44話.閑話:休憩中4
誤字脱字が多くて申し訳ありません!
44話.閑話:休憩中4
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信徒への、賢獣を穢したことに対しての『責任』と、賢獣に見限られてしまった説明の『義務』
もちろん、ハーベスト神皇国にいる信徒に対してもそうだが、今回エーバー王国で開催する賢獣祭に、世界各国から来訪している信徒たち。
すでにエーバー王国に、続々と集まってきて賢獣祭を今か今かと待っている。ここで対処を間違えば、どうなるか?暴動で済めば良い方だ。最悪、ハーベスト神皇国は内乱に陥るし、暴動の報復措置でエーバー王国が戦争を仕掛けてくる可能性もある。
そして冒険者ギルドの立場。エーバー王国に本部があり、エンを始めシャーヤ、コウキ、フーヴォまでも、冒険者ギルド寄りの立ち位置なのだ。
穏健派・中立派・過激派など関係なく、最大の派閥を形成されたと言っても過言ではない。
保身を選ぶか、安寧を選ぶか。
「しゅるる?るー(そろそろ飽きちゃったよ?エン様)」
「ハーベスト神皇国は…、何を守りたいのだ?国か?信仰心か?それとも信徒たちの安寧か?はたまたそれ以外のものか?守りたいものを一つ示してみよ。」
重い沈黙の後、枢機卿の口が開いた。
「……もちろん、今、おっしゃられた物全てが大事でございます。守れるのであれば、賢獣様を前にして烏滸がましくもありますが、信徒を含め世界すべての安寧を、経典に基づき模索して導いていきたいと思っています。
ただ、…一つと申されれば、それは…」
本音か?建前か?自身の保身を選ぶ?教皇が辞任して上層部が刷新した今、自身が権力を手に出来る状況。しかし賢獣という後ろ盾がない現状では、その権力も砂上の楼閣。
その上で、自身の権力を誇示するために、賢獣というお前らの神に対して保身を望むのか、それとも…?
「それは、信徒たち全ての希望、未来を守りたいのです。」
上手い、言い回しだね!ぱっと見、賢獣が居なくなったハーベスト神皇国の未来を憂えているように見えるけど、穿った見方をすると、お前らも信徒の一人だよね?
嘘はついていなくとも、本心もストレートに言ってない。これが大人の駆け引きなんだろうね。
でもね、聞こえの良い言葉をいくら紡いでも、捻くれた俺の性格・思考を受け継いでるエンには通じないよ?
「ほぉ?信徒たち全てとな。それは決して耳障りの良い湾曲した言葉ではなく、真の言葉であるな?」
「…もちろんでございます。」
ありゃ?見透かされてるのがバレちゃったかな?冷や汗がダラダラと流れてるよ?ちなみにコウキは頷いているように見えるけど、寝てない?舟を漕いでるようにも見えるけど?
「しゅるるるる…(★☆〇Ж%§…)」
寝言だね!
「今の現状、全ての願いを叶えることは難しい。しかし信徒の未来を憂えているのは理解した。」
「それでは!」
「賢獣祭については、今回は我れが中心に滞りなく執り行っておこう。権威の為ではなく、真の信徒の未来を願って執り行う。」
「ありがとうございます。」
「だが、コウキに対して行った行為が無くなるわけではない。それは分かっておるな?」
枢機卿の喉が、ゴクリと生唾を飲む音が聞こえた。
「その審判は受けてもらわねばならん。“世界の愛し子”としては心苦しくもあるが、それについては判ってくれるな?」
「承知しております。元教皇を含め、罪に対して沙汰を下すのは必然でございます。」
「多少の騒ぎになるやも知れんが、罪を犯した者の発表もせねばならん。現状の報告と認識の齟齬を埋める為にもな。
枢機卿としても、自らの口で信徒たちに言うのは辛いであろ?」
エンが耳障りの良い言葉で、誘導している。
確かに、賢獣に対して穢した行為の結果、賢獣に見限られてしまった報告は言い辛いだろう。しかしエンに任せるという安易な方法を取ってしまっても、本当に大丈夫だと思ってる?
信徒に自らが説明するのは最低限の義務であり責任なんだよ?
義務を放棄した末路は覚悟できてる?
責任を放棄するのならば、どうなっても文句は言えないよ?
「宜しいのですか?私が口に出せば、角が立つかも知れませんので、そうして頂けるのであれば助かります。」
あーぁ。放棄しちゃった。
何、ほっとした顔をしてるんだお前たち?
これでお前らの未来は賢獣たちの思う形で確定しちゃったんだよ。
賢獣祭を楽しみに待ってろよな。
「それでは細かな進行についてはお任せしますが、冒頭のあいさつにて我らが伝える形で始めることで宜しいか?」
「はい、お願いします。」
「承知した。それでは、我らも内容を精査したいので、ちと話し合いたい。面会についてはこれで終いで良いか?」
「分かりました。それではこれで。失礼いたします。」
ハーベスト神皇国の枢機卿たちは静かに出て行った。
「終わりましたな。」
「ハーベスト神皇国、賢獣の件は解決してないのに帰っちゃったよ?」
「見限られたままなのに安心して帰られましたね。」
「目下の賢獣祭を乗り切れば、時間の猶予も多少は生まれるし、それから再度交渉をって感じだろうね。」
「未来があると思ってるオメデタイお頭なんだから仕方がないよ。」
「今まで権力の笠に着て、ぬるま湯に浸かっていたようなヤツラなんだから仕方がないとは思いますが。」
「ま、何とか、計画通りに行けたとは思うんだけど、大丈夫?」
「世界会議でハーベスト神皇国とホランド公国の処遇の話になると思いますが、両国が世界会議に参加し続けるか否かで、方向性が変わる可能性がございます。」
「だよね。参加させないってことは出来るのかな?」
「難しいでしょう。」
「いくら発言権は無くなったと言っても、参加については許可されているままだしな。」
「当事者が居ないのがベターだったけど仕方がないか。エン?何とかなりそう?」
「ある程度誘導は出来ると思います。」
「了解。エビンさんやエルマさんも、巻き込んだ形になっちゃってごめんね。」
「何を言っている?我らが後ろ盾を望んだのだ。協力するのは当然だし、巻き込まれたとは思っておらん。」
「そう言って貰えると助かるよ。…そういえばもうすぐお昼だけど、何時ころ再開するのかな?まだ時間があるなら、何か食べたいんだけど?」
「クマゴン様の汚れ次第ですね。かなりの汚れでしたので……お時間が掛かると思います。時間が決まれば、教えて頂けると思いますので、先にご飯でも頂きますか?」
「そうしよっか。じゃあヤン、ラン。出ておいで。ご飯にしよっか。」
「「みゃーぃ!(はーい!)」」
世界会議と、賢獣祭。早く片付けて、拠点に帰りたいと思いつつも、スローライフのためには頑張らなくちゃと思うアボだった。
ドーナツを間食したらこみ上げてくるものが……
単に逆流性食道炎だと。。




