33話.世界会議(前)1
章管理の仕方を教えて頂きました!
やっと第1章の盛り場に差し掛かります。
33話.世界会議(前)1
*****~*****~*****~*****
「アボ様、今日のご予定は?」
「世界会議まであと1ヶ月半まで特にすることあったっけっかなー?」
「特になければ、自衛の手段を増やされてはいかがですか?」
「自衛手段?」
「現状、アボ様の防御手段は空間系の障壁や結界が主ですけど、不意打ちや接近戦では使い勝手が良くないと思いまして。」
「そうなんだよねー。基本的に冒険者になるつもりも、危険なところに行くつもりもないんだけど、向こうから近寄ってくる場合がねぇ。」
「特に世界会議で世間に姿を晒されることを考えると…。」
「顔は隠すつもりだけど、人前に出るからなぁ。障壁も邪魔になるときあるし、何か良い手があるの?」
「その前にアボ様の時空間系以外の魔力の質と、魔法の得意分野を調べましょう。」
「どうやって調べるの?」
「今回は『鎖式』で。」
鎖に水晶のようなものが付いた、長さ30㎝のものを取り出した。
「学園やギルドでも習うのですが、一般的に『鎖式』魔力診断を行います。この鎖に魔力を通す事によって、鎖の変化が起こります。それを見て、魔力の質・魔法の得意分野、魔法の伸びしろを調べる方法です。
魔力操作系……ゆらゆら動く 風等
魔力物質化系…水滴が付く、土が付くなど 水・土等
事象変化系……熱を持つなど 火等
強化系…………鎖が棒状に硬くなる 無等
支援系…………鎖がくるくる回る 呪い・魔法陣等
特殊系…………水晶の色が変わる(光る) 上記以外
あくまでも簡易式ですが、鎖の変化は一つではありませんので、魔力操作系メインでも魔力物質化系の才能もあれば風・水・土のトリプルもあり得ます。
逆に言うと複数の才能があってもメイン以外の魔法しか鍛えない、または使えない場合は、本来の力より落ちた状態の魔法しか使えないという感じです。」
「そうなの?この世界に来るとき、魔法はイメージって聞いたんだけど?」
「その通りですよ。でも向き不向き、得手不得手がございます。(アボ様の場合は向こうの世界の知識がありますので、イメージ力がハンパなくて、大抵の魔法はイメージ通りに使えてしまいますが)」
エンは、後半部分を敢えて波風を作るような発言は、アボの精神的な安寧を考えて、あえて言葉にはしなかった。
「それで?この鎖に魔力を流せば良いの?」
「アボ様の場合、魔力の絶対量が多すぎますので、流し過ぎる恐れがございます。
少しづつ、ほんの少しづつ魔力を鎖に通してください。」
「わかった。」
鎖を右手に持ち、ゆっくりと魔力を流していく。鎖の先端についている水晶が淡く光りだす。時空間系の魔法を使えるだけあって、一番最初に変化があるのは特殊系だ。しかしこれは光っているのか?黒い光?光るというより闇が周囲の光を吸収しているように見える。
鎖の変化を眺めていると、次第に変化が表れてきた。
まずは鎖が時計回りに回りだした。
次に、鎖を持ってる指に違和感が。これは……、鎖が棒状になったので持ちにくくなったのかな?
そして鎖が冷えて氷が付着し始めたが、鎖がブルブル振動して氷が付着する度、下に落ちている。
「これって……」
「これは賢獣でも引きますね。」
「何気にヒドイ!」
「水晶が闇系に光り、時計回りに回りながら、棒状になって氷滴が出来、ブルブル震えてる。。。所謂、全適性ですね。」
「くねくね動いてないし、熱くもなってないよ?」
「強化系が強すぎるので、硬くて上手く動けず震えている状態ですね。事象変化系はあくまでも“熱”の変化です。
氷滴が出来ている所を見ると、魔力物質化系よりも事象変化系が強めでしょうか?どちらにせよ規格外です。」
「エンにディスられた。。」
本来は喜ばしいはずなのに引かれてるのは何故?。解せぬ。ヤンランが嬉しそうにキラキラした瞳で眺めているのが唯一の救いだ。
「まあ規格外は今更ですけど、今のアボ様に適した手段としましては、『魔闘衣』と『纏衣』がおススメですね。』」
「イントネーションも一緒なんだけど、何が違うの?」
「『魔闘衣』は魔力で体の一部や全体を包み込み、防御や攻撃の手段に使う技法のひとつで、『纏衣』は主様専用の、賢獣を身に纏う能力です。」
「じゃあ、ヤンとランをいつもバックに入れなくても、『纏衣』を使えば一緒にいられるってこと?」
「慣れるまでは時間が制限されますが、私ともアボ様と一つになれますわ。まさに一心同体。試しにイッチャいます?」
「なんか響きがエロイ。とりあえず『魔闘衣』を教えて。」
時々エンって、応対が砕けるというか、キャラがブレるんだよなと思いつつ、世界会議までの間、遊びがてらの暇つぶしの魔闘衣を練習したつもりだったんだけど、エンはスパルタ過ぎると初日から後悔した。
*****~*****~*****~*****
魔闘衣を練習している間にもフーヴォが乱入してきてご飯を強請られたり、ギルド本部から魔導通信が入りまくったり、魔闘衣を維持したまま釣りをして、5mほどの魚?を釣ったりしてたら、あっという間に世界会議の2日前になった。
「一応、世界会議を前に魔闘衣も実用レベルになりましたね。」
「教え方が鬼畜だったけどね。」
「1ヶ月で物にしようと思ったら、並大抵の努力では無理ですわ。通常は何十年も懸けて習得するのですから。」
「エンの笑顔が怖くて逆らえなかった。。。」
「ん?何か??」
今、思いだしても体が震えるのは、相当なトラウマになっている気がするアボだったが、目の前で微笑んでるエンが怖くて何も言えなかった。
「じゃあ、魔導通信でエルマさんに連絡したら、王都のギルド本部に向かおうか。」
「承知いたしました。当日の衣装の確認などは夜に行います?」
「そだね。威厳のある恰好の方が良いかな?」
「その辺も含めて、夜にでもファッションショーしましょう♪」
エライさんの前に出るのはイヤだったはずなのに、どんどんハマってくと若干遠い目をしながらうなずくアボだった。
定番の魔力診断は水晶系ですが、ここでは、以前から温めていた鎖式魔力診断法を使ってみました。




