35話.世界会議1
誤字脱字の報告ありがとうございます!
便利な機能ですよねー
確かめてはいるのですが、抜けが多くてすみません。
35話.世界会議1
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そこは巨大な室内。大きさは100m四方はあるだろうか。その中心から外側に向かって放射線状に通路で仕切られた席は、まるでバームクーヘンのようだ。
中心の席は向かい合い、円卓の様になって11人が座っている。
煌びやかな衣装をまとった者もいれば、機能だけを求めた武骨な簡素な衣装の者、民族衣装の者もいる。この世界の10大国の代表と、冒険者ギルドのグランドマスター達だ。
外側の円卓はバームクーヘンの様に通路に区切られ、11の区画に分かれている。座っている者は、ヒトの姿をしていない者がいる。賢獣とその主だ。
そしてその後ろには、騎士であろうか?鎧をまとった者たちとメイド達が並んで立っていた。
毎年行われる世界会議。しかし今回はいつもの状況とは少し“赴ぎが違う”模様のようだ。
「…世界会議を始める前に、紹介をしてもらっても良いだろうか?ここに居る者達ほとんどがお初になるであろう、賢獣様がお座りになられる席に居られる方々を。
のう?冒険者ギルドのグランドマスター?」
「そうだ!賢獣様が座られる席に何故ヒト人種が2人座っているのか説明してくれや!下らない茶番だったら、冒険者ギルドもどうなるか分かってんだろうなぁ?!賢獣様を騙った者共も只じゃ済まされねえぞ!」
グランドマスターのエビンは獣王の恫喝にも似た問いに、やれやれと言った表情だ。以前は力関係の問題で弱い立場であったが、これからは違う。ゆっくりとエビンが応える。
「ここに居られる賢獣様方達が文句も何も仰られない時点で、説明する必要があるとは思えんが…、自己紹介は必要か?」
当然の様に、他の国々の賢獣は静かにしている。答えは出ているのだが、確かに世界に10体しかいないと言われていた賢獣に、新たな賢獣が現れたのだから、紹介するのは流れとしておかしくはない。
「お願いできますかな?」
立ち上がるアボとエン。その姿は、色違いの様相でアボが黒、エンが白といった衣装でまとめられている。しかし被っているマスクは逆の色。アボは白、エンは黒。
2人の衣装は、ビクトリア朝のファッションのように、アボは黒を基調に白の刺繍、エンは白を基調に金の刺繍が施されていて、胸から襟にかけての刺繍は、この世界の技術レベルを超え、十分に賢獣の恩恵を賜っていることを伺わせる衣装だ。(実際は向こうの世界から持ってきた衣装だが)
「……、真名は当然控えさせてもらうが、我が名は『エン』と呼ぶが良い。
ヒト型であるがゆえに信じぬ者、又は侮る者がいるとしたら、国が滅ぼされる覚悟を以って接するが良い。そして我が主に対して粗相を犯そうとしたならば、同じように覚悟を以って逝け。関係があろうがなかろうが、国ごと滅する。」
いきなりケンカ腰のエン。打ち合わせ通りとはいえ、かなり過激な発言だ。グランドマスターは味方であるはずのエンの発言に冷や汗が止まらない様子。
「そして我は此度、冒険者ギルドの後ろ盾として参加した。意味は分かるな?」
圧倒的な圧に、会場は緊張の糸が切れない。
「そこの獣人の王よ。先の発言は不問に致すが、我と主を侮るのは己の未熟さを露呈させるだけぞ?賢獣相手にケンカを売る度胸は買うがな。
…我はか弱き赤子であっても、主に弓なす者ならば容赦はせん。全ての力を以って応対しよう。
そこな獣人の王よ、再度問う!先ほどの問いをもう一度言ってみよ!」
いつの間にか、魔力が漏れていたのだろうか。各国の代表たちは警備上、結界が敷かれているので、まだ正気を保っていられたが、室内にいる騎士たちやメイド達は次々と気絶したように倒れる者が続出している。
(へぇ、この魔力の暴風でも倒れないヤツがいるとはねぇ…。エン、ヤン、ラン。今、この会場で意識を保ってる人たちを記憶しておいて。実力者たちだろうから。)
(((承知いたしました/わかったー!)))
結界で守られているとはいえ、ピンポイントで獣人の王に魔力を当て続けるエン。そろそろ結界も限界のようだ。ピキピキ・ギシギシいってる。
そして、アボはイタズラもしている。先ほどの獣人の王の発言にイラっとしたからだ。結界の外側と内側にバイパスを作って、エンの魔力をそのまま獣人の王にお届けしてあげているのだ。
結界に守られているはずなのに、エンの魔力をピンポイントで浴び続ける獣人の王。そしてその余波だけで倒れる者達。その時、救いの手が現れた。
「ホーーーホーーゥ。ホー(いい加減弱い者いじめは止めなされ。エン殿、アボ殿。)」
賢獣の中でも、一番顕現している期間が長いフーヴォが、この場を治めようと動いてくれたのだった。
そして、世界会議は未だ、始まってもいない。。。
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