずに呪われた状態が完成していた。
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