41話.閑話:休憩中
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41話.閑話:休憩中
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「結局…」
賢獣教という宗教団体は、教皇や主が賢獣の代理人を謳っても、それが人である以上、賢獣の意ではない思想が混じり、元々の賢獣の意思から歪んで伝わり、違う形で伝えられる。あくまでも、その教団を率いているのは賢獣ではないのだから。
だからこそ宗教というのは信用できない。信仰という名のもとに、何をしても許されると思い込んで、さも平然としている。
偽善が蔓延り、正義の押し売り、価値観の押し付けが行われる自己満足の施し。平等だと謳っても公平ではない、矛盾を孕んだ経典。
“世界の愛し子”と共に歩む。ただそれだけのことが、エゴによって歪められる。
向こうの世界では“神”は顕現することはなかったが、こっちの世界では賢獣という『心の拠りどころ』がいるというのに。
「目に見えない信仰心を大切にする。それも大事なのかもしれないけど…。」
「その前に、“賢獣”とは何か?それを理解しなければ。本末転倒です。
勝手に『神』と祀り上げられ、
勝手に己の理想を押し付けられ、
勝手に心酔し、
勝手に裏切られたと罵られる。
時には粛清という名のもとに、暴力も厭わない。宗教とは何なんでしょう?
賢獣にも人格がございます。主の思考・思想が大きく影響されるとはいえ、世界そのものの意思が具現化したものでございます。
まぁ私やヤンさん、ランさんはアボ様の【単一の魔力のみ】で顕現していますので、例外となりますけど。
話が逸れましたが、賢獣がいて、託宣者である主がいる。それだけなのです。それ以上でも、それ以下でもありません。
託宣が行われ、それをどう生かすかは、そこに住む民次第。“世界の愛し子”は、この世界に対しての『在り方』であって、そこに住まう者に対してだけの存在ではないという事を理解して頂きたいのですが、なかなか難しいですね。」
「賢獣教の経典って、何が書かれているのかエンを前に、聞いてみたいよね。」
「シュルルル?(笑っちゃう内容だよ?)」
「何故に疑問形?」
「シュルルルル(最後まで聞く前に寝ちゃったから)」
「ブルルルーー(お子ちゃまには退屈だからな)」
「シュルルルシュルルルル!(生まれ変わったばかりだけど、お子ちゃまじゃないもん!)」
「ホーーーホーー(昔の姦しい頃に戻ったようじゃの)」
「エン?賢獣って主の思考・思想とかに影響されるんでしょ?今のコウキはどうなってるの?」
「コウキさんの場合だけでなく、賢獣は〈一番最初〉の顕現時の主様の思考に大きく影響されます。以降の顕現については、主様の魔力の量によって影響度は変わります。
今代の賢獣は中立派の「メシドーノツリー樹王国」のリリーさんと「高山国家ヨークフィン」のヴィヴィさんは今の主様の影響が大きめですね。
フーヴォさんは主だったレーラさんのご意思が、後から成形された珍しいパターンですけど。
その他の賢獣の人格は〈一番最初〉の顕現時の主様の影響が強いので、意思疎通は難航しているのでは?」
「ブルルル(レーレーは自由奔放で羨ましい)」
「シュルル(これからは自由だけどね)」
「ある意味、獣王国の主は脳筋ばかりですので、賢獣の中では一番、歴代の主の意思が統一されていますね。」
「しゅるる(傍に寄りたくない)」
「ぶるる(暑苦しい)」
ん?賢獣たちの喋り方が変わったような…?
「しゅるるー!(それよりショウモンだよー!)」
「ショウモンってマニー共和国の?」
「しゅるるー!(あいつ腹黒だからきらーい!)」
賢獣の仲も色々あるようだ。
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