57話.常識?非常識?8
道理の通らぬ平行線の話し合いって
書くのが難しい。。。
57話.常識?非常識?8
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「そんなの納得できるか!」
「納得できる、出来ないではなく、これは決定事項です。」
「そんなバカな話があるか!こっちは被害者なんだぞ!」
「ほう。何の被害者だと申すのだ?」
「いきなり、見も知らぬ世界に呼ばれた拉致被害者だ!」
「それは誰に対して申しておるのだ?この中でおぬし等を呼びつけた者共がおるとでも?こちらは厚意で保護はしたが、それ以上の行為はするつもりもない。」
「それはおかしいでしょ!貴方たちの世界の勝手でこちらに呼ばれたんだから最後まで責任取りなさいよ!」
「…何故、そこまで言い切れるのだ?おぬし等の世界でたまたま弾き飛ばされたのかも知れんのだぞ?根拠をもった発言をしてくれ。」
「うちらのせいだって言うの?!そんなの分からないじゃない!」
「そちらの言い分もな。こちらが悪いと断じる理屈も通ってないであろう。」
先ほどから繰り返される問答。疲れ切った様子の第2王子。お花畑との会話は第1王子だけで十分だというのに。
「あの、私は退室しても良いですか?第2王子様の言ってることも理解しましたし、2人と比べて私は希少な魔法も使える訳でもありませんし。。。ぶっちゃけ、ゴチャゴチャ文句言ってるのはこの2人です。私はこの状況を受け入れますので、早く終わらせて欲しいんですけど。」
「何言ってるの!あんたも被害者なんだからはっきり主張しなくちゃ駄目だよ!ラノベでも定番でしょ!」
「野垂れ死ぬところを保護してもらって、こちらの世界でも生きていくのに必要な保障もしてくれるって言ってくれてるのに。それ以上は強欲過ぎるよ?」
「何が強欲過ぎるだ!全然足りない!魔法だってほとんど使えないし、こんなの詐欺じゃないか!」
「現に魔石?も貰って、身体能力も上がったでしょ?詐欺なワケ、あるはずがないでしょ。それに魔法だって訓練もしないでいきなり使えるものじゃないでしょ?
「適性がある」のと「十全に使える」は同義語じゃない。子供でもわかる理屈よ。高校生にもなって中二病を拗らせてるのって、見ててイタイわ。。。」
「だれが中二病だ!」
渡り人の中で唯一、マトモに会話のできる葛城そら。そして中二病?の坂上タイガ。最後に計算高い(つもりの)松本キラリ。
元々、同じ高校に通う同級生という接点しかない3人。聞き取りをした中で分かったことは、
・帰宅途中、突然目の前が暗くなり落ちる感覚と共に、こちらの世界に来た。
・その際、女神が現れ……なんて事は無い。
・街道沿いに転移されたようで、野営休息地にて休憩をしようとしたガース(ある意味トラブルが寄ってくる体質?)に見つけられ、服装・装備品から冒険者でも旅人でもないと推測。
・転移から1昼夜ほど経過していたらしく、携帯食を分け与えるも「いきなり連れてこられた」「拉致された」と騒ぎ立てられ、話にならず。
・どうやら渡り人らしいと判断し、王都まで護送。
王都までの道中、及び王宮に着いてからも文句の連続。そして第1王子の暴走。セガルルトととしては頭のイタい人間との会話はしたくもないが、第1王子が出てくると、余計に話が拗れるため、嫌々聞き取りをしている状況のようだ。
と、そこに側付きがセガルルトに耳打ちをする。
「フーヴォ様がお戻りになられたようだ。しばし休憩の後、話を再開しよう。」
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「フーヴォ様、エン様、主殿。賢獣祭以来であるな。この度の来訪、誠に感謝する。」
心底、『助かった』という表情で挨拶してくるセガルルト。
「いえいえ、こちらもフーヴォの通訳として来ただけですので。そこまでお気になされずとも結構ですよ。」
ニヤリと、最低限の事しかしませんと言外に伝えるアボ。そして引き攣るセガルルト。フーヴォも申し訳なさそうにしているが、そういう話だったはずだ。
「ホー…、ホーホーー(アボ殿…、楽しむ気満々じゃのぉ)」
「部外者だからね♪」
「ところでセガルルト様?フーヴォさんの通訳として来訪しましたが、何とかなりそうですの?」
「一応、こちらの立ち位置、そして先方の現状は伝えては居るのですが、中々…」
「失礼ですが、もっと年配のお方が話された方が説得力が増すのではありませんか?」
「最初は宰相が話されたのですが、ご理解頂けず。そして第1王子が暴走して余計に収集が付かなくなり、私が取りまとめる羽目になりまして…。」
セガルルトって、生真面目&苦労性なのかな?最初は冷静沈着、頭も切れるタイプとおもってたけど。。。振り回されるタイプだったか。ご愁傷様。
「ま、どちらにせよ着地地点は変わらないんだから、フーヴォを前面に出していくしかないでしょ?最悪、ご理解頂けないんだったら、魔法を封じるなり処分しちゃえば良いんだし。」
「教会にも知られちゃっているので、流石に処分は」
「あ、そっか。教会で魔石を付与したんだっけ。あの第1王子が。」
「それで、あちらは王国とフーヴォさんに何を要求されているのですか?」
「あくまでもあの2人についてはですが、
・拉致されたので元の世界に戻してほしい。
それが無理の場合、慰謝料の請求
及び、死ぬまでの生活の保障(衣・食・住をメイド込み。つまり貴族レベル)
・食事の改善(あちらの世界基準の食事の提供)
・魔法の習得の補助。
・etc...」
「話にならんね。」
「もう1人については現実的でした。
・あちらの世界に戻れる方法、もしくは過去の前例があったか調べて欲しい。
・こちらの常識に疎いので常識を教えて欲しい。わがままを言って良ければ、就職に有利になるであろう学園に通わせて欲しい。」
・それが難しければ、こちらには知り合いも伝手も無いので、自立出来るよう助けて欲しい。具体的には、計算・読み書きは出来るので、仕事を紹介してほしい。
「…その子、ほんとに15歳?冷めてるというか、冷静過ぎない?」
「確かに。もし自分が同じ立場であったならば、あれほど落ち着けてはおらなんだと思う。」
「まあ、その子については許容範囲なんじゃないの?こちらの世界で生きていく以上は常識も習わなくちゃいけないだろうし、学園に通うのも有りなのかも。学園の費用がどのくらいかは知らないけど。」
「一応は王立であるから、そこまでの費用は取ってはいません。貴族は逆に寄付を強要していますが。」
「それって、下手すると選民意識が強くならない?」
「建前は、貴族のランクにより決まった金額を出資して頂き、王国が運営している形です。逆に言えば子息・令嬢が出してもいないのにグダグダ言うなと。
それと、クラスも上級・下級の貴族クラス、平民クラスは分かれております。テストの順位の張り出しも上級・下級の貴族、平民クラスは別にして争いが起きないよう配慮されております。」
そりゃ、成績を貴族も平民も一緒くたにしたら、無駄にプライドの高いお貴族様には、余計な軋轢を生む結果になるしな。
「じゃあ、その子…」
「葛城そらと言われる女性です。」
「その葛城さんは良いとして、あとの2人についてだね。」
フーヴォに頑張ってもらうしかないのかな?
次回フーヴォ&セガルルトの災難が始まる?
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