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準備万端で楽々異世界生活(仮)  作者: メイシン
第1章 世界会議編
38/93

38話.世界会議4

エン無双が続きます。


38話.世界会議4



*****~*****~*****~*****



 コウキが卵の状態に孵った。その卵の色は、先ほどの禍々しいばかりの、賢獣に似つかわしくない色とは違い、きれいな白色で文様の様にある凹凸が何とも神秘的である。そして、卵に孵ることを、その様子を眺めるしかなかったハーベストの面々。


 賢獣を顕現させるために、どれほどの準備の時間と金額が掛かったのだろうか?


 大量の高ランクの魔石、大規模な増幅の魔法陣、秘具と云うべき希少な魔道具、それらを運用するための高ランクの魔術師達。。。

 それも主が亡くなる度にだ。だからこそ、国庫に余裕のないエーバー王国のレーラは、幼子の時にフーヴォの主になったのだ。出来るだけ顕現の期間を伸ばそうとして。

 最も、ハーベスト神皇国のように貴賤貧富と称し誰彼構わず、信者からのお布施という名の強要で、国庫が潤っている所もあるが。

 だからと言って、何の準備もしてない状態で、しかも昨年、賢獣を顕現したばかりなのに。


 今から準備を始めたとして、どれだけの時間が掛かるか。それは、すなわち賢獣のいない期間とイコール。

 隣国の脅威、魔獣の脅威からもストッパーであるがゆえに均衡を保っていたものが、突然いなくなったのだ。とても許容出来るものではない。




「……賢獣様。先ほど、貴方は『“世界の愛し子”は本来、何事にも強制されるものではない。主との縁を大事にしたい気持ちはよく分かるが、己の信念・存在の意義を否定してまで、有るべきものなのであろうか』とおっしゃいましたよね?

 これは強要・強制ではないのですか?いったい、いつコウキ様が不平不満をおっしゃいましたか?己の信念・存在の意義を否定しているのは貴方様の暴挙ではありませんか!

 コウキ様の御意思を、無視して卵に孵すなどと言語道断!卵に孵ってしまったコウキ様の代わりを要求させていただきます!エン様、主と共にハーベスト神皇国に来ていただきます。これは当然の要求であり、拒否は通りませんよ。」



(コウキ様を失ったのは痛いが、結果的にエン様を手に入れられるのであれば、差し引きはプラスに転じたな。ゆくゆくはエン様を皇妃として迎え、子を成せれば我は神子の父として…)


 ハーベスト神皇国の教皇は今後の打算を素早く考え、己の欲を叶えようと画策した。しかし、エンの声がそれを遮るように、発する。


「……拒否をするも何も…、おぬしは何を頓珍漢な事を言っておるのだ?」


「ふっ、賢獣様ともあろうお方がご理解されておられない?」


「全く理解が出来ん。屁理屈でも一応は理屈。理解・納得は出来なくても、どんな言いがかりを言われるか面白くもあるから聞く耳は持とう。

 しかしな、屁理屈でも言い訳でもない、支離滅裂している事を論理と言わんばかりに言われてもなぁ。」


 流石のエンも苦笑するしかないようだ。しかしその苦笑もハーベスト神皇国にとっては嘲笑に見えたようで、怒りに染まっていく。


「何がおかしいと言うのですか!」


「おかしいも何も、これはコウキの意思だ。我の祝詞を聞いておらなんだか?先ほども、一語一句間違えずに諳んじたように記憶力も良いのだろう?思いだしてみよ。」


 自身の国の賢獣に言われた祝詞(当事者にとっては呪詛に近かったが)を思いだしてみる。


『世界の意思に従い、

 自身の行いを鑑みて

  世界を弓なす行為と

   認めたのならば

    卵に孵れ。。。』


 そう、自身の行いを鑑みて(・・・・・・・・・)……認めたのならば(・・・・・・・)卵に孵れ。と。


「思いだしたか?コウキ自身が卵に孵ることを望んだ。是としたのだ。それがこの結果よ。」


「…そ、そんな暴言を素直に受け取れるとでも、お思いか!我らが信仰の対象であるコウキ様自らの御言葉もなく、卵に孵られた!我が国に断りもなく、ましてや一心同体である主さえも見捨てさせたのですよ!」


「ふむ、…お主の言うことも一理あるの。しかし、穢されたコウキはすでに後戻りできない状況だった故の、緊急措置だ。我の一存ではあるが、何もこのままという訳ではない。改めて顕現(・・)させよう。」


「何を言って…」


 またも言葉を遮るように、エンが右手を水平に上げ、手のひらをコウキであった賢獣の卵に向ける。


 卵の外殻がぼんやりと光り始めたかと思うと、輪郭が滲むように不確かな形状を取り始め段々と光量が増していく卵。






 そこには先ほどの胡乱とした瞳のコウキではなく、はっきりと理性の宿った瞳のコウキが顕現していた。






「こ、これは……」


 言葉を失っている、この場にいる全ての者たち。賢獣を顕現させるためには、

大量の高ランクの魔石、

大規模な増幅の魔法陣、

秘具と云うべき希少な魔道具、

運用するための高ランクの魔術師達

 それらを、時間を掛けて集め、錬成し行うものだ。決して片手間の様に行えるものではない。それをエンは何の魔道具も魔石も使わず、誰の手も借りずに行ったのだ。

 どれだけの階位の差があれば出来るのであろう。まさに“格”の差を見せつけるかのように、コウキを再顕現させたのだ。


「ホーーホーゥ…(まさに力業じゃのぅ…)」


 フーヴォの呟きは、意思疎通の出来ない、他の面々でも理解できる、そんな呟きだった。







エンは纏衣を使ってアボとフュージョン状態ですが、主権はエンにある為

アボは蚊帳の外状態です。……一応主人公ですよ?

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