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準備万端で楽々異世界生活(仮)  作者: メイシン
第2章 異世界勉強準備編
58/93

58話.常識?非常識?9


この前、赤ワインを飲むとき次の日の朝食用のフランスパンが目に留まり、

いつのまにか、おつまみがジェノベーゼパンに変身していました。。。





58話.常識?非常識?9



*****~*****~*****~*****



「それでは、続きを始めましょうか。その前に、フーヴォ様のお隣にいらっしゃる御仁の紹介から。」


「賢獣のエンと申します。隣は私の(あるじ)です」


「こちらは、冒険者ギルドの後見でも在らせまする賢獣様のエン様とその(あるじ)殿にございます。この度、フーヴォ様の通訳として、お越しいただきました。くれぐれも粗相の無い様お願いいたします。」


「……人と話するんなら、そのお面みたいなマスクは外したら?失礼に当たらない?」


「主は小心者でして。それに素顔を晒すのは、後々問題を起こす要因となりますので控えさせていただきたく。それに本日は、あくまでも通訳(・・)として来ていますので。主のことはお構いなく。」


 いつものごとく、アボは喋りもしない。顔をマスクで隠すだけでなく、声からも推測されないよう、徹底的にその存在を秘匿する気である。


「問題を起こす要因ってなんだよ?!」


「この2人は言葉が通じないのですか?お構いなくと申し上げましたのに。あちらにも通訳が必要なのでは?」


 しょっぱなから煽るエンさん。流石です。


「何なのこいつ!ちょっとキレイだからって生意気じゃない?!」


 思わず立ち上がって叫ぶ松本キラリ。


「話し出す前に脱線するのも、いかがなものかと。さ、早く話を始めましょう。」


「そうですな。あくまでもこの話し合いは、おぬし等の立場の再確認と、処遇の話だ。うちの第1王子(バカ)から何を吹き込まれたかは知りませんが、こちらの世界では魔王とやらも居ませんし、勇者を必要ともしておりません。

 もちろん、こちらが必要に迫って召喚した事実もありませんし、偶然こちらの世界に来られた渡り人を保護した、これが真実です。」


「それって、あんたが知らないだけで、実際は魔王もいるかも知れねえじゃんか!実際、俺たちは希少な魔法の適性があったんだろ?そんな偶然重なるワケないじゃんか!」


「……はぁ。確かにそうかも知れませんね。」


 セガルルトの言葉にそれ見たことか!とドヤ顔になる坂上タイガ。


「ですが、それらの脅威があったにせよ、それを対処するのは、こちらの世界の問題であって、貴方たちの問題ではないのです。

 はっきりと申しますと、こちらの問題についてはこちらで対処いたします。わざわざ渡り人の力を借りて対処する問題ではありません。」


「…それはあんたたちの国だけの判断じゃないのか?ほかの国では違うかも知れないじゃんかよ!良いのか?俺らが出てっても!」


「そうよ!私たちの価値を理解してくれる国が絶対あるはずだわ!」


「我がエーバー王国のみの判断だと?ふむ、確かにそうかもしれませんね。では、そのどこかの国(・・・・・)に行かれてはどうですか?今すぐに(・・・・)。そしたらこの話し合いもこれで終わります。」


 一歩も引かないセガルルト。元々の立ち位置が違うのだから、仕方がないと言えば仕方がない。ワケの分からない妄想や第1王子(バカ)の介入でグダグダな展開となったが、エーバー王国としては、渡り人を保護したというだけ。自国の利となるならば優遇もするが、そうでないのならば“それなりの対応”となるのも当然の事。

 確かに第1王子(バカ)の介入で、教会などに渡り人の存在が漏れてしまったが、年齢的にも見た目的にもそこまで貴重な情報も持っているようには見えない。

 希少な魔法適性を持っているとはいえ、それだけ(・・・・)だ。手放しても問題は無いとセガルルトは思っている。


 一方の渡り人である坂上タイガと松本キラリは、自身の希少性・異世界の知識に謎の自信を持っているため、今まで話が平行線になった要因でもある。


「ちょっと!こっちの都合も考えずに呼び出しといて、意に沿わないってなったらすぐ放り出す気?!」


「ですから、こちらは貴方たちを無理矢理召喚したのではありませんし。あくまでも、この国を出ていくという貴方たちの意思を尊重して御提案させて頂いたのですが、それが何か?」


「ぐぬぬ」


 言葉でわざわざ「ぐぬぬ」って聞いたの初めてだよ。


「こちらも一度は保護した以上、そのまま放り出すのではなく、他国に行く渡航賃くらいは援助しましょう。もっとも右も左も分からぬ渡り人が、他国にすんなり行けるとも思えませんし、行けたところであなた方の妄言を信じ、優遇されるとも思えませんが。」


「……」


「…異論も無いようで。では、話は以上でよろしいですね。フーヴォ様、エン様。無駄な時間を過ごすために、わざわざご足労をかけて申し訳ありませんでした。

 葛城殿につきましては、今後の身の振り方について別室にてお話ししましょう。」


 話は終わったと、話し合いを終了する旨を伝えるセガルルト。流石に旗色が悪くなったと今更気付く、坂上タイガと松本キラリ。


「ちょっと待って!わたしたちもいきなりこっちの世界に連れてこられて頭が整理出来てないの!理解が追い付いてない事で言い過ぎたかも知れないし、そこのところは謝る!だから一旦、擦り合わせもしたいから3人で話をさせて!」


「なんで私を巻き込むの?」


「あなたも当事者でしょ!」


「正直迷惑なんだけど。」


「何とも休憩の多い話し合いですね。まぁ小腹も空いてきたところですので、何か摘まむものでも出しましょうか。」


 エンのひと言で、アボがスティック型のジェノベーゼパンとグリッシーニを生ハムで巻いたもの2種類を脇に置いてある四角いバックから取り出す。グリッシーニには蜂蜜とマスタードのディップ付きだ。


「向こうでは未成年ですからワインではなくジュースの方が宜しかったですか?」


 無言でうなづく3人に、2ℓサイズのグレープジュースの瓶を置く。


「セガルルトさん達もご用意いたしますので別室にてお召し上がりください。」


「分かりました。それではしばらく休憩としましょう。」


 3人は、恐る恐る、手に取り一口頬張ると、塩とハーブ以外の“味”のある食べ物に歓喜し、貪るように食べ始めた。






 そして、遅遅として進まぬ話し合いが、またもや休憩となった。






フーヴォが来たのに、ひと言も話すまでに至らない会話。。。


そして、セガルルトが本気を出せば、アボたち必要なかったんじゃ?って思っている方。

事前の打ち合わせにてアボとエンの策を授けられた結果と思ってください。


続きが気になると思って頂けた方は

是非★★★★★のエナジーをお願いします。



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