27話.ゼガルルト第2王子
少し短いですがキリの良い所なので。
27話.ゼガルルト第2王子
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Side:ゼガルルト第2王子
吹き飛ばされたガララント達3人は、フーヴォの威圧をまともに受けてしまった為、驚愕に塗れた顔で気絶した。エルマが外に居た護衛の騎士と侍女に、フーヴォの逆鱗に触れたと伝え、医務室へすぐに搬送する様、指示を出して何とかその場は収まった。
アボはフーヴォに良くやったとご褒美のお菓子(三色団子)をあげていると、エンからの説教が始まった。
「フーヴォ、アボ様。ここは第2王子の執務室です。穏便にとは言いませんが、もう少しやり方があったのではありませんか?一応は第1王子もいらしたんですから。」
アボとフーヴォは、エンの迫力に押されながらも、小声で言い訳を言っている。基本2人共(1人+1匹)面倒なことは嫌いな性格。アボの場合、悪ふざけに関してはどれだけ面倒(間違った努力)でも惜しまないが。
ちなみにフーヴォの言葉は、エンが同時通訳してアボに伝達しているのでリアルタイムで会話が成り立っているように周囲から見えている。
会話が成り立っているように見えるということは、この世界ではすなわち主として見えるわけで。
「本来は私が何とかしなければならない所を対処して頂いてありがとうございます。助かりました。身内の恥を晒すようですが、我々とは生きる世界が違うようで、独特の世界観があるようでして。。
ところで、先ほどのやり取り。私にはアボ殿がフーヴォ様と意思疎通が出来ているように見えたのですが。。。ひょっとしてフーヴォ様と再契約して主様となられたのでしょうか?」
事情を知らないゼガルルトからしてみれば当然、そう見えてしまうのである。
「いいえ、ゼガルルト様。私はフーヴォ様の主ではありませんよ。」
「いや、しかし現に…」
「それを含めて、話に来たんじゃ。」
グランドマスターが合いの手を入れて、やっと話が進み始めた。
「なるほど。。俄かには信じられない様な話だが、どうやら本当のことのようだ。……これは私の手に余る。」
ゼガルルトは顔を手で覆い、唸るように考え込んだ。第2王子とはいえ、まだ15歳。今年学園に入学したばかり、無理もない。
いきなり、主不在である王国の賢獣様と意思疎通できる者が現れ、それを確認すると現在確認されている10体の賢獣様以外の賢獣という。
しかも、その賢獣様は主以外の者でも意思疎通が出来るヒト人種の容姿。
王国にとっても意思疎通が出来る存在というのは、決して小さい問題ではない。世界の愛し子である賢獣の存在は国民にとっても大きな存在だ。その賢獣の代弁者となる者。しかも見た目はヒト人種の容姿でありながら賢獣。
問題が起こる要素しか見当たらない!権力・威光に縋り、近寄ってくる者が絶たないだろうし、先のビスコッティなる恩恵でも分かるように商売・商品の造詣も深い事から、そちら方面のアプローチも凄いことになる。
しかも、見目も麗しいヒト人種の容姿という事は、子孫を残せる可能性もあるのだ!もし賢獣の血を後世に残せるのであれば、、、考えるだけでも恐ろしい。絶対的な権力を手に入れることが出来るであろう。
またその子孫が賢獣様の能力を受け継ぐことが出来るとしたならば!権力者だけでなく研究者からも好奇の目でみられるだろう。
誰もが“世界の愛し子”である賢獣様を欲望の目で見ることになるのだろう。その存在が賢獣様だという事も理解せず。
一つ間違えばこの世界を壊すことも可能な存在。それが賢獣様なのに。
しかも主様と一対の存在なのに、目の前の二人はそれを感じさせない稀有の存在。只の男女の関係、親子かカップルにしか見えないのだから。
勘違いして迫ってくる者は絶対にいる!主様と一対の存在なのに!!
「…うぅ、胃が痛い。」
15歳のゼガルルトには荷の重い案件、今すぐにでも逃げ出したい。
優秀なのに苦労性。キャラがブレそうな気がする。。。




